第5話 首都、龍居(ロンジュ)にて
三人は、
「ここが、
「こらこら、そんなにキョロキョロしていると、ぶつかるぞ」
「おっと、
「
「はい」
その落ち込んだ様子に少し言い過ぎたかと、
所狭しと並べられた色とりどりの
「わぁー。いいの?」
「ああ。もちろん」
「
「美味しい!」
「そうか!」
「良かったな!」
「うん!」
その中でも、一際門の高い一軒の前に来た
「戻ったぞ。留守中、変わりはなかったか?」
「はっ! お帰りなさいなせ、
「そうか。ああ、先に紹介しておこう。今日からここで暮らすことになった、
紹介された
それに男達も礼を返し、
「ただいまー」
家の中へと声を掛け、ズンズンと奥へ入って行く
書房の前で止まり、部屋の中に愛しの妻の姿を認めた
「
愛しい夫を心配して、筆が進まず、ボーッとしていた
「まぁ!
「
「
「ああ、
二人の遣り取りを見ていた
「コホン。それくらいにしてもらえないかな。
「ああ。
「まあまあ。私に弟子が出来るなんて! どうかよろしくね、
その様子に
「はい、師匠! よろしくお願いします」
頭を下げた
「うーん。なんだか師匠なんて堅苦しい呼び方だわ。
「そうだな。その方が色々と都合がいい。
「分かった。あんたのことは?」
「俺のことは、この場では
「えっ!? えっ? えっ! ウソだろ?」
驚いて挙動不審になった
「というか、天子様のことは知っていたんだな?」
「そりゃあ、
青い顔をした
それに
「おいおい、俺はそんな暴君じゃないぞ」
「
そう言って、
「そうか。良かった」と言って、
「ふふ。
「そうだな。なんせ母親は天女だからな」
「まぁ! そうなの?」
「そうだ、
「それは良いな。
「
「はい」
三人は
−−
「まぁ! 本当に天女のように綺麗ね……」
「おおー。本当に絵が上手いな。初めての道具でここまでの絵を描けるとは、大したものだ!」
「えへへ」
二人の言葉に、
その絵を見て、
「うーん」
「どうした?
「改めてよく見ると、どこかで見たことがあるような気がするんだよな」
「えー? これほどの美人、お前なら早々忘れないだろ?」
「お前、俺のことをなんだと思っているわけ?」
その横で、
「でも、私も前にどこかで見たことがあるような気がする……」
「えっ!
「ええ。たぶん……」
「うーん。どこだったかなー?」
「本当にどこだったかしら?」
「二人共、
「いやー、会ったと言うよりはどこかで見たって感じな気がする」
「そうねぇ」
ずっと悩んでいる二人の様子に、
「まぁ、今はこれ以上考えても思い出せないようだし、そろそろ暗くなるから
「そうだな。今日はこれで帰るとするよ。悪いが、明日は、
「今日からここが、
「いいの?」
「ああ。もちろん。必要なものがあったら遠慮なく言うんだぞ」
「ありがとう」
「疲れただろう? 夕食になったら、呼びに来る。それまでここで、ゆっくり休んでいてくれ」
「うん」
「
呼びかけに返事がなかったため、
「
「うーん? あれ、俺……」
「目が覚めたか?」
「
「ご飯が出来たんだが、食べられるか?」
「えっ!? ごめん。俺、眠ってしまったみたいで……」
「謝る必要はないぞ。さあ、食堂に行こう」
「うん!」
「うわー! スゴい!」
食堂に入り、食卓に所狭しと並べられた多彩な料理に、
「はい。
「うん」
その様子を横で見守っていた
「うーん。久しぶりの
「もう。
ちなみに、
夫婦二人の会話を聞きながら、
「
「もぐもぐもふほふ」
「ああ、ごめんなさい。飲み込んでからでいいのよ」
「すっごく美味しいよ! こんなに美味しいものは初めて食べたよ!」
それを聞いて、
満腹になるまで食べた
そんな
「
そうして、暫くしてから
「
「はい。少しお待ち下さい」
「やっと奏でることが出来る」
「ええ」
「まるでこの笛は、
「どうして?」
「だって、私がいないと綺麗な音を奏でられないだろう?」
「まぁ!」
「この笛は私と言う奏者がいて、初めて綺麗な音色を奏でると思わないかい? 俺達夫婦もそう。
「それで、置いて行かれたのですか?」
「ああ、大切なモノを危険に巻き込みたくはないからね」
「
「うーん? そうか?」
「ええ。だから、二つが揃った今、とっても素敵な演奏を聴かせてもらえるわね!」
「ああ、もちろんさ」
その音色に、
少し離れた部屋では、布団に入った
「はぁ。眠れない……。こんな、立派なところ落ち着かないよ……」
そんな
「綺麗な音……」
その音を聞いているうちに、
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