第29話植物強化




辺りが明るくなっていた。

従魔達を集め【魔物討伐作戦】について説明。


念話だけだと、つい変な考えが念話と一緒に伝わる為、複雑な内容の時は話しながら念話している。


「今度は広島方面の魔物の拠点を強襲する」


「カーアカーア、チューチュー」


従魔から分かったっと返事が返ってくる。


「ゲートで岡山駅に行き、そこからバワンとカースらで広島の拠点近くまで行ってゲートを開くまで岡山駅で待機だ」


「カーアカーア」


「ゴーレムは植物の鉢をしっかり運べ。今回の目標は植物達のレベルアップも兼ねている」


ゴーレムは返事のかわりにガッツポーズをしている。


「何か質問でもあるか?」


何の反応も念話もなかった。

分かっているのか心配するが、やってみて案外上手くいくので進める。


「今からゲートを開くぞ」


「カーアカーア、チューチュー」


ゲートが開き、一斉にゲートへ従魔が吸い込まれる様に消えてゆく。

最後に木のキータンが手狭なゲートを枝をしぼめながら掻い潜って行った。

キータン以外、すっかり慣れた行動に無駄な動きもなく完了。

俺もあとに続きゲートに入る。



駅前のあの場所は、地面がえぐられていた。

俺は又もここにゲートが開くのかと、見続けていた。

そしてあの記憶がよみがえって来る。


カースが「カーアカーア」と俺を呼び起こす。

感傷に浸ってはいけない。意識を戦いモードにもってゆく。

例のロープを出し、出発の準備をする。


気配探知だと50キロ先と70キロの拠点を発見。

まずは50キロ先を強襲。


「バワン飛べ」


バワンはロープを掴むと、大きな翼をゆっくりと羽ばたいた。

俺が振り落とさないように、充分に気を使った飛び方だ。

ふわりと体が持ち上がり、空中高くまで上昇。


50キロ先に向けてバワンは、徐々にスピードを上げてゆく。

しばらくしてカースらは、制空権を確保する為にバードン1000羽以上と戦い始めた。

数的に多いがレベルアップしたカースらにはかなわない。

遠くの戦いだが気配探知で刻々と戦況を感じている。


戦いが終わったのと同時に、目的地に到着。

拠点の魔物の気配がざわつくのを感じる。

急ぎゲートを開き、従魔を呼び寄せる。


「ゴーレムよ植物の鉢を前列に配置しろ。そこのギーギン、邪魔をするなー」


ギーギンはライによって後方へ引きずられてゆく。

ゴーレムが鉢を抱え決められた位置に鉢を置くと、鉢を壊し地面に根をはり出す従魔もいる。

その鉢の後方にキータンがようやくたどり着く。

そして枝をムチの様にしならせて待構えている。

あとは待つだけだ。


その数3万以上、強そうな魔物はバワンとカースが上空から[風牙]を使って倒してゆく。

シアンの毒針が遠くの魔物を倒してゆくと、先頭の魔物が混乱して同士討ちを始める。

近づく魔物はキータンの枝叩きに呆気なく瞬殺。

ツータンのツタ攻撃も負けじと倒して、倒して、倒しまくる。

何故こんなに魔物を簡単に倒せるのか、従魔師の恩恵が発揮しているからだ。


長い戦いだがポツリポツリと進化した植物が居た。

やはりギーギンの仲間が増えだし。転がる死体を美味しそうに食べだしている。


そしてついにギーギン以外にも続々と進化するものがでだした。


ギオン(元ジオン)高さ3メートル・歩行可能


Lv1


HP160

MP210


STR17+15 VIT8+15

DEF8+15  INT14+15

DEX16+15 AGI18+15


毒針Ⅱ・幻惑・毒従魔(毒種子で殺し栄養を吸取るとギオンが誕生)


従魔師の影響か思ったよりステータスの上がりが大きい。

そしてギオンは毒種子で新たな従魔を誕生させている。


ウッディ(元キータン)高さ4メートル・走行可能


Lv1


HP125

MP70


STR10+15 VIT7+15

DEF10+15 INT7+15

DEX9+15  AGI7+15


|枝鞭(しべん) (枝をムチのように扱う)・葉睡(葉を飛ばし相手を眠らせる)




ピポン(元グーボン)高さ3メートル・歩行可能


Lv1


HP50

MP130


STR12+15 VIT11+15

DEF10+15 INT20+15

DEX10+15 AGI10+15


薬草Ⅳ(HP・MP回復4倍)・復活花(花の蜜に復活の効用がある・植物限定)


魔物の数が1万に減った頃には、植物系の従魔達は全員進化する破目になり。

成長が著しくなった。

それにより魔物の減る数が早くなり倒し切った。

俺は必要な赤と紫の魔石を回収。充分な在庫を抱えニタリと笑ってしまう。


そしてギオンによって生み出されたギオンの苗木は、2本の根で器用に歩いている。

身長30センチ程だが何故か可愛い。その数は121本になって俺の前で整列している。

俺が右と言えば右を向き、左と言えば左を向くようになった。

従順すぎて恐いぐらいだ。


俺がギオンの苗木と遊んでいると、バワンが一頭の白いトラを運んで空中で旋回している。

苗木に遊んでいいぞと言い、目の前にバワンが下りれるようにすると全長6メートルの白トラを下ろした。

見事に白いトラで黒にシマが際立ち、毛皮で売ればどれだけの値になるだろう。


俺は土魔法を使って【拘束】と土魔法を流し込む。

ムクムクとせり出し現れたのは、身長2メートルの縞模様の人型ゴーレムであった。


ゴーレム・シマ


Lv1


HP100

MP100


STR5+15 VIT5+15

DEF5+15 INT8+15

DEX6+15 AGI6+15


氷魔法・炎魔法(氷と炎を複合して広範囲の攻撃魔法を操る)



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