第82話猫の魔物




「なんだよ、まだ戦い足りないのか?」


まだまだ進化出来なかった従魔から不満が出ていた。

もっともっとアピールで、俺の前に集まって来る。

従魔の中でも、弱い従魔が大半であった。

ならば、弱い魔物を探す必要がありそうだ。


「仕方ない~なぁ、ちょっと待ってろ」


気配探知で探してみた。

一風変わった魔物を発見。同じ魔物でま固体差がある魔物だった。

その中には、丁度よさそうな魔物が居る。


早速、ゲートを開いた。

又もや俺を残して行ってしまった。どれだけ戦いたいんだ。


ゲートを潜ると、戦いが激しくなっている。


戦っているのは猫の魔物で、体長1メートルから4メートルの固体差だ。

そして、猫のシッポが1本から6本と固体差でわかれていた。

1本の猫は体長も1メートル弱で、多分この魔物の中で一番弱そうだ。


そして、この猫は日本の猫だと思った。

三毛猫・白猫・黒猫・茶と黒が混ざったサビ猫・縞模様のトラ猫・白と黒または白と茶のブチ猫。

そんな従来日本で見かける猫だ。

多分、魔王のイメージが作り出した魔物だった。



そんな猫の2本のシッポの猫を、スケルトンが凄い格闘戦をしている。

互いに抱いたまま転げ周り、2本猫の首をようやく押さえつけて馬乗りになった。

しかし2本猫は、長いシッポでスケルトンの肋骨あたりを締め付けている。


「ギュウ・ギュウ」と首を絞めて、猫は「ミシ・ミシ」とシッポで締める。


まさにどっちが先に降参するかで、わずかにスケルトンが勝っていた。

ようやく仕留めたスケルトンは、次の行動を起こした。

心臓部をこじ開けて、魔石を取り出して喰っている。

すると光りだした。進化したようだ。


スケルトン ソルジャー


Lv1


HP120

MP30


STR11+15 VIT8+15

DEF5+15 INT3+15

DEX8+15 AGI5+15



その向こうでは、デカスケルトンが6本猫や5本猫相手にてこずっていた。

余りにも動きが速い為に、踏み付けることが出来ない。

見かねたハイチューゴが、素早い動きで6本猫の首にかぶり付き仕留めた。

その瞬間に5本猫の動きが止まり、デカスケルトンの足に踏み付けられた。

よっぽど憎かったのか、ぐりぐりと足を踏み付けている。



もっとおもしろいのは、1本猫とウサンの攻防だった。

ウサンの一撃だった鋭い角が、1本猫にかわされた。

ウサンを追うようジャンプして、猫パンチが襲う。

その猫パンチを、着地したウサンの後ろ足の蹴りが襲う。

カウンターになったが後ろ足が長かった為に、1本猫は6メートル後方へ飛ばされた。

そして二度と動くことは無かった。


そしてその瞬間に進化していた。

角の生えたウサギが、少し大きくなり目が引き締まっている。



ゴーレム・ウザン


Lv1


HP55

MP10


STR6+15 VIT3+15

DEF3+15 INT3+15

DEX6+15 AGI9+15


一撃・追撃



魔法の得意なシンガが動いた。

シンガは、氷魔法の氷雨ひさめを放った。

猫の集団に氷の粒が撃ち注ぎ、弱い猫は息絶えて強い猫は満身創痍まんしんそういでふらついている。

そこへJr.ホーネットが襲い眠らせた。

半分をホーネットが貰い、あとの半分をシンガが喰っていた。




急に嫌な予感がした。

思い切り速く結界を、俺の後ろに展開。


結界内に7本のシッポの白猫が居た。

赤い眼で睨んで鋭い爪が襲ってくるが、結界に阻まれて結界は傷つくことは無かった。

俺は両手を合わせるように近づけて、結界に大きく念じながら強く合掌。

その途端に結界は消滅。


あれ!何故だ。結界で消滅させた事で、経験値が凄く体に吸収されている。

倒しただけの経験値と比べ物にならない。

植物系の従魔が、魔物を喰らうのもその為なのか・・・


そして俺は淡く光った。

俺もレベルアップしたようだ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る