Episode14

「AIさん、全速力。急いで急いで!!」


『マスター、無茶を言わないでください。マスター以外に四人も乗っているのですよ』


「わかった。僕が先行する。ドラゴン肉は誰にも渡さない!!AIさん、自動運転形態オートドライブモード。」


『はぁ。了解ラジャー自動運転形態オートドライブモードに移行します』


 僕は、窓から身体を出し飛翔する。


「「「「えぇ、空を飛んでる~!?」」」」


 四人は驚いていたみたいだけど、そんな事に構ってはいられない。

 かなりのスピードを出し、あっという間にドラゴンを倒した場所に到着する。

 20体全てを異空間収納ストレージに収納するとAIさんから警告を受ける。


『マスター、こちらに接近して来る飛翔体があります。ご注意を』


 突然、周囲が暗くなったので辺りを見回すが何もない。視線を上に向けたところ、純白のドラゴンが僕を見下ろしていた。


『汝が、妾の同胞を屠ったのか?』


「そうだ。と言ったら?」


何故なにゆえ妾の同胞を屠る?』


「美味しいドラゴン肉が食べたかったから。」


『はっ?肉を食う為に同胞を屠ったのか?』


「人は、食べなければ生きてはいけない。」


『別に、妾達を食べずとも生きていけよう。』


「美味しいものがあれば、食べたいと思うことは自然の摂理だ。」


『ぬかしよる。同胞の無念、妾が晴らしてくれようぞ!!』


 白竜が口を大きく開き、炎の塊が出来上がる。

 白竜のブレスが僕に迫り来る。

 僕は、異空間収納ストレージから【ぜつ】を取り出し、ブレスを切り裂く。


『何!?妾の息吹を切り裂くだと?汝は何者じゃ!!』


「ただの人間だけど?」


『マスター、ご自身のステータスを見て言ってますか?』


 AIさん、ここはツッコミ無しでお願いします。


『息吹がダメなら、妾の爪で引き裂いてくれようぞ!!』


 白竜の右手が僕に迫ってくる。僕は白竜の爪を全て切り落とす。もちろん、切り落とした爪は異空間収納ストレージに保管済みです。


『何!?妾の爪まで切るというのか!!』


「さて、アンタをどう料理しようかね?」


『何じゃと!?妾も同胞と同じようにするのか?』


「さてそれは、アンタ次第だな。」


『ぬぐ!?……妾は…死にとうない。助けてたもれ。』


「フム、………じゃあ、安定的かつ恒久的にドラゴンの肉を寄越せ。」


『マスター、まるでヤの付く職業の人みたいですよ』


 クッ!!僕は善良な人間のつもりなのに…


『そうすれば、妾は助かるのか?』


「少なくとも、アンタに危害は加えない。」


 僕が白竜と交渉をしていたら、白竜の背中に炎の塊がぶつかる。


『グアァ!!何奴?』


『ハクよ、ウヌは人間ごときにへつらうのか!!我ら竜族の長が情けない。ウヌに一族を任せる事は出来ぬ!!

 これより我が竜族の長となろうぞ!!』


 えっ、何これ?白竜と交渉してたのに、突然黒竜が割り込んできたと思ったら白竜と長の座をかけて、勝負が始まるみたい。


「オイ黒いの!!僕は白竜と交渉中なんだ。邪魔をするなら、容赦しないぞ!!」


『カッカッカ、人ごとき矮小なるものに何が出来る。我が捻り潰してやるわ!!』


「出来もしないことを口にするものじゃない。」


 僕は【ぜつ】を振り、見下ろす黒竜の翼だけを切り落とした。黒竜の翼ゲット!!


「トカゲは地を這うものって、相場が決まっているんだけど。」


『ヌヌヌ、小癪な。我の息吹を喰らうがいい!!』


 黒竜の口に炎の塊が出来上がる。僕は異空間収納ストレージから【悲哀ザ・ソロー】を取り出し左手で握り、炎の塊を撃ち抜く。


『ナヌ!?我の息吹が…』


『クロよ、諦めろ。たぶん妾と汝の二人がかりでもあの人間には勝てぬ。汝とて薄々気付いておろう?』


『ハクよ、ウヌはそれでよいのか!!』


『クロよ、この人間がその気になれば、この世の生きとし生けるもの全てを一晩のうちに絶滅させることが出来るであろう。』


『そんなこと、やって見なければわからんであろう!!』


 白竜と黒竜が押し問答をしているんだけど、正直面倒になってきた。


「フィールド創造クリエイト大地の牢獄アースプリズン】続けて、アイテム創造クリエイト【口枷】」


 白竜と黒竜の首から下を地面に埋める。ブレスを吐くと面倒だから口枷もつける。


「お前達はこれから僕の支配下に入ってもらう。そのために契約を結んでもらう。強制はしないが、敵対すれば容赦はしない!!」


 白竜と黒竜に威圧をかける。二匹の竜はプルプルと震えながら首を縦に振る。


「スキル創造クリエイト【契約魔法】」


◇◇◇◇◇◇◇◇


タケル 16歳

職業ジョブ 創造者クリエイター

Lv5→148 LvUP


HP 消費することはないでしょう

MP 無尽蔵


Atk 本気を出せば素手で惑星を粉砕できます

Def 本気を出せば核攻撃すら耐えられます

Agi 本気を出せば光の速さで移動できます

Luck 本気を出さなくても不運が裸足で逃げ出します


〈スキル〉

創造クリエイト

言語理解

錬金術

鑑定

異空間収納ストレージ

武術の極み 

魔導の極み 

飛翔

回復魔法

契約魔法 New


◇◇◇◇◇◇◇◇


【契約魔法】……相手を支配下に置くことが出来る契約を結ぶ魔法。契約魔法を行使した人間(この場合タケル)以外解除する事は出来ない。奴隷にするとも言う。


 雑な説明文だな。最後の一文はぶっちゃけただけのようだ。


「それじゃ、契約を結ぶぞ。【契約スレイブ】」


 僕から黄金の光の粒子が、白竜からは純白の光の粒子が、黒竜からは漆黒の光の粒子が立ち上ぼり、絡み合い黄金の粒子が二匹の竜に純白の粒子と漆黒の粒子が僕の中に入る。

 僕と二匹の竜になんとなく繋がりができた気がする。


「これでお前達は僕の支配下に入った。僕からお前達に命令する事は一つ。『僕に敵対するな』これさえ守ればあとは、自由にしていい。」


 ドラゴン肉は20匹分あるから、しばらくはもつだろう。


『『むぐぐ』』


 あっ、口枷外すの忘れてた。


◇◇◇◇◇◇◇◇


次回は3月14日を予定しています。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る