第89話合同演習
新たな調査団と交渉人が来て、1年が経とうしている。
貿易の収益でダークレイ公爵は、豊かな富を得た。
その3割は、共和国に贈与と言う形で納められた。
帝国でも、新たな商品によって賑わっていた。
俺は中国で、従魔らと戦っていた時に重要な話し合いが行なわれたらしい。
Jr.ホーネットによって、異世界に行った時に知った。
俺が知らない所で、色々と話が進んでいたらしい。
やはり政治の世界は闇だ!一切そんな話を俺に伝えなかった。
交渉人がついに、魔王討伐の話をしたみたいだ。
その話し合いの結果。異世界の人間をこっち側に連れて行くことになった。
異世界の人間にとって、こっち側は未開の地でしかなかった。
どれだけの武力を持っているのか、機関銃だけで判断が出来なかった。
どれだけ魅力的な商品があったとしても同じだった。
日本政府とアメリカ政府も、実力を見せるべきと思ったに違いない。
こちら側の兵器を見せて、魔王討伐への希望へと
異世界の人間も、魔王にはそれなりの
こちら側に行くのは、ロメロ執行官と共和国の将軍2名と補佐官2名。
帝国から将軍2名と補佐官3名が行くことになった。
このメンバーが選ばれるまでに、1ヶ月も経過してしまった。
なんでも、何度も会合が持たれ激論の中、ようやく決まったらしい。
それは日本の自衛隊演習場で、密かに行なわれていた。
自衛隊とアメリカ在住の軍の合同演習が、異世界人の前で見せられていた。
目標に向けて、一斉に戦車部隊から砲弾が撃ち出された。
20もあった標的が、見事までに破壊つくされた。
仕事が終わった戦車隊は、キャタピラを回しながら走り去った。
爆撃機がクラスター爆弾を投下。
一面が「ダダダダダダダッダ」と爆発して爆炎と爆煙が支配した。
使用禁止になっていた武器が、魔物の出現によってよみがえった。
見学した異世界人は凄く驚き、ただ見ているだけだった。
それに加えて、戦闘ヘリからガトリングガンで連続射撃を行い凄さをみせた。
そして更に、ミサイル攻撃が行なわれていた。
アメリカ側からレールガンが、見せられた。
凄い貫通力で的を貫いていた。
それに、アメリカ歩兵からはジャベリン”F”モデルの発射が行なわれて、見事に的に命中。
対戦車や戦闘ヘリへの攻撃が可能で、簡単なレクチャーで命中率94%の優れものであった。
一種の小型誘導ミサイルで、ミサイル価格は2000万円ぐらいであった。
そして、その時の映像を持って異世界の人たちは帰った。
異世界の住人は、初めて見る世界に圧倒されていた。
違う文化に晒されて、信じていた世界観がガラリと変わった思いだったはずだ。
- - - - - - - - -
「まだ返事が来ないのかね」
「大統領、まだのようです。向こう側も色々と考える必要があるのでしょう」
「それは分からない訳でもないが・・・決断が遅い」
「仕方ありません。伝達手段も日にちが掛かる世界ですから」
「通信システムは進んでいるのか?」
「順調に進んでいます」
「小型核弾頭の準備も進んでいるのだろうな」
「進んでいますが、本当に使うのですか?」
「最終手段で使うかも知れんな、保険だよ・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます