番外編.15

「では、次は嬉しいお知らせです」

「どきどき、どくんどくん」

「ばくばく、どんな話だろう。気になるな」

「桃ねえ、蓮にいどうしたの?大丈夫?」

楓が心配そうに眉を下げて言う。

「そうゆうお年頃なの。そっとしておいてあげて」

お母さんは私と蓮を気遣うように見ながらそんなことを言う。そんな目で見ないで〜!

「そうそう、桃ちゃんはそうゆうお年頃なの」

「もうお母さんも蓮も、ふざけないで!楓違うからね!」

「最初にやったのは、桃だろ」

「のってきた、蓮もおんなじだから!自分は違うみたいに、い、わ、な、で。」

さっきまで沈んでいた空気が嘘のように、リビングに明るい声が響く。私達家族はこうでないとね!

お父さんが帰ってこれないのは残念だけど、それを引きずって嬉しいお知らせ?を喜べないのはもっと嫌だしね。




「それで、ママ嬉しいお知らせってなあに?」

身を乗り出して聞く楓。そうそう、そろそろ本題に入りましょ。

「蒼が春休み帰ってきます!冬休みは宿題とか寮のお友達と遊んだり、部活で忙しくて帰って来れないみたいだけど春休みは帰ってきます!」

お母さんは嬉しそうに言う。私も嬉しいけど、素直には喜べない。でも、そんな気持ちはバレちゃいけないから笑顔で

「あおくん帰ってくるの。久しぶりだな〜、楽しみ。」

喜んでるように聞こえたよね。

「楓も楽しみ!何して遊ぼうかな!」

「良かったな。蒼ももっと帰ってきたらいいのにな」

楓と蓮は、心から喜んでるみたい。お母さは喜んでる私達をニコニコ笑いながら眺めてた。






番外編.2に続く

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家出をしたら君に出会えた 本の花 @honnohana

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