収益化記念雑談枠&凸待ち その弐


 盟友である鶫が去り、しばしの雑談タイム。

 次の妖怪がすぐ来ると思ったが、案外時間が開くっぽい。

 とりあえず雑談を続けていると、またピコンという音が鳴った。


「おっ、誰か来たようじゃな!」

「初見の方それと子狐達にマヨイビトの皆、どうぞよろしくね――PP妖狐よ」

「七尾、ちゃんと名乗るのじゃ」

「あ……七尾玲那よ」

 

 こやつ最近PP妖狐で通じるから気を抜いてるじゃろ。

 ……そう思ってツッコめば、すぐに名乗ってくれる七尾。


[PPはポンコツパワーポイントの略だった?]

[それだとPPPじゃね?]

[それな]

[七尾様だー!]


 やはり盛り上がるコメント欄。

 それに嬉しくなりながらも儂は彼女と話し始める。

 

「最近主とは喋ってなかったからのう、いっぱい話すぞ!」

「そうね、最近私の方も忙しかったもの、沢山話しましょう?」


[阿久良椛:仕方ない待つか]

[源鶫:僕の時と対応違うくないですか?]

[草]

[依童神虎:諦めろ]


 一先ず画面に七尾の立絵を表示して……あ、やべ立絵間違えた。

 画面に映されたのは目を見開きアホっぽい顔してる七尾の絵……どうしてこんな画像を持ってるの? と聞かれれば、社長に渡された共有画像にこれがあったからとしか言えない。


「……鴉さん?」

「なんじゃ七尾?」


 儂はマジで悪くないぞ?

 だって画像があったんだから仕方ない。


[立絵草]

[なんでそんな画像あるんだ?]

[アホっぽい]

[なんでこの顔にしたんだよw]

 

「まあ許すけど、覚えておいてね」

「ミスったのは儂じゃが、送ってきたのは社長なのじゃ……」

「……社長さんならやりそうね」

「じゃろ?」


 あの社長のことだ儂のミスを見越して送ってきた説もある……だって彼奴人読み凄いし、勘が鋭すぎるから。


[妖プロ社長(公式):だって面白いじゃん]

「社長もよう見てる]

[暇なのかな?]


「いつもお疲れ様なのじゃ」

「あとでお話ね」


[妖プロ社長(公式):う゛ぇ!?]

[草]

[おもろ]

[部下に怒られる社長の図]


 儂の反応とは……真逆? のような反応をする七尾。

 コメント欄は見えてないと思うから、儂の反応で話しているとは思う。

 八雲社長には申し訳ないが、ミスったのは多分ネタであの画像を仕込んだせいなのでここは大人しく受け入れて貰おう。


「そうだわ鴉さん、用意した会話デッキって何個あるのかしら?」

「ちょっと待っとくれ、画面に出すのじゃ」


 そういえば画面に出してなかったなと思った儂は、字幕で四つほど用意しておいたた会話デッキを表示した。


・今年の良かった出来事。

・最近はまってるもの。

・趣味。

・好きな食べ物。


「まあこんな感じなんじゃが、今回は無難に趣味でも聞こうかのう」

「趣味……ね、それなら写経よ」

「えぇ……なんで写経」


[写経は草]

[現役、女子……校生?]

[妖狐さん?]

[そういえば写経配信してたよなこの妖狐]

 

 写経は趣味と言えるのか?

 儂、それを趣味にしている人間初めて見たというか……出会ったんじゃが。


「だって私は陰陽師……のぉ式神よ、写経が趣味でもいいじゃない」

「儂、それは分からない」

「まあいいわよ、いつか分かるもの。あ、どうかしら一緒に般若心経でも写す?」

「やめて、儂が滅される」


 ドSじゃなぁ、儂一応神仏の括りではあるから滅されるまではいかないが、それでもメインは妖怪なので結構効いてしまうのだ。


[会話草]

[この狐、同期を滅しようとしているのか?]

[と・も・だ・お・れ]

[二人とも妖怪だもんね]

[終わりや]


「じゃあ、私はここで帰るわ。次の方は誰かしらね」

「お疲れなのじゃー……っと次は早いのう」


 七尾が落ちた瞬間に入っている何者か、誰だろうと通話アプリを開いてみれば、名前は阿久良椛。つまり先輩が来てくれたらしい。


「親友、来てくれたのか!」

「マヨイビトの諸君こんばんはなのだ。妾だぞ!」


[阿久良様だー!]

[尻尾もふりてぇ]

[声がいい二人]

[良すぎて困る]


「久しぶりだの親友]

「そうじゃな親友、変わりなかったか?]

[特にないぞ? 強いて言うなら……限界民を宥めてたぐらいなのだ」


 限界民って誰ぞ?

 視聴者ではないと思うし心当たりは正直ない。

 だけど、分かることとすれば声音的にマジで大変だったことぐらい。


「……分からぬがお疲れ様じゃ」

「なぁ親友、出来れば今のをロリボ若妻風にやってくれると嬉しいのだ」

「えぇ……主の頼みじゃからやるが、大丈夫か?」

「大丈夫なのだ。それよりはよう。あ、出来ればちょっと呆れた感じで頼む」


 なんか色々と業が深い気がするが、親友には世話になってるのでここはやってしまおう。期待されたら答えるそれが儂のポリシーじゃし……もうロリ化は今更じゃ。


「はぁ、お疲れ様です旦那様」

「今から家行って良いか?」

「止めてくださいます?」

「妾……生きてて良かった」

「そんな事で生を実感しないで欲しい」


 阿久良のキャラ崩壊が儂のせいで加速している気がしなくもないが、それは気のせいだということにしておこう。だって何か言うの怖いし。わんちゃん喰われる。


[ロリボを聞いている時が、一番生を実感する!!]

[ガスまくなガス]

[見えねぇわ]

[画面が黄色い]

[阿久良様の崩壊具合が草]


 そういえばそんな台詞を出してくるFPSがあったよな、今度皆でやろうと思ってるが、鶫辺りでも誘ってみるか。未だ絡んでない法眼殿も上手いらしい誘うのもありかもしれんな。


「では会話デッキを切るのじゃが最近はまってるものとかあるか?」

「そうだな、それなら親友の配信だな。毎日山の狐達と見ているぞ!」

「それは嬉しいのう!」


[狐飼ってるんだっけ、阿久良様]

[たまにSNSに狐の写真上げてるよね]

[あぁ、別界隈からも人気の白狐の画像ね]


「では妾も退散しよう、次は一期生が来るぞ!」

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