第4話 飼い主(里親)の条件と渡しに行く日のキジキジ
まず飼い主さんの年齢です。あまり高齢だと猫より先に…がありえます。同居の家族の有無。ペット可住宅なのか。すでに飼われている方なら複数飼育の度合いが過ぎていないか。完全室内飼育をお願いできるか。将来、去勢手術を受けさせてくれるか。猫アレルギーの家族はいないか。猫が死ぬまで飼う覚悟はあるのか。意外とダメなのが同棲中のカップルらしいですね。別れた場合、別れとともに。そんな事を言ったら誰にでも不測の事態はあり得ますけどね。
条件をクリアした上での決めては同じ市内でした。それが正解だったことは車に乗せて分かりました。動物病院に行く時、私は運転してたので、キャリーケースの中で鳴いてるなと思うくらいだったのです。今回は運転手がいたのでキャリーケースの隣に座って鳴いてるキジキジを覗きました。恐怖なのか口が閉まらなくなってよだれを垂らしながら固まりながら鳴いてました。尋常じゃない様子に「遠距離の移動じゃないから我慢してね」「捨てるんじゃないから、次のおうちに行くだけだから」と声を掛ける事しかできません。これが、里親さん宅に着いたとたん、見知らぬ家なのにピタリと収まって早くも猫撫で声を。
車に乗って捨てられて、空腹に喘ぎながら、食べ物でないものを口にしながら、彷徨ったとしたら、車に乗せられるという事は恐怖でしかなく、人の家に降ろされた事にどれだけ安堵したことでしょう。
それから2年経ちました。会うことはなく、連絡を取ることもありませんが、キジキジが兄弟の分まで、元気に幸せで生きている事を祈ってます。キジキジを連れて行った時の新しい家族さんの喜びを見たかぎりは大丈夫だと信じてます。
しかし、猫一匹拾って飼い主を探すだけで、かなりの出費でした。個人での活動には限度があります。保護団体さんの活動がどれだけ大変で尊いのか思い知る機会となりました。
この話を読まれた方は猫を飼おうと思ったらペットショップではなく、是非、保護団体さんや「ペットのおうち」などを覗いて見て下さい。そして飼えなくなったから捨てる事がどれだけ残酷な事なのか思いを馳せて頂けると幸いです。子どもに簡単に言う「うちでは飼えないから捨ててきなさい。」その後、捨てられた生き物が無事とは限りません。その場で殺されるより酷い思いをしているかもしれないのです。
fin
猫の死体が語ること 柴チョコ雅 @sibachoko8
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