第8話 少女の苦難

早朝、目が覚めるとベットからは夏だけがいなくなっていた。辺りを見渡すと窓の前に佇む夏がいた。


(なつ・・・!?)


俺は夏に異変があったことに気がついた

(なんだ・・・この魔力は!どこか・・・懐かしいこの感覚は・・・)


いつもの俺なら戦闘態勢になっていたこの状況に、ただ夏を見つめるだけだった。

そして夏がこちらを向く


「起きたのね水城くん?」

「お前は···誰だ···」

「今はまだダメ···いずれその時が来るから」

「その···時?」

「私の事やあなたの事、帰還のことを知りたいなら皇国の塔を登りなさい」

「塔?」

「いずれわかるわ。またね、の息子君?」

「なぜ親父のことを!」


そして夏から出ていたあの魔力がフッと消えると夏が倒れ込む。


「夏!」

俺は倒れた夏のそばに行く

「大丈夫か!夏!」

「みーちゃん···どうしたの?」

「なんともないか?」

「うん」

(夏に変化はない。なんだったんだ···あれは)

疑問が残りつつも俺たちは護衛の依頼のために準備を始める




「夏、ミサラ念の為これを渡しとく」

そして俺は、二人に街の雑貨屋で買ったミサンガを渡す。

「なんですかこれ?」

「ミサンガ?」

「それには俺か夏達が危険になった時、宿の俺たちの部屋に転移するようにしてある。まぁ念の為だ」


二人が逃げられれば俺一人ならやりようがあるからな

「大丈夫。そんなことには、ならないから」

「だって私がみーちゃんを守るもの」

「そうです。私たちは、パーティです。仲間を置いて逃げるなんて有り得ません。逃げるより一緒に心中します」


2人のその言葉にドキッとしてしまい目線をそらす


「わかったでももしものためにも必要だ。それ以外にも身体能力を2倍にするのと魔力の底上げするの効果が付与されてる。お前たちの力になるはずだ。さぁ行こうか!」



-馬車乗り場-


そこには、リアリスとあの騎士、数人の冒険者らしき人間がいた。

(その後方の馬車2つにに武装したやつが20人くらいいるなあと魔法士が4人か)

この情報を念話で二人に共有した内にリアリスがこちらに来た。


「先日は、失礼しました。今日はよろしくお願いします。」

「あぁ任せろ。あんたの事はある人に依頼以外で色々頼まれたからな。それにこの旅は色々大変だろうからな」

「ある人とはどなたで?」

「こっちの話だ。気にするな」


そこに奥の冒険者のリーダーらしき人がこちらに来た。


「今回の護衛よろしく頼む。俺たちはAランク冒険者パーティ『獅子の咆哮』リーダーのエディアルトだ」

「俺たちはSランクパーティ『星の願い』リーダー水城です。よろしくお願いします」

「Sランクがいてくれるとありがたい。これは楽な仕事になるかもな」

「そんな買いかぶりですよ。それとエディアルトさん」

「エディでかまわん」

「じゃあエディ、後で話がある」

「·····了解した。」

「それじゃあ出発しましょうか」


・・・・・・

そして外で馬車を護衛しながら俺たちは、エディ達一行に俺達が襲われる可能性、夏が聖女であること、そしてリアリスが殺される可能性のことも話した。リアリスが巫女でないことは、話さなかったがな


「なるほど。巫女様を守るのは我々の役目だそっちの方は、まかせてもらおう」


「わかった。そちらはおまかせするよ。まぁ俺たちも依頼は受けてるから···仕事はしなきゃな」

「???」

「2時の方向に魔物がいる」

「そんなもの見えんが···分かるかシーツ」

エディのパーティメンバーのシーツが辺りを見渡す。

「いえ怪しいものは、見えません」

(この人はいい弓士だ。だが姿をかくしているやつや気配を消してるやつを見つけられないなら二流だ)


俺がいち早く気づくことができた理由は、時空間魔法を応用した探知だ。

俺は、自分の魔力が届く範囲を自分の空間として害意や敵意を持ったものを知覚する魔法だ。


「そろそろ見えますよ」

「あっ!見えました!オークが3匹こちらに向かってきます」

「惜しいですね。その後ろにオークメイジが気配を消して狙ってますよ」

「そっちは私が行ってきます」

「わかったミサラ頼む」

ミサラが隠蔽魔法で気配と姿を消しオークメイジの元にゆく


「怪我をした方は私の元へ来てください!回復します!」

「ありがたい!お前ら行くぞ!ってあれ?」


エディ達が気合を入れていた間に俺が通常の2倍の魔力を込めた炎槍を作り操作魔法で操作し焼き貫いていたのだ。


(ミサラの方も終わったみたいだな)

「さぁ先に進みましょう」

「さ···流石はSランク」


・・・・・

少し進んだところでミサラが話す

「水城さんは魔法を使う時詠唱しませんよね?どうするんですか?」

「詠唱って必要なのか?」

「えぇ通常は詠唱をして魔力を練り具現化するとゆう感じです」

「なるほど俺は大体は頭の中のイメージでやっている。詠唱は隙になるし今度そのイメージの仕方を教えるよ」

「ありがとうございます!」


(そこまで喜んで貰えるとはね····ん?)


