第34話 【根源魔法】の新たな力で敵を圧倒する
『使い手の精神的成長により、【根源魔法】が進化しました。新たな能力が覚醒します
【根源魔法】
・見た魔法を完全な状態で扱うことができる
・2つの魔法を融合させ、新しい魔法を生み出す[New]
』
「女神アルカディアス様が言っていた、根源魔法の更なる力というのはこのことか……!」
新しく『2つの魔法を融合させ、新しい魔法を生み出す』という力。一か八か、この力に賭けるしかない。
……考えろ僕。どの魔法を組み合わせれば、この局面を打破できるか。
ミノタウロスの攻撃を受け流し、シノビに回復魔法を掛けながら、僕は思考をフル回転させる。どんなピンチでも、冷静に頭を働かせ続ける力は、ロードベルグ伯爵家で身に着けた。集中力が深まり、世界の時間の流れがスローに感じられる。
僕が今使える魔法はこれだ。
・火属性魔法”ファイアーボール”
・状態異常回復魔法”ローキュアー”
・身体能力強化魔法”フォースブースト”
・回復魔法”ローヒール”
・土属性魔法”ソイルウォール”
・植物魔法”グローアップ”
・永続バフ魔法”刻印魔法”(ギフト)
・龍炎魔法“サファイアブルーフレア”
「この状況を打破できる魔法の組み合わせは……!」
――――――
――――
――見つけた。これが、この状況を切り抜ける唯一の正解だ。
ミノタウロスへの攻撃と回復。これを同時に行う!
「――僕は、『魔法融合』を発動。回復魔法”ローヒール”と植物魔法”グローアップ”を融合する!」
二種類の魔法陣が出現。そして、魔力の火花を上げながら融け合っていく。
「発動、複合魔法”暴食と治癒の一輪花”!」
足元から、緑の極太のツタが何本も伸びあがる。そして、ミノタウロスの体を拘束する。
『ブモオオオオオォ!』
ミノタウロスが咆哮しながら暴れるが、ツタは引きちぎれない。
そして、地面が割れる。そこから巨大な食虫植物の顎が出現。樹木程の体長を誇るミノタウロスの体を丸ごと挟む。抵抗するミノタウロスの体を、食虫植物の顎が粉砕。飲み込んでいく。溶解液まみれになった斧だけが吐き出されて地面に転がった。
シノビのすぐ横の地面から、1本の茎が伸びあがる。喰らったミノタウロスの生命エネルギーが、ツタに集まっていく。
――そして、ツタの先端で燃えるような赤い一輪の花が咲いた。
花びらから、モンスターの生命エネルギーを凝縮した雫がこぼれる。太陽よりもまぶしい輝きを放つ雫が、シノビの口へと落ちていく。生命エネルギーが女シノビの体をめぐる。桁外れの癒しの力が猛毒のダメージを打ち消し、体を癒していく。
――光が収まったとき、シノビは息を吹き返していた。
「良かった、助けられた……!!」
僕は安堵のため息とともに拳を握り締める。
あたりにモンスターの影はもうない。
「領主サマー! こっちの小型モンスター共は片付きやした! 領主サマはご無事ですか!?」
こうして、村を襲った最大の脅威を退けることができたのだった。
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