第3話 キジキジとの一週間
里親を探すと決めたので家族はキジトラの子猫をどこかで、情が移らないように線引きをしていたと思います。名前もキジとかキジキジとか適当に呼んでおりました。
野良を数日したと思われるキジキジの排泄物はなかなか衝撃的でした。洗濯機の排水ホースのような破片、千切れた延長コード、緑色のビニールなどおよそ食べ物ではない物が混じってました。お腹空いて仕方なかったのでしょう。そしてキジキジは初回からちゃんと猫トイレで用を足していました。飼い猫であった証拠です。食べたがってよく鳴きました。そしてずっと下痢してました。獣医さんに診てもらいましたが、特に病気というワケでは無くやはり変なものを食べた事と急にたくさん食べるようになった事、捨てられたショックなどが原因で落ちつけば治る下痢だろうといわれました。この下痢の世話が大変でした。茶色い臭う液体なので、猫砂の消耗が激しく、トイレを何度も洗わなければなりませんでした。里親さんのもとに行く頃には固まって出るようになってほっとしたものです。
キジキジを拾った次の日、犬と私の毎日の散歩コースの途中、うちから500メートルくらい先で、車に
私は獣医さんがキジキジが彷徨ったと考えた日数くらい前の夕方、キジキジの兄弟が撥ねられた道付近を犬と散歩していて不審な車を見かけていました。
あまり通行の激しくない道です。犬連れの私と田んぼを挟んだ向こう側に一台のワゴン車がとまり、小学校4、5年くらいの男の子が降りてきて、田んぼ側に何かを置きました。車の窓から親らしき人が怒鳴りながら、指示していました。そしてすぐに発車していきました。その辺、うちの田んぼなんです。不法投棄はよくある事なんですが。犬と一緒に行って見ました。特に何も見当たりませんでした。あれ?なんだったんだろう?という事があったのです。
私の推察はこうです。よくあるような拾ってください的な箱に入れてキジキジ達は捨てられたのではなく、一匹ずつ剥き出しのままその道沿いに転々と捨てられたのだと。すぐに茂みに隠れてしまえばしばらくしてからそこに到達した犬連れの私には何も発見できないわけです。そして転々と捨てられたから、死んだ時期や場所が違うのでは。キジキジは運良くうちに入ってくる事ができたから生きているのだと。
冷房がある部屋はチョコの生活エリアなのでキジキジは風通しのよい玄関近くの廊下にケージを置いて、チョコとは接しないようにしてました。暑い夏で、ペットボトルの氷を置いたり、扇風機を遠隔から回したりして過ごしました。一度だけ夏用の扉(自作の猫脱走防止扉。ネットを使っているので玄関も網戸にすれば台所まで風通しが良いという)越しにチョコとキジキジが遭遇した事がありました。キジキジは猫トイレ掃除中に廊下をよく散歩してましたので。チョコの「フー」という
保護団体おすすめの「ペットのおうち」という情報サイトに掲載する事は大変勉強になりました。規約を読むだけでも動物を飼う心構えを問われる感じでした。里親募集の記事を書く中で兎に角引き取って貰えれば良いのではなく2度とキジキジが捨てられないように次の飼い主を探さなければいけないのだと気持ちを新たにしました。
結局は里親になりたいとの連絡が来たのは地方情報誌の方からでした。「ペットのおうち」の記事を作成する上で、飼い主の状況を把握することが必要なのを勉強させて頂きましたので、電話でできるだけ確認させて頂きました。
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