第225話 職業 召使いのメンバー
使用人の仕事とは普通どういうものなのであろうか。
例えば掃除だが、貴族の屋敷に住んでるメイドとか使用人というのは毎日のように隅々まで掃除をしているものなのだろうか。
掃除機も無いのに毎日?維持できるか?
俺にはわからない、わからないがやれと言われればやる。
窓拭きでも雑巾がけでも、なんなら庭の手入れもしたっていい、植え込みを美しく切り揃えてくれよう。
何が言いたいのかと言うと、つまり俺はそれくらいの意気込みを持ってこの仕事をやろうと決意したのだ。
「ヴォルガーさんにはセサル様とお嬢様と共にダンジョンへ行ってもらいます」
ダンジョンに行く、これは使用人の仕事なのだろうか。
万に一つ、もしかしたらだけど、ルビーさんの言うダンジョンが実はあの兄妹が管理する私有地で俺はそこで清掃業務的なことをするのかなと、そういう可能性もあるのかなと思って「掃除ですか?」と聞き返したら「掃除?ああ、魔物を倒すのはある意味掃除と言うのかもしれませんね」はい違った。
「あのーぼくー、ごくごく普通の一般人なのでちょっとそういうのは不慣れなんですが」
「冒険者で旅をしていらしたのですよね?級は確か3級だとお聞きしましたが」
「それはまあ一応、はい、でもカードないから証明できませんし実は6級かもしれませんし」
「セサル様からはパーティーに誘われたのですよね?それを承諾したということは、冒険者の仕事もできるという返事になると思うのですが違いますか?」
「違わないです」
いやあそりゃあできないことは無いけどさ…戦闘なんかが業務に入ってくると俺は魔法使わなきゃ何もできないゴミカスな訳で…役に立つために魔法を使えば俺が光魔法使えることがバレる訳で…
この街で光魔法使えることがバレたら黒服の人たちが俺のところに来て悪魔じみたゲームとかを無理やりやらせて、気づけば借金地獄で地下帝国…じゃなくてギルド横の医療施設に監禁されるかもしれないんだよ、心がざわざわしちゃうよ。
「ご安心下さい、ヴォルガーさんはただ荷物を持ってあの二人の後ろをついて行くだけです」
俺が行きたくない空気を出してるのを察知したのかルビーさんがそんなことを言った。
「どういうことですか?」
「実はですね…」
それからルビーさんが詳しく事情を説明してくれた。
まずこのシルバーガーデンという街の中央には地下に広がるダンジョンの入り口があるらしい。
ダンジョンの名は『蠢(うごめ)く亡者の迷宮』名前だけで割と嫌な感じは出ている。
あの兄妹はそのダンジョンを攻略するために別の街からやって来た。
しかも家族にはそのことを一切説明せず、シルバーガーデンに行くという置手紙だけを残して。
ルビーさんは元々二人の父親に仕えているのだが、心配性な父親の命令で二人を追いかけてこの街まで来たそうだ。
見つけた時には既に家を借りられている有様。
ルビーさんは二人が何のためにこの街のダンジョンを攻略しようとしているのか理由を問いただした。
するとお嬢様がどうやら、知り合いのエルフ族の子が冒険者になって最近活躍して目立ってるという噂を聞いて対抗心を燃やしたらしく「わたくしも大きなことをして目立つのですわ!」というただそれだけのしょうもない理由だとわかった。
ちなみにお兄様は普段から妹と一緒に行動しているらしいので、流れで妹の旅立ちに付き合っていただけみたいな勢い。
ただ二人は元々冒険者登録なんかしてなかった、この街で初めて冒険者登録をした、だからまだ6級。
6級とか普通はダンジョンお断りされるみたいなんだけど、金の力でその問題をクリアし、ダンジョンに入れるようになっているのだとか、ダンジョンに入るための許可証みたいなものまで持ってるらしい。
この街では金こそが何よりもパワーを持つというのが良く分かる事例だ。
「二人がヴォルガーさんを雇ったのはダンジョンに行く際、荷物を自分たちで持ちたくないからです、失礼な言い方になりますがヴォルガーさんにはそれ以上のことは求めていないでしょう」
「いやしかし、そういう問題じゃないですよ、あの二人戦えるんですか…!?初心者でいきなり魔物がいるダンジョンなんて危ないでしょう!?」
「剣と魔法の鍛錬はしていますので素人よりは戦えます」
「そ、そうですか…でもいいんですか、本当に遊びでは済まないですよ?あの二人の命の心配をするなら説得して諦めさせるべきでは?」
