息白し通学路
凍て風にさらされた腿は
季節外れの白桃の様に
まばらな赤みを帯び始める
それでも折り目の数は
夏季と何一つ変わらない
勾配に差し掛かり
踏み込むペダル
腿に伝う冷やりとした痛み
白ら霧を吹き破って
駆けていく
見慣れた後ろ姿
その傍を通り過ぎる
おはよう
赤らんだ鼻に皺を寄せた彼女
丈の長いスカートをひらめかせた
あとがき
高校時代三年間、自転車と共に四季を駆け抜けてきましたが、冬の日がとても印象深いです。学校間近の所に雑木林があったのですが、そこは霧が深く、無事に抜ける事ができるか、とてもスリルがありました。時に迷い込んでしまうことを願ったり(体育がある日とか)
しかし、その霧を抜けた時、友の背を目にすると腿に感じた痛みが引くのです。
もう体感することの出来ない貴重な冬の日の思い出です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます