第83話調査団が帰った




従魔らを我が家にどうにか戻した。


どれだけ戦っても、戦い足りない従魔に付き合い切れなかった。

不眠不休で1週間も続くと、「俺も眠らせてくれ!!」っと怒鳴った。

いくら強化された俺でも、寝ない事には判断力が鈍ってボーッとしてた。

最後の方では、従魔の言いなりになりかけた。


あの時に、魔物の体当たりで正気に戻らなかったら、どうなっていたか分からない程だ。

もしかして、従魔の誰かが俺を操っていたのかと疑ってしまう。



俺はベッドに倒れ込んで寝てしまった。



「ああーよく寝たな~ぁ、今は何時だ」


スマホは暗いままで、電源が入らない。

急いでテレビをつけて、ようやく2週間も寝てしまったことに気付いた。


カレンダーに駆け寄り確認。

「助かった!」明日が異世界に迎えに行く日だ。


そうだ、洗濯物も溜まってたはずだ。

あれ!洗濯物が無い。探し回った結果、テーブルの上にたたんで置いてあった。


「なんだこれ?しわくちゃだよ」


目の前に自慢げなドロスが居る。

もしかしてドロスが洗って干したのか・・・

褒めて欲しそうな顔をしている。


「ドロスが洗ってくれたのか、あるがとう・・・」


後でこっそり洗うしかないな。




迎えの日に、調査団を出現させた所に、ドロスがフルフェイスのヘルメットを被って待っていた。

そして、ようやく見えてきた。

沢山の荷物を背負って、疲れ果てた顔をしている。


俺はその原因を知っている。

博士が魔法道具を買い漁った結果、カツカツの生活を強いられて、覚醒者は魔物討伐に全力で戦い資金調達していた。

そして、周りが止めるのも懲りずに買い漁った。


なのでドン底生活が最後まで続いた結果だ。


俺はいいタイミングでゲートを開いた。

調査団は、無言で荷物を運んでいる。


「その荷物は、落とすなよ。貴重な品物なんだ。何故ふら付いているんだ!」


博士だけが元気で、あれこれ注意している。



全員が無事に帰ったのを見届けて、ゲートを閉じる。

それにしても、昨日は忙しかった。




俺の店は、品切れ状態で連絡も無かったから、ラルトやカミヤも心配していた。

ああだこうだと誤魔化すのも大変だった。


その心配を掛けた分を、ボーナス支給してあげた。


そして、お客にも迷惑を掛けたので、バーゲンをして還元することにした。

この世界にはバーゲンがないようで、大いに賑わった。

大変な列が出来て、更に客が増えた。




そして、あの孤児院にもささやかな寄付をしてみた。

そして、俺の得意なたこ焼きパーティーをして振舞った。


「なにこれ、美味しいよー」


「このソースが旨いね」


「カイト、焦らずに食べるのよ。一杯あるのだから」


「だから、たくさん食べるんだ」


3台のたこ焼き機は、フル稼働だ。



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