ルビーさんはそれまで真面目な顔で話をしていたが、突然少しだけ笑顔になると
「貴方は自分の心配はしないのですか?やはりそれなりに心得があるようですね、これなら安心してお任せできそうです」
いらんこと言うんじゃなかった…
「…セサル様とお嬢様はこれまでほとんどわがままも言わず、街から出たこともありませんでした、二人にとってはこれは大冒険なのです、私としても二人の希望を一度だけでも聞いてあげたいのです、勝手なこととは思いますが、お手伝いをどうかお願い致します」
頭を下げてお願いされてしまった。
…うーん、そういう言い方されるとなー…
夢をぶち壊しにする大人にはなれないよなー…
「わかりましたよー、子供の夢を叶えるためだと思ってやりますよ」
「ありがとうございます、ただ…」
「ただ?まだなにか?」
「いえ、二人は50歳を超えているので恐らくヴォルガーさんより年上だと思います」
エルフ族だったわちくしょうが!
50年も生きてきたなら落ち着けよ!
あ、いやでも50年もわがまま言わないのもそれはそれですごいか…
ともかくとして、あの兄妹と共に俺はダンジョンへ行くことになった。
ルビーさんの年齢は勿論聞かなかった。
冒険者は生命の危機に対し、敏感でなければやっていけないのだ。
………………
………
「着きましたわお兄様!ここがダンジョンですのね!」
「その通りだ妹よ、ここからは心して行かねばならないよ」
「わかっておりますわ!」
キャッキャッウフフって感じで楽しそうなお二人の後ろで、荷物でパンパンになったリュックを背負っている俺。
荷物の量が軽く俺の体積の5倍以上あると思う、おかげで道行く人からは少々変な目で見られた。
変なやつに絡まれることもなかったのである意味人避け効果としてはいいのかもしれない。
ただこんな量の荷物いる?という気はする。
中身ちゃんと確認してないんだよね…ルビーさんが用意してくれたものを背負わされているだけで…
一応冒険に必要な物は一通り入ってるとは言ってた。
でも本当なら確認はしたかったよ。
お嬢様が「早く来なさい召使い!!」とめちゃくちゃ言うので仕方なく確認せず、ルビーさんの言う事を信じてそのまま来るはめになった。
まあこれだけギッシリしてるんだ、備えあれば憂いなし、大は小を兼ねる、ポジティブにとらえよう。
「ほらー召使い!早く来なさい!」
また言われた、お嬢様のご機嫌を損ねないためにもさっさと着いて行きますか。
ということで足を踏み入れてしまった『蠢く亡者の迷宮』、事前情報によると遺跡型ダンジョンというタイプになるらしい。
オーキッドでキマイラ倒しに行った洞窟みたいなのとは全然違うということだな。
まず入り口が階段だった。
地下に駅のホームでもあるんですかと言った感じの広めの階段が地面にあって、その上には後から雨とかに濡れないために建てたのか木の壁と屋根が設置してあった。
そして周りにはやたらと露店があった、食べ物だけでなく武器や防具、得体の知れない道具など様々なものが売られていたが今回はスルー。
お嬢様が早くダンジョン入りたい気持ちで一杯だったから、ただもし買い物をするにしてもこの街だといちいち気を付ける必要がありそうなんだよな…疲れそう。
階段を降りると綺麗に作られた通路があった、コンクリートの地下通路のようにも見える。
通路の広さは…あまりない、高さ、幅共に約5メートルといったところか。
天井には蛍光灯…はついてなかったが真四角のパネルのようなものが等間隔に埋め込んであって光を発していた、謎な物体だ。
またこの迷宮は現在地下7階まであることが判明している。
罠の類は3階以降からしか見つかったことが無い。
今いる地下1階はとりあえず罠の心配はしなくていいってこと。
まあ何事も絶対とは言えないのでルビーさんから聞いた情報を全部鵜呑みにはできないんですが。
そんな通路をずんずん進んでいくお嬢様。
10分ほど歩いた頃、お嬢様は足を止めた。
「分かれ道ですわっ!お兄様、どっちへ行きましょう?」
「ふむ…そうだな、では好きな方へ行ってみてはどうだい?」
「そうですわね!ではこちらの、右から二番目の道にしますわ!」
うわーお道が5本あるのに決め方がすげーアバウトだな。
地図とか…無いの?あ、荷物の中?
