霜の柱

すでに消えたはずの子供心を

消さねばならぬ朝

フェンス越しの土に張る霜柱。

ミシミシ、グサグサ


悪寒にさらされた足の甲

土に踏み込めば、鋭い踵は

たちまち埋まってしまうだろうに。


ほれ、傍を通り過ぎる無邪気な子らよ。

私の代わりに

あの透明な柱を踏んでおくれ。


ミシミシ、グサグサ

せめて音だけでも聞かせておくれ。






あとがき

踏みたいよぉ霜柱。冷ややかな視線を浴びない、堂々と踏む口実が欲しい。





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