09_風呂上がりの美少女

「ふー、いいお湯でした」


髪の毛を拭きながらTシャツ1枚で上がってきた堀園さん。

腕や脚がめちゃくちゃ見えるからドキッとしてしまった。


どうして、湯あがりの女の人っていい匂いがするんだろう!?

なんか甘いみたいな・・・

シャンプーなんか、俺のと同じはずなのに・・・


それよりも、Tシャツ1枚って!!

下着・・・下着は着ているよな!


でも、聞くに聞けない。

しかも、堀園さんが着ているTシャツって、かなり着古したやつだ。


あと数回着たら捨てようと思っていたほどの古いヤツだ。

遠慮!?遠慮なのか!?

もっといいやつあったはず。


「ほ、堀園さん・・・」


俺は無意識に指をさしながら話しかけた。


「あ、Tシャツお借りしてます。私だと少し大きいので、ちょうどパジャマみたいです」


「あ、あの・・・下・・・」


「え?この下ですか?それは・・・乙女の秘密です」


堀園さんは人差し指を唇に付けるしぐさと共に答えた。

気になる!『乙女の秘密』!!

気になりすぎる!!



「こほん。その・・・落ち着いたろころで、話・・・いいかな?」


「はい・・・。座りましょうか」


リビングのソファに座った。

俺がテレビの前に座ったのだが、コの字がたのソファの中央に座ったので、堀園さんが右側に座った。


大きめだったと言っても、所詮Tシャツなんだよ。

太ももの辺りとか、すごく見えるので、気になってしょうがない・・・


話・・・話を・・・


「コホン・・・」


再び仕切り直しだ。

堀園さんには、クッションを渡して、膝の上に載せてもらった。

話を聞こうにも何も入ってくる気がしないからだ。


ビジュアルだけの問題じゃない。

さっきのいい匂いは近くにいるとより一層香ってくる。

正気でいられるがまるでしない。


中々話を切り出せない俺のせいで、堀園さんは、髪を拭きだした。

それにより、またいい匂いが強まったし。

そして、濡れた髪はとても色っぽくて、目が離せなかった。


「セリアくん、あんまり見つめられると・・・恥ずかしいです」


もじもじしながら言われると、『ごめん』って返したけど、全然反省はしていなかった。

目は離せない・・・離れなかった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る