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赤い着物を着た小さな女の子が、長い黒髪を揺らしながら、桜が咲き乱れる神社の石畳を跳ねながら進んでいく。
「けーんけーんぱっ!けーんけーんぱっ!」
「……けんけーんぱ、けんけーんぱ?」
女の子の横に、白と薄青の着物を着た男の子がいつの間にやら並んでいた。
見様見真似でやっているようで、けんけんぱの発音が少し違う。
「……こーやって、ぴょんぴょん跳んで、足を開いて閉じて――」
「そなたは遊び上手なのだな」
見かねたように教える、舌足らずな少女に対して、幼子らしからぬハッキリとした物言いの少年は、感心したように頷きながらもう一度見様見真似でやってみる。
足取りはまだおぼつかないものの、少しだけ掛け声は上手くなっていた。
「あなたも上手!ほら、もっとやろ!」
「あぁ――うん、やろうやろう!」
楠の下で、二つの明るい声が響いていた。
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