バレーボール第一試合

第6話

「いやー、よかったね」

「女子強ええ」

「やっぱりバスケ部の紗良ちゃんとか京香ちゃんがすごいね。女の子だけど好きになちゃいそう」

 口々に感想を言い合いながらクラスメイト達は教室に戻ってきた。友達同士でしゃべりながら歩いてくるから、一人でさっさと行動する私より断然遅い。

 私はスマホの画面を熱心に確認していた。

 さっき撮った写真。みんなの真剣な表情が液晶パネルに映し出される。アップにして見てみても、それは変わるはずはないのに、なぜか私はズームして見ていた。

 みんな、素敵。かわいいし、それに、かっこいいな。

「バレーの時間すぐだからもう行かなきゃ」

 友希ちゃんが小さな声で言った。それを聞き漏らさなかった夏美ちゃんが声を張り上げる。

「五分後にバレー始まるので移動してください。」

 夏美ちゃんは学級委員を務めている。いっぱい仕事もあるのに頭もよい。何でもできる人っているんだな、と私はいつも感心する。かっこいいな、と思う。

 バスケで体が熱くなった女の子たちはタオルを首にかけたり水筒の茶を飲んだりしてリラックスしながら、私たちは屋外にあるバレーコートに移動した。

 よし、次もいっぱい写真撮ろう。頑張って、みんなの雄姿を記録しよう。そして、この目に焼き付けるんだ。

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