「あのーすいません、荷物に地図があるか確認し…あ、なんかいる」
お嬢様が進むと決めた道とは違う、一番左の道からコツコツと何か歩いてくる音が聞こえた。
俺の言葉で二人も一番左の通路に注目する。
通路の向こうから歩いてきたのは人ではなかった。
ガイコツだ、いやファンタジー風に言えばスケルトンか!
スケルトンが三匹、一定間隔のリズムを規則正しく刻みながら向かってくる。
「お兄様!魔物ですわ!」
「みたいだね、あの程度の魔物、この兄が蹴散らして…」
「お兄様が出るまでもありません!ここはわたくしにお任せですわ!」
お嬢様が突っ込んだ。
いきなりのスケルトンだというのにビビらないのは精神的に結構タフだな。
戦闘面でも思ったより期待できるかもしれない。
お嬢様は腰から剣を抜いた、細い剣だ、レイピアというやつかもしれない。
実戦でああいうの役に立つんかな、個人的に折れそうで不安になるんだが。
「さあこの魔剣エキセントリックの錆びとなるのですわ!」
おお魔剣とかあるのか…強そう、いやでも、その名前だと魔剣変人になるけどいいのか。
知らないんだろうな、黙っておこう。
お嬢様はふわりと軽さを感じさせるステップで素早く移動する、スカートがひらりと舞う。
ダンジョンだろうがお嬢様はスカートなのだ!
上は一応金属製の胸当てを服の上から身に着けている。
「はっ!!!」
勇ましい掛け声と共に、稲妻のような鋭い突きを繰り出すお嬢様。
その速度に相手は全く反応できていない。
スカッ、スカスカッ。
「わたくしの剣が通じないですわ…!?」
いやまあ骨だからね、見たらわかるよね?
肉ないんだから刺さらないよ?
「妹よ!相手をよく見るのだ!」
「よく見る…はっ、そういうことですね!お兄様!」
お嬢様はまた剣を引いて突きを繰り出した、今のやり取りの意味何?
「はあっ!!」
ガガガガガガッ!
今度の突きはちゃんとヒットした、骨が何度も剣で突かれる音がする。
スケルトンは一瞬動きを止めた後、間接がバラバラになったようにその場に崩れ落ちた。
「肉が無ければ骨を突けばいい…そういうことですわね?お兄様」
「その通りだ、妹よ!」
力技がすぎる…もっとうまいやり方あるだろたぶんこれ…
武器の選択がまず間違ってるんだよな、今更だけど。
それでもやったーと飛び跳ねて喜ぶお嬢様、可愛いところあるね。
「まだ二匹残ってますよお嬢様!」
一匹倒して喜んでる場合ではない、二匹はお嬢様に今にも掴みかかろうと手を伸ばしてきているのだ。
俺が一瞬、あーもう魔法使わなきゃだめなの?と苦悩していると
「風よ!我が呼び掛けに応じ力となれ!<ウィンドボール>!」
セサル様が魔法を使った、風の初級魔法だ。
ボールとは言ってるが風なのでどういう形かはよく分からない、恐らく球体の空気の塊が飛んでいる。
スケルトン二匹がバンッと突然吹き飛んでいく、二匹ってことは両手使って一度に二発撃ったのか、お兄様やるやん。
通路の壁に叩きつけられたスケルトンはバラバラになった。
「ははは、どうだい?兄の魔法は」
「さすがですわお兄様!サイプラス一の魔法使いですわ!」
サイプラス一…なのか?
