コーヒー

 私はお茶をするのが好きで、紅茶、コーヒーなどの飲み物をよく飲む。紅茶は昔から大好きなので、中学生のころからポットで淹れたりして、勉強のお供にしていた。


 私が紅茶を好きになったのは、すごく小さいときから毎朝父が淹れていてくれていたからだと思う。父と母はコーヒーが好きなので、コーヒーが入ったカップが2つ。そして、紅茶が入った私たち兄弟各々のマグカップが4つ並ぶのが、毎朝の光景だった。マグカップといえば、姉と兄は小さい頃に自分で書いた絵をマグカップにしたものを使っていて、もう1人の姉は水森アドのマグカップだったが、私のマグカップは父が勤務している銀行でもらえるグッズだった。4人目とはそういうものだ。


 そういうわけで、紅茶はずっと飲んできたのでとても好きなのだが、コーヒーは苦手だった。父と母がそばで飲んでいるので、いい香りだと思って口に含めると、苦い。裏切られたような思いになる。大人はどうしてみんなコーヒーを飲めるのか不思議だったが、ものすごく甘党でコーヒー牛乳しか飲まなかった兄も、働き始めたらブラックコーヒーを好むようになった。姉はそれを見て、ストレスが溜まるんだね、と言っていて、ストレスが溜まるとコーヒーが飲みたくなるものなのかと思った覚えがある。


 そんな私も、いつの間にかコーヒーが飲めるようになった。カフェオレの方が好きだが、ブラックでも飲めるし、ブラックを好む時もある。コンディションによって、好みというのは変わることは実際にあるのだと知った。今もコーヒーを苦いとは思うのだが、その苦味が楽しめるようになった。コーヒー好きの人が、コーヒーは香りで飲むものだと言っていたが、確かに香り高いコーヒーは美味しい。


 子どもの時でなければ楽しめない味もあるけれど、大人になったからこそ楽しめる味があると思うと、歳を重ねるのが少し楽しみになる。

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