第八章

第219話 ツッパリフレンズ

 拝啓、創造神サマ。

突然ですがラーテルという生き物をご存知でしょうか。


 地球のアフリカ大陸とかにいる動物なのですが、よく知らない人が遠目に見たらスカンクじゃねあれ?といいそうな白と黒のカラーリングをしていて、でも5秒後くらいにスカンクにしたらでかすぎじゃね?と疑問を持つそんな生き物のことです。


 体長は60センチから70センチくらいだと言われています。

イタチの仲間らしいです、ただそれにしてはかなりごつい体格をしています。

まあ俺もテレビとネットで昔そういう動物を見たなあという記憶を元に語っているのでごつい体格をしているような気がします、と言い直すべきかもしれません。


 そんなラーテル君ですがスカンクに似てるだけあって臭い屁をします。

スカンクの屁って言わば逃走手段の切り札みたいなところあるじゃないですか?

だからラーテル君も実はスカンクと同じく憶病な性格なのかも知れないって思うじゃないですか?


 違うんですよ、彼は「世界一怖いもの知らずの動物」としてギネス認定されている言わばタチの悪い昭和のツッパリヤンキーみたいな生き物なんです。

自分より大きいライオンとか水牛相手でも逃げずに戦うタイプなんです。

複数のハイエナに囲まれても牙むき出しのめっちゃ怖い顔で威嚇します。

バトルになっても猛獣と互角に戦える牙と爪を持っているんですね。


 防御面でもかなりハイレベルな存在です。

猛獣と戦えるということは、猛獣の牙とか爪に耐える皮膚を持っていると言う事です。

ライオンと比べたら体長に何倍も差があるのにその防御力があるんです。

あとなんかコブラとかに噛まれても毒耐えるそうです、一時的に麻痺しても数時間後には余裕でもう治ったわとか言って復活するらしいんです。


 それで俺は思うんですが、こいつに果たして屁のスキルは必要なのか?という事です。


 肉体能力がグラップラークラスなのにそんな毒ガスみたいな特殊スキルまで持たせる必要あるか?

いらんやろ、小細工なしで戦えるやろ君。


「ヴォルるんっ、きてっ、きてるっ!!追いかけて来てるうううう!」


 ディーナの悲鳴が車内に響き思考が中断される。

じじいマジふざけんなよ、気軽に最強生物つくるんじゃねえよ。

100歩譲って地球のラーテルを参考につくったのだとしても、体長を3メートル超えにして巨大化させたのはなんでなんだよ、安易に巨大化させたら強くなるみたいな発想やめろよ、実際強いんだよ。

でかいのつくりたかったなら普通に熊とかで良かっただろ、ラーテルである必要ないだろ。

そしてそれに襲われる人の気持ち考えたことある?

そこら辺どうなのか今すぐこの場で説明して欲しい、正座させて小一時間問い詰めたい。


 俺は心の中で創造神に文句を垂れながら必死にハンドルを切った。

バックミラーには牙むき出しの四つん這いで猛然とこちらを追いかけて来る、ルフェン大陸産ラーテルが映っている。


 もっと飛ばして走行すれば振り切れるとは思うんだが、生憎、今俺たちがいるあたりは岩がゴロゴロそこら中に転がっていて、それを回避して進まなければならないため思うようにスピードが出せない。


「こうなったらもう戦うしか…!少しだけ後ろのドアを開けてください!私が魔法で牽制します!」

「ダメだっ!ドアっていうか窓も絶対開けない!マーくんがどうなったか忘れたのか!」


 後部座席にいるアイラが無謀なことを言うので容赦なくその案を却下した。


 マーくんは…アレと戦って死んだわけではないが、今はもう俺たちのはるか前を漆黒号に跨ってひたすら逃げるだけの行為をしている。


 最初にアレと遭遇したときマーくんは果敢に立ち向かった。

しかし遠距離から<ダークボール>をあてても全然効いてないような感じだったので、マーくんは闇の剣で接近戦をする方向に切り替えた。


 勿論俺も支援魔法をかけた、だから当然倒せると思ったんだが…

あいつに接近したマーくんがゲホゲホとむせながら涙目になって攻撃をやめ途中で戻って来たのだ。

そして戻って来たマーくんが俺とすれ違った瞬間、ヤバイ匂いがした。

タマネギとニンニクと卵と牛乳を混ぜて2週間くらい外で放置したような匂いだ。

いやそんな匂い嗅いだことはないんだけど例えたらそれくらいのレベル。

それで相手が屁という毒ガス攻撃をもっていることがわかった。


 その屁をくらってマーくんが逃げたのである。

これまでどんな相手にも果敢に立ち向かってきたあのマーくんが。

猫人族の村を出てからこんな、唐突に最強クラスの生物に遭遇するとは予想外だった。


 マーくんは俺とすれ違うときに一言「無理」と言って即座に漆黒号を発進させたので、俺たちもすぐ魔動車に乗って逃げに徹した。

物理攻撃とか魔法であれば防ぐ自信はあるが、匂いはちょっと自信なかった。


 だってほわオンでそんな攻撃手段もってる敵いなかったから!

