第19話 お花見後編 怪物ガールズ総攻撃2


 というわけで、


 たっちゃんことヤマトタケル。

 ジークちゃんことジークフリート。

 ヘラちゃんことヘラクレス。

 エキドナ。

 キマイラ。

 ミノタウロス。

 オルトロス。

 ハーピー。

 セイレーン。

 イシュタル。

 フンババ。

 ロキ。


 計一二人による大王様ゲームが始まった。


 ギャラリーも大盛り上がりである。

 と言っても町の女性陣で取り囲み男性陣は入りこむ余地がないので、ある意味ものすごい百合ワールドである。


 一回目。


『王様だーれだ!』

「ふははははは、私が王様だ! 人数はこちらが上。三人しかいない貴様らが王様を引き当てることなどないのだ! 喰らうがいい英雄ガールズ! 五番の人は全裸になれ!」

「も~、エキドナ様ひどいですも」

「ってお前かーい!」


 ミノタウロスが恥ずかしそうに、もじもじしながら立ち上がる。

 本人にその気はないのだろうが、服のすそに手をかけるところが妙に色っぽい。


「うぅ……はずかしいも……」


 裾がめくれていき、白いミルク色のブラが顔を出す。

 服の上からでもわかったが、本当に、信じられないくらい大きくて、それでいて形の良い超乳である。

 でも服を脱ごうとして、頭のところでつっかえてしまう。


「もも? も~、ぬげないも~」


 首から上だけ服で隠れた状態で身を揺するミノタウロス。


 だがそうすると彼女の見事なスイカバストが大きく激しく跳ね弾み揺れてしまう。

 服で視界を覆われているため、本人は気付いていないのは幸か不幸か……


 たぐいまれなる極乳を波打たせシェイクさせまくってからようやく頭が抜ける。


 観客のお姉さん達は皆、鼻血を流していた。


 続いてスカート。

 これはすぐに脱げる。

 スカートを下にすとん、と落とそうとして、大きく丸いヒップにひっかかってスカートが落ちてくれない。


 仕方なく手でちゃんとひっぱって、白いショーツに包まれたセクシーなヒップがぷりんとでてきた。


 ブラとショーツだけになったミノタウロスは、ますます恥ずかしそうに頬を赤らめて、ブラの上から胸をぎゅっと抱き隠す。


「も、も~、あまり見ないでほしいも」


 視線を逸らすミノタウロスに、若いお姉さん達を中心に暴徒が誕生する。


「うおー、もう我慢できん!」

「あんた凄すぎるのよー!」

「ももぉー!?」


 一〇人以上の若いお姉さん達がミノタウロスに飛び付いて、胸を、お尻を、ふとももをこれでもかと揉みしだきこねくりまわした。


「あ~、御利益ありそうだわぁ……」

「子宝に恵まれそ~」

「安産祈願」

「ありがたやありがたや~」

「も~、ダメだも、そんなに揉んじゃ、触っちゃ、も、も、ダメ、ぁん、あ!?」


 お姉さん達の手が、ミノタウロスのブラとショーツに引っかかる。


「あぁあああん! 脱げちゃうも~!」


 ぱっちーんっっ

 元から、ミノタウロスの超乳超尻により過度の圧迫を受けていた下着はあっさり崩壊。

 弾け跳んでしまい、ミノタウロスは生まれたままの全てを晒してしまう。


「も~っっっ!!!?」

「うわー、すとっぷすとっぷー!」


 エキドナが慌ててミノタウロスに覆いかぶさり、スカートと服を渡した。


「ごめんねミノタウロス、私が悪かったから早く着て」

「も~……」


 二回目。


『王様だーれだ!』

「オーホッホッホッ。ワタクシですわー♪」


 イシュタルが偉そうに高笑いながら、王と書かれたメモ用紙をかかげる。


「では七番は逆立ち腕立て伏せを二〇〇回なさい。もちろん途中で服を直すのはなしよ!」


 ただの肉体罰ゲームかと思ったが、女子である皆はその恐ろしさに気付く。

 そして七番は、


「あたしですにゃ」

「って、アナタですの!?」


 イシュタルはその場でずっこけてしまった。


「じゃあ始めるのにゃ」


 キマイラはその場で逆立ちして……

 ミニスカートが全部降りてパンツ丸出しになる。


「にゃにゃ!?」


 キマイラの顔が、少し赤みがかる。


「は、早くおわらせるのにゃ」


 だけどキマイラが腕立て伏せで体を上下させるごとに、彼女の服の裾が落ちてきて、下乳にひっかかった。


「にゃにゃ!? だめにゃ、このままじゃ見えちゃうにゃ!」


 そして、とうとう服の裾が、胸の頂点から落下した。


「にゃ~ん!」


 ブラとパンツ丸出しで上下運動をするキマイラ。

 ミノタウロスと比べれば雲泥の差だが、それでも女性的なふくらみが上下に揺れる。

 見ているのは女性達なので精神的ダメージは少ないが、キマイラは乙女な表情で赤面して、なんとか腕立て伏せをやりきる。

 そして、借りて来た猫のようにおとなしくなってしまった。


「……はずかしいのにゃ」


 三回目。


『王様だーれだ!』

「あは~ん、わたくしですわーん」


 セイレーンが身をよじりながらメモ用紙をみせつける。


「えーっとぉ、ではぁー、五番と六番の方はみんなの前で向かい合って、お互いを褒め千切りあってくださぁい❤」


 無駄に色っぽい声で、だがレベルの低い事を要求するセイレーン。

 でも確かに、みんなの前でそんな事を言い合うのは恥ずかしそうだ。


「まま、またわたしですも?」

「ばおーん」

「「「どんだけぇええええええ!?」」」


 エキドナ、イシュタル、ロキの三人は仲良くすっころぶ。

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