第87話道行く途中で




襲撃犯の捕縛から、急いでダークレイ城塞都市への連絡に数人が向かった。

そして後処理の兵士がやってくるまで、1人の捕縛者を目覚めさせて尋問がなされた。

ここ居た魔法使いに催眠術が得意な者が居たからだ。

目覚めた途端に催眠を掛けてる。後ろで見ていても俺でも凄い催眠だと分かる。

そして、催眠を掛けられた男は。ペラペラと情報をしゃべっている。


「帝国の貴族のボローレルが係わっているのか・・・間違いないのだな」


「間違いありません」


目をうつろにさせて、催眠を掛けられた男は呆気なく白状している。

魔法使いの話だと、別の催眠が掛けられていて、自白を強要されると歯に仕込まれた毒で自殺を計るらしい。

しかし、魔法使いの催眠術が強い為に、自殺を未然に防げたようであった。


「ボローレルか、やっかいな奴だ。帝国でいい噂を聞かない人物だが・・・この者ともう1名を帝国に連れて行きたい。この者に主犯が誰か白状させろ」


「は!分かりました」


他に捕まった所へ連れて行かれて、1人1人の眠っている顔を見せて調べていた。

4人目の男が主犯であることが判明。

のん気に寝ているが、帝国に連れて行ってしまったら良いことは待っていないはずだ。



そして後処理の兵達が来ると、牢屋ろうやタイプの荷馬車6台に放り込めれて連れて行かれた。

改めて尋問されるらしい。口の中の毒の歯は、取られていて自殺は出来ないだろう。


少し予定が狂ってしまった。


「次の町で泊まるからその積もりでいろ」


隊長がそう言いながら出発の合図をする。

又も襲われる危険があるので、警戒しながら動きだした。


なので、Jr.ホーネットを使って遠くの方まで調べたが、不審な人物は居なかった。

そして襲撃もなく、町にたどり着いた。


「少し緊張したが大丈夫だったな」


そんな声が聞こえてきた。



町の警備隊だろうか、急いで向かってくる。


「アルムの町を警備している、スーザン・モエです」


警備隊の中の女性が隊長のようで、警備隊の中で身長が一番高かった。

それになびく金髪が目を引いてしまう。


それで俺はピンッときた。

女性の隊長とあの隊長は知り合いだ。

親しい会話は無いが、なんとなく分かってしまう。



そして、急な予定変更で俺の寝床まで確保出来なかった。

荷馬車に寝るよう言われたが、あんな所で寝ていたら体が痛くなってしまう。

なので、フロルとドロスに任せて、我が家へ帰って寝る事にした。


戻った俺は、ゲートを開き中国で戦っていた従魔らを戻し、我が家に居た従魔らが新たに戦い始めた。

これによって、従魔らの不満やストレスがやわらぐはずだ。


戻ってきたカースは、進化して黄金色に輝いていた。

巨木の枝に止まると、目をつむり器用に眠りに付いている。

進化した時は、従魔はよく眠る傾向があった。

なにやら体の中で、変化が起きていると俺は予測している。



次の朝には、異世界に行って先発隊に同行。

何日間も、同じような日々を過ごした。

ようやく見えた帝都の大きな門で、俺の任務も終わりだ。


帝国側が用意した屋敷でお別れだ。

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