そもそもVRMMOに匂いとかねーから!嗅覚に訴えかける機能までついてねえから!


 んで逃げる際に食料をその辺にバラまいたら、相手がそれに食いついたので時間稼ぎはできた。

そのため一時は安心していたんだが…


 まさかの追撃戦を掛けられた。

もしかしたら自動エサ配給装置とでも勘違いされてターゲッティングされたのかもしれない。

食料バラまきの術は悪手だったか。


 まあとにかく魔動車のドアは開けない、万が一にもヤツの毒ガスが車内に入り込んだ場合、俺たちは逃亡手段を失ってしまう。

最悪ディーナのゲロが車内に追加されてここは地獄絵図と化すだろう。


「じゃあどうするんですかっ!このままじゃ追いつかれますよっ!」

「えーとえーと…そうだな、ティアナなんかいい案ない?」

『ヴォルガーの魔法で足止めすることを提案します』

「いや俺運転してるし窓も絶対開けないから無理だよ」

『この状態のまま魔法を使用してください、発動座標を私がコントロールして後方に指定します』

「そんなんできたの?」

『ヴォルガーが運転席にいる状態であれば可能です』


 マジかよ、じゃあいっちょ頼んでみるか。


「じゃあやるぞ?絶対前に出たりとかしないよな?」

「ヴォルるんーー!早くーーー!」

「わ、わかった<ストーンピラー>!!」


 もうどうにでもなーれ、と思いつつ魔法を使った。

俺は後ろを見ていない、前見てないと岩にぶつかるので。


「あっ、後ろに石の柱が出てきました!」


 チラ、と一瞬だけバックミラーを見るとなんか生えてたことに気づく。

本当に後ろに出るんだ…便利。


 バゴオオオオン!


「あっ…でも前足で殴り壊されました…まだ追いかけてきます」

「あいつなんなの?もしかしてあいつが実は真の魔王なんじゃないか?」

『ヴォルガー、そんなことよりもっと強度のある防御魔法を使用してください』

「ええいっ、ならばこれでどうだ<ライト・ウォール>」


 魔動車の後ろに光の壁が展開された、と思う!たぶん!

バックミラーをチラっと見ただけではよく分からない!元々見づらい魔法なので!


 ガアアアアアアン!


「ゴアアアアアアアッ!!」


 すげえ音がしたと思ったらすげえ雄たけびが聞こえた。


「今度は壊せなかったみたいです、思い切り頭をうったみたいですね…頭は弱点だったのかもしれません、足が止まりました」

「よっしゃあ今のうちに振り切るぞ!」


 さらばだ魔王ラーテル…お前とは二度と会いたくないのでそのままおうちへおかえり。

俺は強敵にそっと別れを告げ、急いでマーくんの後を追いかけた。


………………


………


「この我をあそこまで追い詰める相手がいたとはな…」


 岩ゴロゴロ地帯を抜け、かなり距離を稼いだころに、綺麗な川を見つけた俺たちはそこで野営をすることにした。

マーくんはずっと臭いままだったのか、川を見つけると服着たまま飛び込んでいた。

そして全身を洗濯して川から上がってきた後にそんなことを言った。


「あそこまでっていうか即逃げ…いや、なんでもない」


 ずぶ濡れでかっこつけてたのでついつっこみそうになってしまった。

とりあえず着替えて焚火におあたりください。


「あの魔物のせいで地図を確認せずにかなり進んでしまいましたが…間に合いそうですか?」


 アイラが心配そうに話しかけてきた、大丈夫だ、あの地図は元々あまり意味ない。


 あの地図というのは土の女神オフィーリアに貰った地図のことだ。

今の俺たちはそれともう一つのアイテムを頼りにワビ湖という場所を目指している。

そこにいけば水の女神ウェリケに会えると聞いたからだ。


 ウェリケに会えばアイラのことが何かわかるかもしれない。

アイラは自分のことが自分でよくわかっていないんだ。

見た目は10歳くらいの女の子なんだが、リンデン王国にあるザミールという街でフラフラしていた以前は自分がどこでどうしていたのか全く覚えていない。

光の女神アイシャが転生する際にアイシャから分かれた力の一部がアイラになったと、火の女神イルザから聞かされてはいる。

でもなんでそうなってんのかがわからない。


 アイシャは転生する前にウェリケと会って何かを話をしたらしい。

だからウェリケなら何か知ってるんじゃないかってことで会いにいってるわけだ。

 

 ただこのウェリケって女神がめんどくせえやつで、放浪癖があって忍耐力がない、神としてどうなの?という性格をしている。

ワビ湖にいるにはいるんだけどそこもう飽きたからって理由で場所を移動しようとしてる。

オフィーリアの説得によりなんとか三日はそこで俺たちを待っていてくれる、らしいんだが…


 もうこれ二日目なんですよね、その話聞いて慌てて猫人族の村旅立ってから。

最初の一日目こそタマコと別れたショックでディーナもアイラもちょっと元気なくて、テンション低めでウェリケどころではなかったんだけど、二日目の今日、マグノリアの生物の頂点にいそうなラーテル君に遭遇して一気に悲しみのムードはどこかへ消えてなくなった。

そして明日到着できないとヤバい、という事実に改めて全員が気づいたといった所かな。


「予定では明日の昼頃には着くよ、さっきティアナとも相談したけどこれまでの走行距離と、オフィーリアに貰った地図から直線距離で予測を立てたらここから200キロ以内にあるんじゃないかってことになってさ」

「えーっと…それは今日進んだ速度なら3時間くらいで行けそうですか?」

「大体そうだな、でもまあ直線でいけると限らないから…多くて5時間くらいの予定で考えてくれ」

「5時間ですか、日が昇って1時間後くらいに出発しても特に問題ないですね」


 現在時刻はティアナに聞けば大体わかる。

電波時計みたく正確な時刻を受信しているわけではないんだが、オーキッドで時計を合わせてから正確にカウントを続けているので大きな誤差はないはずだ。

日の出の時刻もティアナの観測している今日までのデータから予想して算出されている。

今日の昼の出来事も含めティアナ有能感ハンパない。


「でも本当にウェリケ様は待ってくれてるでしょうか…」

「それならたぶんまだいる…これを見てくれ」


 俺は水を入れてある木の器をアイラに見せた。

それは底が平たい木皿みたいなもので、中には水の他にオフィーリアから貰った方位磁石的な物体が入っている。


「これはワビ湖のある方角を指しているんですよね」

「ああ、でも…これは俺の想像なんだが、正確には湖じゃなくてウェリケ自身の場所を指してるんじゃないかと思う」


 アイラは俺がなんでそんな想像をしたのか不思議がっていた。

俺も特に意味もなくそう思ったわけではない。


「実は昨日の夜、これを眺めてたら急に針が動いたんだ、ほんの数分だけどな」

「それはこちらが移動していたからじゃないんですか?」

「違う、夜だぞ?野営中のことだよ、寝る前に暇だから何となく見てたんだよ、そうしたら急に動いたんだ、でも結局元の位置に戻った」

「ウェリケ様がその間どこかへ移動して、また湖に戻ったということですか」

「たぶんな、湖が動くわけないし、俺たちが動いたのでもなければそうとしか思えない」

「…急に気が変わって移動したけどやっぱりまた気が変わって戻った…とかだと嫌ですね…」

「ああ…ほんとな…頼むから明日俺たちが行くまでじっとしててくれよ…」


 それからは食事中もずっとそれが気になってチラチラ見つつ飯を食った。

寝るときもマーくんと交代で見張りをしつつ、起きてるほうがたまに見て動いてないか確かめたりした。


 朝になっても特に変化ないので、じゃあ予定通り行こうか、と飯くって荷物片づけて出発しようとしたまさにその時。


「ヴォルさん!針が動きました!」

「えー!ふざけんなよおい!もうちょい待てよ!!」

『だって来るの遅いんだもの…』


 …えっ、今の誰?誰発信?


「ディーナなんか言った?」

「う、ううん、何も」


 一応傍にいるディーナに聞いた、うん違うとはわかってた。

こいつこっち見てなかったからね、魔動車に乗り込もうとしてたからね。


「ウェリケさんですか?」


 木の器に話しかける俺。

アイラが持ってるせいで揺れて針が動いただけならこんなことはしない。


『そうよ…』


 目的女神でした、つうかこれオフィーリアじゃなくても会話できたんかい…っ!

とりあえず重大な事実が発覚したのでマーくんも呼んで一旦全員で集まる。


「あの、今日の昼にはワビ湖に着くと思うんで、もうちょい待ってください」

『嫌…』

「そこをなんとか」

『無理…もう切るね…ばいばい…』

「おい待てこら、今逃げたらラーテル君と戦わせるからな」

『ひっ、な、なに?誰なのそれ…』


 ラーテル君では通じないか、いやまあ戦わせる方法も皆目見当がつかないんだけど。

あとなんかびびってるようだしウェリケはどちらかというと憶病な性格なのか?