前に会ったディムのほうが遥かに魔法凄かった気がするんだけど…
兄妹で手を取り合いきゃっきゃっと喜んでいるので水を差すのもどうかと思った俺は本当にサイプラス一なの?とは聞けなかった。
代わりにバラバラになって地面に転がる骨を眺める。
こういう魔物って実は死んでないパターンがある気がしてならないのだ。
しかし俺の予想に反して骨は地面にずぶずぶと沈んで行った。
やはりこのダンジョンも死体は地面に吸収されるのか。
いや死体って言ったらスケルトンは元々死んでるか。
いまいち生命の定義がしづらいところである。
沈みゆく骨を眺めてると、地面に残されているものに気づいた。
白い魔石だ、これは拾っておいたほうがいいかもしれない。
「地面に魔石が落ちてますよ」
二人が全然魔石に気づいてないので一言言っておいた。
「ん?ああ、この石ころか、召使い君、欲しいなら拾っておいて構わないよ」
自分で拾う気はないようだ、あとセサル様は俺のことを召使い君と呼ぶと決めたのか。
そんなのに君つけられても…煽られてるようにしか聞こえないんだが。
俺の呼び方について深く考えるのはやめ、魔石を拾うことにした。
これ二人がいらないなら俺が後で全部売れば…ウヒヒヒヒヒ。
…いやでも全部俺の金にしたらルビーさんに怒られるかな。
後で怒られずに着服できる方法を考えよう。
魔石を拾っているとお嬢様が先に進み始めた。
どうやら右から二番目の道を行くという最初の決意は完全に頭の中からどこかへ行って、このスケルトンがやって来た一番左の道をそのまま進むことに決めたらしい。
その後もスケルトンがちょいちょい通路の奥からやってきた。
お嬢様は相変わらず力技で骨の関節部分を突いて粉砕している。
セサル様は最初こそ魔法を使っていたが、次以降の戦闘では剣を使っていた、お嬢様と同じく正確な力技だ。
ちなみにそれは魔剣ラン・アウェイと言うのだと自慢された。
それは逃げるという意味なのだが剣の名前としてどうなのというつっこみをいれることはしなかった。
「スケルトンばかり飽きましたわ」
しばらく進んでお嬢様がそんなことを言い出した。
俺は別に飽きてない、だって後ろ歩いてるだけでお金拾えるようなものだから。
「ではこの小部屋で少し休憩しつつ地図を見ようか、地下一階の広い部屋には別の魔物が出て来るそうだよ」
今進んでいる通路にはいくつか扉があった、今はその扉の一つを開け、小部屋があったのでそこに入ってるところ、ついでに中にいたスケルトンが二匹地面に沈んだ。
つうかさ、地図あったのかよ!!
言うの遅いよ!!
セサル様は懐から地図を取り出し眺めたあと、ふうむ、と呟いて顎に手を当て考えるような仕草で固まった。
「お兄様、この地図で…今私たちがいる場所はどこでしょう?」
「…召使い君も見てくれ、君はどこだと思う?」
ここで俺に振るのか…
「…恐らくこの通路に隣接している小部屋が現在位置だと思います」
俺は地図を指さして現在位置を教えた。
ちなみにここまで5回ほど適当に分かれ道を選んで進んできている。
俺は一応どの道を選びながら来たか記憶していた。
「へえ、なかなかやりますわね、召使いのくせに」
おいくせにってなんだよ、俺いなかったらお前ら確実に迷ってただろ。
「なるほど、召使い君もこの私と同意見のようだな、ははは」
お兄様絶対そんなこと思ってなかっただろ!なにわろてんねん。
「では今の場所もわかったことですし、ここでお茶にしましょう」
「うむ、それもいいね、早速準備してくれたまえ召使い君」
ティータイムっすか…余裕あんな…
俺は荷物をおろし中身を確認した。
組み立てて使うテーブルと椅子が出てきた。
さらに赤鉄板と大きな水筒、茶葉、クッキー等の焼き菓子、陶器のティーカップとポット。
ルビーさんを信じた俺が馬鹿だった。
さりげなく俺の分もカウントして三つずつ椅子とかティーカップがあるが余計なお世話だ。
テーブルと椅子はまだ許すとしても陶器の物を入れんなよ!!
