第五章 フェンブル争乱編

五章の主な登場人物

◇ 四章のあらすじ ◇


 単眼の巨人キュクロプス戦直後、トーラシア監察隊のミランダがトレバーを訪れる。彼女によれば、シンテザ教の影響はザウロー家だけでなく、トーラシア連邦本部をも浸食していたというのだ。


 自国の不始末をヒースに負わせる形になってしまった事を謝罪するミランダ。

 彼女は前領主マティウスの復帰を約束するが、その為にはヒースとシアの婚約が条件である事を告げる。それはウェーバー家が成し得なかった偉業を果たした影響を鑑みての判断だった。


 ただ自身が転移した理由やこの世界の謎を解き明かしたいヒースは、ティネの師匠であるスプレイグロ・ヤース老師の元を訪ねる決意をする。


 陸路は危険だろうというミランダの提案により、首都トーラシアから船で西に向かう事になったヒース達一行。

 首都に到着したヒースは、連邦盟主のフェルディナンド公から自身の素性について明かされる事に。話によると、ヒースはメルドラン王国北部の領主、フレイザー辺境伯ではないかというのだ。

 その大きな証拠になったのが、彼が所持していた曲刀サーベル

 それは剣術師範の称号を得た者にしか下賜されない、貴重な曲刀であった。


 船でフェルコスに渡った一行は、そこで獣人に襲われた村の噂を耳にする。

 人に騙され疑心暗鬼の獣人に対し、剣を捨て味方だと告げるヒース。

 マナ不足で苦しむ二人の幼い獣人は、ヒースからマナを分けて貰うことで彼を信じるという選択をした。


 助けた獣人達はメイヴとリンという名の姉妹だった。フィオンという白狼族の少女が作ってくれた隙に乗じて、ジェイドの元から逃げて来たのだと言う。

 ヤース老師の住まいが彼女達の故郷近くにある事を知り、一行は二人を故郷へ送り届ける事に。


 途中行き倒れていた町人から町が獣人に襲われたと聞き、急遽ウェグリアに向かうヒース達一行。仲間達の蛮行を止めるべくメイヴも同行する。


 ヒースはウェグリアの町で狂化の精神魔法を掛けられたフィオンと出逢う。

 激しい戦いの末、フィオンの口から「こーや」の名を耳にするヒース。

 ベァナと協力してフィオンの首輪を解呪した彼は、彼女が相棒のシロである事を確信するのだった。




◇ 五章の主な登場人物 ◇



ヒース       野外活動や古代の道具・兵器などの知識が豊富な元大学生。自身に関する謎を解き明かすため、ティネの師匠であるヤース老師を訪ねる。


ベァナ       精霊魔法を使えぬ自分に劣等感を抱いていたが、ヒースの考察により再び希望を持つようになる。普段は優しいが、時に強く主張する事も。


ニーヴ       薄水色の髪を持つ少女。ヒースのお陰で再び魔法を使えるようになったため、どうにかその恩に報いたいと考えている。夢はお嫁さん。


プリム       薄桃色の髪を持つ少女。言葉は拙いが、クロスボウの扱いが上手く計算が早い。おっとりとしているようでいて、戦闘時は非常に冷静。


セレナ       豪商アーネストの次女。剣術に秀でるが、女性剣士との戦いで完敗した事を機に、常に研鑽を怠らずにいる。父の策によりヒースの婚約者に。


シアラ(シア)   トレバーの次期領主候補でヒースの婚約者。常にヒースとの領地経営の事ばかり考えているが、仲間との旅も悪くないと感じている。


フィオン      ジェイドに捉われていた白狼族の少女。元の世界のシロの記憶を持つ。無邪気で天真爛漫な性格をしているが、ベァナやシアとは同い年。


ヤース老師     ティネの師匠。エルフには珍しく、昔世界中を旅していた。


オーギュスト    魔法協会フェルメ支部長。職員にしては相当な変わり者。


エリオット     黒鷹騎士団団長でアコードーヴ城塞司令。子爵家当主。


パトリック     フェンブル大公。あまり争いごとを好まない性格。


ソフィア      フェンブル第三大公妃で元メルドラン第一王女。


シルヴェリオ    赤獅子騎士団団長。熱血漢で大公にも意見をする。


ヤニック      緑龍騎士団団長。シルヴェリオとは腐れ縁の仲。


クロヴィス     フェルコスの東にあるアルシア王国の皇太子。


ジェイド      シンテザ教徒。使徒からのお告げで強力な人類の創出を研究している。保守的な魔法協会を敵視すると同時に、貴族に対しても嫌悪感を持つ。


ヘルマン      珍しくジェイドから信頼されている部下。器用貧乏な面も。


アイザック     メルドラン第四王子でダニエラ第二王妃の息子。タイラントという名の魔剣で魔物を操る。優秀な他の兄弟に対して強い劣等感を持つ。

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