喋り方も元気がないし…


「とにかく一回ちゃんと会って話がしたいんですよぉーこっちはー」

『…どうしても?』

「どうしても、あのなんならもうそっちから会いに来てくれてもいいっすよ、そしたらすぐ終わるから」

『嫌…だってもう移動しちゃったから…』

「…今どこですか?」

『私の空中庭園…』

「おい、おい、それあれだろ、空の上だろ、お前ホント許さねえぞ」

『何なのこの人…怖い…』

「ちょ、ちょっとヴォルるん、ウェリケ様を脅してどうするの!」


 ディーナに怒られた、しかしだな、これは許されない案件ですよ。


『じゃあ…私がそっちへ行くのは嫌だから…こっちに呼ぶね、それでいいでしょう…?』

「なんだと?ま、待てそれはつまりあれか、転移魔法で呼ぶ気か?」

『そう…それならいいでしょう…じゃあ…呼ぶね…』

「待って!呼ぶのはいいけど待って!いや本当は転移めちゃ嫌だけど!」

「おいヴォルガー、テンイ魔法ってなんだ?」


 マーくんが転移魔法についてよくわかってなかったので、一瞬でこことは違う場所へ移動する魔法のことだよと教えてあげた。

ディーナもへーすごーいと言ってたのでこいつも良く分かってなかった様子。


「じゃあそれで呼んでもらえばいいではないか、我らはここから移動しなくて済むのだろう」

「そうなんだけど!神様って基本こっちの都合全然考慮してくれないから下手すると漆黒号は置き去りにされるよ!」

「な、なにっ!それは許さん!!」

『ねえ…転移魔法が嫌ならやっぱり会うのやめる…?』

「あーもう転移魔法でいいから呼ぶ前にこちらの注意事項をお聞きください!」


 そうして俺はテンション低いウェリケに呼ぶ際の注意点を細かく説明した。


 まず人だけじゃなくて俺たちの荷物も一緒に移動させること。

魔動車と漆黒号の二つだ、細かい荷物は全部それに積むからその二つと中身丸ごと全部って意味で。

そして移動先がちゃんと屋外であること、魔動車を下手に家の中とかに出すと床が抜ける。

それから魔法かける前は「いくよー」と声かけること。

でないとビックリさせられて心臓に悪いからだ!!


『面倒な人…でもわかったわ…じゃあ一緒に呼ぶからその荷物に触れた状態でいて…』


 と言われたので俺とアイラ、ディーナは魔動車に乗り込み、マーくんは漆黒号に跨ってもう絶対に離さないお前を…と言いそうな顔でガッシリとハンドルを握っていた。


「ねえヴォルるん大丈夫なの?本当にこれで大丈夫なの?」

「ディーナさん落ち着いて下さい、相手は女神なんですからそれくらいのことはできるでしょう」

「でも俺が言わなきゃたぶん荷物置き去りだった」

『いくよー』


 俺たちの話の流れなど一切無視してアイラの抱える木の器から合図が来た。 

 

 よーし来い、今回は心の準備はできてる!


 俺は特に意味もなく車内で身構えて転移魔法を使われるのを待った。


 ヒュン。


 その場から魔動車が消えた。

マーくんも漆黒号と共に消えた。


 せ、成功だ!ちゃんと荷物ごと全部転移…てん…あれ…


「………俺は?」


 俺はというと、気づいたら空気椅子してるみたいなポーズで地面の上に立っていた。


「…おーい…俺のこと忘れてるよー…おーい…」


 その場で二時間ほど待ったが、誰からも返事はないし転移魔法で俺が移動することもなかった。


 いやもうこれどういう状態?

さっき脅したこと根に持って俺だけ置き去りにしたの?


「おおおい!いじめよくないよーーー!脅したのはあれジョークだからーーー!」

「ガオオオオオオ!」


 空に向かって叫ぶとなんか期待してたのとは違う返事があった。


 川の向こう岸にラーテル君がいた。

ラーテル君がザバーンと川に飛び込む。

豪快な泳ぎでこちらへ向かってくる。


 どうする?食べないで下さいとか可愛く言ってみる?

たぶん「食べますよ」って返されると思う、あいつと会話できればの話だが。


 等と日本でみたテレビアニメの思い出を引用して考察している場合ではなかった。

もう今の俺にできることはたったひとつだけだ。


「<ウェイク・スピード>」


 魔法かけて全力でこの場から逃げるんだよぉ~~!!

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