『夏、ミサラ50m先に待ち伏せた騎士がいる準備してくれ』

『『了解』』


そして俺は、先に聖剣創造で『聖刀 ヒノカグツチ』を創り出した。

能力は「鋭利化、魔法破壊、武器破壊」を着け、鞘を作る。

鞘にも能力付与を行った。効果は、「頑丈化、加速化、知覚領域増加」だ。

これである程度周りにも気を配れる。


「エディ前方木の影に騎士達にがいる。気をつけろよ」

「あぁ!あんたも殺されんなよ」

(一様馬車の中も確認するか)

そして中を確認するとリアリスがリリストに刃を向けられていた。

(何かを話しているようだな。少し聞くか)

俺は隠蔽魔法で姿と気配を消し中に空間跳躍をする。


「リアリス様なぜ俺を見てくれないのですか!こんなにもあなたを愛しているのに!」

「あなたは、どうしてしまったのですかこんなことをする方ではなかったはずです!」

「あなたもあの·····あの聖女様を誑かしたあの男に誑かされたのですか!」

「そうではありません!ただあの方が気になると言っただけではないですか!それなのに」

「あんな·····あんなやつに取られるくらいなら·····ここで!」


そう言うとリリストは剣を掲げ振り下ろす

(させない!)

そこに俺が姿を現し、刃を指で掴む。

「騎士が姫を切るなんてダメだろ?なぁ聖騎士君?」

「貴様ー!!!」

「おい!リアリス!」

「はい!」

「外にエディ達がいる!外に出るんだ!」

「分かりました!」

そうしてリアリスが外に出ると

「私とリアリス様の仲を引き裂くつもりかこの異教徒め!こい!我が同士よ!」


リリストが首元に下げた笛を吹く

「それじゃあ俺達も一緒に外に出ようか。お前を寝かして」

俺はリリストの水落に拳を一発決め、気絶したリリストを連れミサラ達のところに転移した。


そしてその場を見て大変なことになっていた。

エディ達獅子の咆哮が斬られて倒れ、ミサラも怪我をして夏が水の結界でみんなを守っている状態だった。

(聖騎士5人でこの場を圧倒とは·····夏も魔法の維持で回復魔法が使えないのか!)

騎士たちはどうやってでも夏が欲しいのだろう。

夏に手を伸ばし何かを言う


「聖女様!我らはあなたをお救いに来たのです!そんな者共は捨て我らの元へ」

他4人にも同じようなことを口走る

「この結界邪魔ですね。今お迎えにゆきます!」

そしてくず聖騎士が剣を振り下ろす。

(やばい!夏がそろそろ限界だ!)


そして俺は聖騎士の剣をヒノカグツチで受け止める

「おい···お前何やってるんだ?」

「みー···ちゃん?」

「大丈夫か夏?あとは俺に任せて下がってろ」

「うん···」

そして夏は倒れたので、時空間魔法で街まで飛ばした。

「貴様か!聖女様を連れ去った異教徒は!あの方は我々の光なのだ!あの方は我々といるべきなんだ!」

「・・・黙れよ」


聖騎士の剣を弾き飛ばし腕を切り落とした。

「お前たちは·····生きては返さない·····」

「ぐわぁぁあぁぁ」

腕を切り飛ばされた聖騎士は血を流し続け倒れ込んだ。

そして俺は、付与魔法でヒノカグツチに炎弾、水弾、雷弾、土弾、光弾、闇弾と強化魔法でを付与した。そしてこの刀を鞘に収めた。

俺は抜刀術の体勢に入った。


「どうした?来いよ」

俺の挑発に乗った騎士たちは俺に一斉に飛び込んできた。

俺は鞘の効果と抜刀術で加速した剣で一太刀入れその威力で上空に竜巻生じた。

『七聖剣技:暴食の斬撃グラシア!』

(これで奴らはかたずいたかな)


キャァァァァ

この声の元はリアリスからだった。

気絶していたはずのリリストが目を覚ましリアリスを襲っていたのだ。

「あなたは····我々を····私を····裏切ったのだ····だから死ぬんだ!!!」

短剣を突き刺そうとするリリスト

(くっ!間に合うか!?)

俺は強化魔法でスピードを上げリアリスを庇う。俺の背中に短剣を突き刺れたがリアリスは無事のようだ。


「無事か?」

「はっはい····でもあなたが」

「貴様!また邪魔を!」

「うるさい」

俺は刀の峰で気絶させた

「俺はあのおっさん···リスト王から頼まれたからな。俺がちゃんと守るよ」


「あなたは、お父様とお知り合い···なのですね」

「あぁ」

「私はどうすればいいんでしょ?教会に命を狙われ、父にも迷惑をかけて·····」

「····」

「私は!」

ゴン!

「そんなもん俺に聞くな」

「でも!」

「その答えを出すのはお前だ。誰かを頼るんじゃない。お前自身が出すんだ」

「できるでしょうか···私に」

「わからん。でもそれまでは俺がそばにいてやるよ」

そう言い手を伸ばす。

「安い告白ですね」


笑いながら手を掴み立ち上がる

「告白じゃないから!まぁとりあえず帝国に向かおう。それまで俺もつきそう」

「よろしくお願いしますね?」

「あぁ」

「でもどうやって行くんですか?馬車の馬が逃げてしまいましたが」

「こうする」

俺は土魔法でゴーレムを作り操作魔法で帝都まで自動走行するようにした

「それじゃあ····行こうか!」

「はい!」


そういい俺たちは帝都に向かい進み始めた

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創造魔道士の裏技?!〜無能かどうか決めるのはお前らじゃない〜 夜桜 ミーシャ @misha05

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