バスケットボール第一試合

第2話

 体育館に続々と生徒が入ってくる。二年五組対二年三組のバスケットボール第一試合が、これから行われるからだ。

 南はバスケットボールに選手登録していた。彼女の親友の美緒みおはバレー部に所属しているため、問答無用でバレーボールに登録していた。

 バスケに出場する五組の生徒は全部で十人。背番号順に、紗良さら彩花あやか夏美なつみ京香きょうか優菜ゆうな瑞希みずきゆい、そして南、愛理あいり友希ゆき。ちなみに、バレーに出場するのは、美緒、沙絵さえ奈菜ななあかね香鈴かりん七海ななみ。スポーツ万能の彩花や京香、愛理は仲が良く、朝からずっとワイワイ騒いでいる。反対に、おとなしい系の結、優菜、夏美は隅の方で小さくなっておしゃべりしている。南は美緒と二人でいるが、会話はない。


 美緒は最近、南と過ごす時間より部活の友達や茜、七海と過ごす時間のほうが多くなっている。友達なんてそんなものだ、と南は思う。どうせ友達関係なんて長くは続かない。

 クラス内では、沙絵と香鈴はいつも一緒に過ごしているけど、来年はきっとバラバラのクラスになって疎遠になる。南はいつも、冷淡というべきか、悟っているというか……。あっさりした考えをもっていた。

 美緒が一緒にいてくれなくなると、南はぼっちになる。しかたない、美緒しか友達がいないんだから。しかも、その美緒だって、強い友情で結ばれているわけではないのだから。

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