第7話

 一同がバレーコートに集結した。私はみんながコートのラインに沿って並んで観戦している後ろに位置取りする。この場所からなら、みんなを一枚の写真に収めることが出来る。相手は二年七組。うちのクラスにはバレー部エースの白石くんがいるから、男子の第一セットは間違いなく勝てる。それに、運動神経のいい子は他にもいるし。

 私はみんなより五メートルほど後ろでかがんだ。

 さっきの試合で活躍し、汗を流している紗良ちゃん。

 紗良ちゃんの相方を務めるためにコート内を走り回った京香ちゃん。

 ほかにも、図書委員でしっかり者の友希ちゃんに、同じくしっかり者で学級委員の夏美ちゃん。みんな最初の試合を終えて緊張が取れたのか、かなりリラックスした調子で声を出していた。女の子たちは、推しの男の子の姿を目で追っている。推しがいない子はみんな白石くんを応援していた。白石くん、モテるなあ。

「白石くんがんばれ!」

「村田く~ん!!」

「七瀬くんファイト!!」

 予想通り、白石くんと運動が得意な七瀬くんのコンビがゲームを引っ張っていた。

 私はそれを見るのではなく聞きながらシャッターを切る。カシャ、カシャ。お揃いで作ったクラスTシャツを身にまとい、三十三人が一丸となった姿は美しい。それに私は思わず見とれてしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る