Episode18
フィクシア防衛戦から三日、都市は大勝利を祝ってお祭り騒ぎになっている。
そんな中、僕達はギルドの会議室にいた。
「みんな、わざわざ集まってもらって
バットがそんなことを言って、神妙な顔をする。この場にいるのは、みんなを呼び出したバット。バットのパーティー『
「それで、タケルちゃんや私達を呼びつけて何の相談をしようって言うわけ?」
「あぁ、今回のことで俺は自分の力不足を痛感したんだ。だから、自分を鍛え直すために『神風』を解散しようと思う。」
「いいんじゃない?レイナもアタシもバットが今より強くなるのに賛成するよ。ね、レイナ♪」
「そうね、バットが強くなってくれるとありがたいわね。ただ、そうなると、私とミラがどこか別のパーティーを探さないといけないことになるのよね~。」
「レイナ!!それならもう決まってるじゃん♪」
悩む仕草をするレイナさん。自分達が新たに所属するパーティーは決まっていると言うミラさん。二人はチラチラと僕の方を見て、声を揃えて言う。
「「タケル
「くっ、私だってタケル君のパーティーに入りたいのに、ギルドマスターの役職さえなければ…」
エレナさん、そこでレイナさん達に張り合ってもしょうがないと思うのですがねぇ…
「そ、そうか…タケル、レイナとミラのこと頼めるか?お前になら二人を任せられる!!」
「えっ!?いや、そんなこと言われても…」
責任なんて持てません…とは言えないんだよなぁ。だって、二人の僕を見る目がキラキラと輝いているんだもん。
「……わかりました。責任を持ってお二人をお預かりいたします。」
「タケルちゃん!?私はもうタケルちゃんのパーティーを抜ける気なんて無いわよ!!」
「アタシだってタケルくんのパーティーを抜ける気なんて無いからね♪」
「「勿論、解散なんてさせないんだから!!」」
おっふ、どうやら僕に『ソロ』と言う選択肢は無いようだ…
『マスター、貴方は私と一心同体。故にソロと言う概念はあり得ません』
そう言ってAIさんは、僕の右腕にご立派な胸部装甲を押し付ける。心なしかAIさんの頬が赤くなっているようにも見える。
『
『
ブロンシュが僕の左腕に推定Iカップ(AIさん談)の胸部装甲を押し付け、ノワールが僕の背中に推定Iカップ(これまたAIさん談)の胸部装甲を押し付ける。
ナニコレ、どんなエ○ゲ?
「チッ、リア充爆ぜろ!!」(#`皿´)
バットに嫉妬された!?初めて会ったときのことを忘れてた。
「バットさん、
「タケル…ありがとよ。」
僕はバットに手を差し出す、バットが差し出された手を握り返し固い握手をする。
「バットさん、お元気で。」
「お前もな、タケル。レイナとミラも元気でな。」
「バットの訃報は聞きたくないから、死なない程度に頑張ってね。」
「タケルちゃんの面倒は私達に任せて、貴方は強くなる事だけ考えればいいんじゃない?」
元メンバーの言葉が辛辣だなぁ。
「バットさん、どこか行く宛てがあるんですか?」
「そうだな…ダンジョンにでも行ってみようとは思っているよ。」
「ッ!?この近くにダンジョンがあるんですか!?」
「ああ、北に100キロ程行ったところにあるな。」
「僕も行きます!!」
「タケル、お前と同じダンジョンに行っても俺の為にならねぇから、俺は別のダンジョンに行ってみるよ。」
「わかりました。北のダンジョンには僕達が行ってきます。」
「じゃ、今度こそ…元気でな。」
「バットさんもお元気で。また一緒に旅をしましょう。」
バットが会議室を出て行く。僕はエレナさんにダンジョンについて詳しく説明してもらう事にした。
「エレナさん、ダンジョンについて詳しく説明していただけますか?」
「そうだな。タケル君も大体は理解していると思うが、ダンジョン産の魔物は魔石をドロップする。その魔石は生活に深く密着している。
それに冒険者や軍兵のレベルアップに直結する場でもある。」
「つまり、ダンジョンとは資源の産出する鉱脈であり、練兵所でもあると言うわけですね?」
「そう言うことだ。」
フム、であれば、ダンジョンを自前の物にしてしまえば入場料で稼ぐ事も可能である…か?
その前に今のステータスはどうなっているかな。
◇◇◇◇◇◇◇
タケル 16歳
Lv148→1259 LvUP
HP 消費することはないでしょう
MP 無尽蔵
Atk 本気を出せば素手で惑星を粉砕できます
Def 本気を出せば核攻撃すら耐えられます
Agi 本気を出せば光の速さで移動できます
Luck 本気を出さなくても不運が裸足で逃げ出します
〈スキル〉
言語理解
錬金術
鑑定
武術の極み
魔導の極み
飛翔
回復魔法
契約魔法
◇◇◇◇◇◇◇◇
おっふ、ついにレベルが4桁に到達したのか…
『マスター、40万の軍勢を消滅させたのですから、当然の結果と言えます』
しかし、今更ながら思うのだけどこのステータスでレベルの意味ってある?
『マスター、ぶっちゃけただの数字の羅列でしかありませんね』
デスヨネ~。まぁ、僕のレベルがどこまで上がるのか興味はあるけどね。
「明日、ダンジョンに行ってみたいと思います。」
「タケルちゃん、勿論お姉さんもついて行くわよ。」
「タケルくん、アタシもついて行くからね。」
『主様、妾も忘れないでほしいのぉ。』
『主人、我も行くぞ。』
『正直、私とマスターの二人でダンジョン制覇は簡単に行えます』
「タケル君、すまないが私はギルドマスターの仕事があるため、参加は出来ない。」
エレナさん以外は参加するみたいだな。まぁ、エレナさんは仕方がない事だろう。
「それじゃ、明日の準備をしましょうか。」
こうして、僕達はダンジョンにチャレンジする事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇
次回は4月11日を予定しています。
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