第27話 魅惑のクイズクイーン、スフィンクスさん3
「……………………………………………………………………………………死のう」
「スフィンクスちゃーんっ!」
「エキドナ様、どこかにロープを吊るす場所は」
「だめだめだめぇっ!」
エキドナとスフィンクスが揉み合う中、たっちゃん達は呆れ顔で溜息をついた。
「あの問題超有名だよね?」
「というかギリシャ神話事態が世界的に有名ですし」
「知らない人はいないのですよ」
「くぅううう! では次の問題です! これは本当に難しいですよ! では少し問題が長いので心して聞いてください!」
一呼吸置いて、スフィンクスは続ける。
「まず四人の女子がいます。
うち三人を部屋の段差のそれぞれの段差に立たせます。
この女子四人に赤い帽子と白い帽子を二つずつ、計四つの帽子を見せます。
四人に目をつぶらせて四つの帽子を四人にそれぞれ被せます。
この時、一人の女子を隣の部屋に移動させます。
そして女子たちに目を開けさせます。
隣の部屋の女子は赤い帽子を被っています。
残る三人は、段差の一段目が白帽子、二段目が赤帽子、三段目が白帽子を被っています。
つまり隣の部屋の女子から順に赤白赤白、と帽子を被っているわけですね。
もちろん女子はその事実を知りません。
さぁ、女子は動いてはいけません、前しか見えません。つまり自分の下の段差の人の帽子しか確認できませんが、この状態で自分の被っている帽子の色が解るのは誰でしょう?
また、それはどうしてわかったのでしょうか?」
「本当に長いわね」
たっちゃんはけだるそうな顔で肩を落とした。
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壁
□_ 壁
人 ■_ 壁
人 人 □_ 壁
階段階段 人 人 壁 _■
階段階段階段階段 人 壁 人
階段階段階段階段階段階段 壁 人
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「まぁいいわ。えーっと、隣の部屋の女子は部屋に自分しかいないんだから誰の帽子も確認できない。自分が何色の帽子を被っているか解らない。
一段目の女子は前に誰もいないから誰の帽子も確認できないから無理。
二段目の女子は目の前に白い帽子を被っている女子がいるけど残る帽子は赤二つに白一つ、自分がどれを被っているかは解らない。
三段目の女子は目の前に赤い帽子を被った女子と白い帽子を被った女子がいるけど、これで赤と白は残り一つずつ、やっぱり自分がどの帽子を被っているかわからない」
「ふむ、つまりどの女子も自分の帽子が何色かわからない、という事ですね」
「ありゃりゃ、むずかしいのですよ」
たっちゃん達の困った様子に、スフィンクスは満面の笑顔を浮かべた。
だが、
読者のみんなもちょっと考えてみよう!
シンキングタイム!
「二段目の人じゃない?」
「「え?」」
ジークちゃんとヘラちゃんは、そろってたっちゃんの顔を見る。
「だってさ、今あたしが言った事は女子達本人もちょっと考えれば解るでしょ? じゃあ二段目の女子はこう思うんじゃない? 自分の前には白い帽子をかぶった子がいる。もし自分も白い帽子を被っていたら三段目の子は目の前に白帽子を被った子が二人いるから自分は赤を被っているとわかって答えるはず。三段目の子が答えないっていう事は一段目と二段目が違う色の帽子を被っているから、つまり自分は赤を被っているんだって解るじゃん」
「「なるほど」」
「ぬっっぐぅっ!」
倒れそうになって、だがスフィンクスは持ち答える。
「1234×9876は!?」
「最低だわこいつ! とうとうただの勉強問題出してきた!」
「卑怯なのですよ!」
「だまれだまれ! 勝てば官軍なのだぁ! さぁ早く答えを」
「12186984だ」
世界が止まる事七秒。
ジークちゃんは涼しい顔でもう一度。
「12186984だ、正解が解らないなら電卓を使ってもいいぞ」
スフィンクスは、何も言わず睡眠薬を取り出した。
「スフィンクスちゃーんっ!」
「うえーん、死なせてくださーい!」
「駄目よスフィンクスちゃん、それはだめなのよー!」
またスフィンクスとエキドナが揉み合って、たっちゃん達は溜息を吐いた。
「ねぇ、あたしらもう帰ってよくない?」
「そうですね」
「もう帰るのですよ」
その時、商店街のお姉さんが、たっちゃんの肩を叩いた。
「ねぇあんたら、クイズ好きならちょっとクイズ大会出て行かない? たっちゃん達みたいに若くて可愛い子が出てくれた方が盛り上がると思うのよ」
「いや、あたしらこれから帰るところで」
「ふっかーつ! 出る! 出ます! このクイズ大会で決着をつけるぞ英雄ガールズ!」
突然復活したスフィンクスが、たっちゃん達をびしっと指で指してそう叫んだ。
「「「え~~~~」」」
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