壊れたらどうする気だったんだよ!!
つーかこんないらん物持たされてるせいで俺の荷物あんなパンパンだったのかよ!
「早くお茶を入れて下さるかしら?」
テーブルと椅子を組み立てているとお嬢様がそう言った。
椅子も組み立てた瞬間座られた、うごごごごご。
召使いってこんなつらいのか…気軽になるもんじゃないな。
不満を感じながらもお湯を沸かし、お茶を入れる俺。
テーブルには無駄についてたおしゃれなテーブルクロスも敷いてあります。
「ルビーの焼き菓子は美味しいな」
「ええ、ほっとしますわね」
「俺も食べていいですか?」
「え、貴方戦ってないじゃないですの?なのにお腹がすいたんですの?」
すくわーーーーーーー!腹くらい減るわーーーー!
戦ってねえけどこっちは大荷物背負って歩かされとるんやぞ!!
「ははは、まあいいではないか妹よ、召使い君はなかなかお茶を入れるのが上手い、それに免じてここは私たちの食糧をわけてあげようではないか」
「お兄様がそうおっしゃるのでしたら…」
食糧を分けてあげるという言い方にむかついたが「ありがとうございます…」と言ってお菓子を食べた。
ルビーさんこれ思ったよりきついんで帰ったら特別手当貰いますよ?絶対。
小部屋でひとときのティータイムを満喫しているとお嬢様が「お風呂に入りたくなってきましたわ」と言い始めた。
俺はここぞとばかりに「帰りますか!」と答えた。
「うん?帰るのかい?それもいいね、今日は初日だから無理することもないだろう」
その通りだお兄様、さっきの分けてやる発言は許してやる。
「おおっと、帰るのはちょいと待ってもらおうか」
帰りたいのに小部屋の出入り口から知らない人の声が聞こえた。
そしてすぐに四人組の男がそこをふさぐように現れた。
「君たちは誰かな?」
セサル様が突然出てきた男たちに問いかける。
「オレたちが誰かなんてどうでもいいだろ?」
「ああ、お前らは黙って荷物を全部置いてくだけでいい」
「おっと、そこのエルフ族の女も置いてってもらうぜ!」
「そうそう!オレたちでたっぷり可愛がってやらなきゃいけねえからな!」
なにか不吉なことを言いつつげはげは笑う男たち。
恰好は冒険者風なんだが…これはどうみてもチンピラ、それ以下だよな?
「お兄様…この人たちは一体何を…」
「友達になりたいという訳ではなさそうだね…」
呑気な二人もさすがに男たちの不穏な空気に気づいたのか、剣に手をかけた。
この男たちはダンジョンという閉じられた空間で、堂々と犯罪行為に及ぼうとしている。
この兄弟、良くも悪くもこの街じゃ目立ってる、金目当てにこういうやつが出て来てきてもおかしくはないことは考えてしかるべきであった。
たぶんこの男たちは俺たちがダンジョンに入るのを見て後をつけてきたんだ。
逃げ場のない小部屋に入ったから仕掛けてきたってところか…もうちょい後ろにも気をつかえばよかったな…
はあ、ルビーさん、こういう事態も想定済みなんですか?
俺はとりあえず陶器のティーカップとポットが割れないように、この状況をどう切り抜けるべきか考え始めていた。
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