第2話 成程…わからん
「まぁ、簡単にまとめると、幸君のお父さんから私のお父さんに親権が渡って、私のお父さんは今海外に居るから、私が幸君の面倒を見る事になったって事だね!」
なるほど…
でもなんで
あの人ならもっと酷いところに渡すと思ったんだけど…
それに、この灯音と名乗る人物も信頼できるとは限らない。
一応警戒しておこう。
「ちょっと失礼」
「あ─」
僕が、何故叔父に親権が行ったのか、実は全てこの
「うわ、酷い…」
僕の体には、いくつもの傷や痣、火傷のあとが浮んでいた。
それに加えて、日本の男児とは思えない程に痩せこけている。
すると、
「いっ…」
「ごめん!大丈夫?!」
「大丈夫です」
「良かった。でもちゃんと痛覚があるようで何より!
無痛症…聞いた事がある。
確かどんな痛みも感じないんだよね…
僕からしたら無痛症であって欲しかったよ。
そうしたらもう少し苦しまずに済んだかもしれないのに。
すると、
「ごめんね、ここじゃこの程度の手当しか出来ないけど」
「すいません」
「すいませんじゃなくてありがとう、でしょ
それと敬語も無し!
これから一緒に暮らすんだから!」
「わかり…わかっ、た」
「良し!じゃあどうする?何かやりたい事ある?」
やりたい事…
強いて言うなら─
「─思う存分寝たい」
「えっ?そんな事でいいの?!ほら、もっとゲームをしたいとか沢山食べたいとか無いの!?」
「はい」
それに、この人が嘘を吐いているとしたら寝ている間に事を済ますだろう。
気持ち良く寝ている時に殺してもらった方が、心地よく死ねるだろう。
「う〜ん、まぁ幸君がそれで良いなら良いけど…」
そう言って
そこには大きなベッドと、クッションが
「ごめんね、幸君の分のベッド頼んだんだけどまだ届いて無いんだよ。
だから私のベッドで寝ていいからね!」
そう言った
「え、僕は床で良いんですけど…」
「だーめ、ちゃんとベッドで寝て!」
僕が立ち上がろうとすると、
なるほど、このベッドに仕掛けが施されているのか…
ならしょうがない。
「わかりました」
僕はフカフカのベッドの中に入る。
「寝付くまで傍に居なくて大丈夫?」
「僕これでも16ですよ」
「え゛!?」
「え?」
もしかしてもっと下だと思われてた?
「い、いや、わかってたよ?」
目を泳がせた
「ほら、早く寝なさい」
「それじゃ、おやすみ」
「はい」
そう言って
僕は、
「これ寝れるかな…」
そう心配になるものの、フカフカのベッドが気持ちよかったのか、気づいたら眠りについてしまっていた。
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