第33話
「ちょっと!!私の卿に何してるのよ!」
「はい?」
「私の卿に何してるのよって言ってるのよ!」
(俺を蹴って出ていったのはお前の方じゃないか、、、それに比べてサーティーはどんなときでも俺のことを気遣ってくれて、、、)
「卿!その目から感情がダダ漏れよ!」
その言葉に私は表情筋を引き締め直した。
「あの、、アムリタ様?で合ってますよね?」
「ええ、そうよ。あの時、この煩悩僧には近づくなっていったでしょう?」
「私、お客様のお世話役のカームの代わりとして参りました、サーティーと申します」
(話が噛み合わない、、、)
カームは私とアムリタが追い返した少女、いや幼女の名前だ。
「あの、ちびっ子の代わりね、、、で?どういして私の忠告を破ったの?」
「忠告と言われましても、、その、卿様につけというのが
私達はひとまず食堂の席についた。
アムリタも食欲を満たせば、機嫌も良くなるだろう。
食堂の利用者の数は時期にピークを迎え、どんどん減り始めている。
私とアムリタは心ゆくまでご馳走を堪能した。
生まれてはじめてのご馳走。
そう思い直すと、涙と
私達もやっと腹を満たしたという頃、静かな食堂にコツコツという足音が響いた。
その特別な紅い制服を着た長身の女性が私達のもとに来る。
「げっ」
アムリタはあからさまに嫌そうな顔をしてみせた。
サーティーも心なしか萎縮して見える。
「これはこれは、今朝ぶりですね、皆さん」
「ごきげんよう、シャーキ様」
「ごきげんよう、サーティー」
向かい合う二人はまるで双輪の花。紅と蒼のコントラストが絢爛豪華な食堂に一層映える。
「私も手が空きましたので午後からは皆様のお付きにさせていただきます」
アムリタの眉が歪む。私は聞きたいことを忘れてしまっている。
「それでは、今朝方に言っていたあの話の続きをしましょう。食堂の奥の倉庫に案内します」
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