第79話北京にて




我が家に戻った俺は、テレビのニュースを見て驚いていた。

中国でクーデターが起きたのだ。


中国共産党が党大会をする建物が、爆発するシーンが流れている。

スマホで撮られた物で、テレビ画面に流れていた。


違う角度から煙が出ている建物が、映し出されて又違う画面が映しだされた。

普通ならすぐに削除される動画が、幾つも存在していてコメントも多く書かれている。


それでも、本当かどうか疑わしい情報もあって、どうしたものかと考えていた。

裏付けされた情報量が少ない。コメンテイターはフェイクニュースだと言って、加工動画だと決め付けている。


「中国へゆくのか?」


「どうしようか悩んでいるんだ」


「悩むなら行け!!」


「急に大きな声で言わなくても・・・」


考えても何もでないだろう。行くしかない。

まばらだが魔物が居る所をいいだろう。


「うん?何故あつまった・・・行きたいのか?」


知らない間に、従魔らが押し寄せていた。

従魔らを見ると、行きたいアピールが強い。

ピョンピョンと跳ねているし、翼を振るな風がこっちに来るぞ。


「分かった!皆で行くぞ」


ゲートを開いた。

開いた瞬間に、従魔らは迅速に行動を起こした。

いつの間にか俺1人だけが残された。


あれ?我が家の従魔が全員行ってしまった。

誰が留守番をするんだ。


まあ行ってしまった者は仕方ない。

こんな山奥に誰も来ないだろう。



ゲートを出ると、ドロスが待っていた。


「他の奴らは・・・」


「魔物を倒しに行ったわ。あなたがグズグズするからよ」


最近、きつい言い方をしてくるが、ツンデレか・・・

俺を残して行ってしまったか。



従魔らをほっといて、早速北京に行こう。

しかし北京には魔物が居ない。

魔物をアンテナがわりにしていたから、場所のイメージがし難い。

時間が掛かるが結界で行くのが無難だ。


「ドロスはどうする」


「もちろん、付いてゆく」


「なら、近くに来い」


ドロスが来たので、結界を張って一緒に飛び立った。

飛行速度をドンドンと上げて、超スピードで飛び続けた。




なんとか北京までやって来たが、既にクーデターは終わった後で、破壊された建物が痛々しい。

軍隊も支配されたのか、銃を持って警戒している。

あれ以上、建物に近づく事も出来ない。


そして、ようやく奴らが集まって来た。 

アイアンゴーレム・ホーネットと、そして生まれたJr.ホーネット達。

ホーネットがビー玉程の玉を生み、孵化して育てたらしい。

区別する為に【Jr.ホーネット】と呼ぶようにしている。

ホーネットより弱体化していて、ホーネットを世話する為だけの存在。

20センチ程の小さいサイズで、そのサイズを活かして情報収集させていた。


頭近くで飛び回り、見て聞いたことを伝えてくれた。

100匹近い情報をまとめると、自衛隊が教えた中国の覚醒者集団だと分かった。

覚醒者集団の中に人を魅惑する覚醒者いて、その魅惑で大勢を操っているらしい。


そして、元中国のトップだった人達は、粛清しゅくせいされた。

それも密かに、そしてまだ生きているように偽装されている。

反対勢力をあぶり出す作戦らしい。


「そうかホテルに集まっているのか、ならばその覚醒者の所へ案内してくれ」


Jr.ホーネットが飛び交う集団の後を追った。

覚醒者が、今後の話し合いをする為に集まったらしい。

覚醒者の本意が知りたい。



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