第96話 後始末と今後
町に着いた。
それでは、取引所に行くか。
「いらっしゃい~」
いつもの天使が店番をしていた。
そして、いつも通り戦利品の買い取りを頼んだ。
結果はこうだった。
とりあえず、キレイ、若いと言っておけカード26枚、お値段、1枚、制限時間10日。
返り血のウェディングドレス18着、お値段、1着、制限時間200年。
不倫は悪カード3枚、お値段、1枚、制限時間10日。
浮気はやめておけカード5枚、お値段、1枚、制限時間10日。
金の指輪6個、お値段、1個、制限時間100年。
バラの花束25束、お値段、1束、制限時間10年。
真面目で不器用な天使が一生懸命に作った鋼鉄の剣22本、お値段、1本、制限時間1年。
味獄の大盛りお宝カード2枚、お値段、1枚、制限時間1000年。
胃地獄の大盛りお宝カード2枚、お値段、1枚、制限時間1000年。
後味獄の大盛りお宝カード2枚、お値段、1枚、制限時間1000年。
早く医者に行けカード1枚、お値段、1枚、制限時間10日。
話は短く要点を述べようカード1枚、お値段、1枚、制限時間10日。
長話は迷惑カード146枚、お値段、1枚、制限時間10日。
地獄の沙汰も金次第カード108枚、お値段、1枚、制限時間10日。
疑似獄のトロフィー1本、お値段、1本、制限時間10年。
偽物には注意しようカード2枚、お値段、1枚、制限時間10日。
家事獄制覇カード1枚、お値段、1枚、制限時間1万年。
白色の道着1着、お値段、1着、制限時間1万年。
辞表の極みと書いてある白い封筒1枚、お値段、1枚、制限時間1万年。
辞極のトロフィー1本、お値段、1本、制限時間1万年。
合計50490年で売れた、2人で分配した。
まあまあのもうけだな。
後は、手に入れたカードについて、天使に質問してみよう。
じごく召喚は、他のと一緒だそうだ。
次は、さっさと生まれろカードについてだな。
聞いてみたら、こう言われた。
「これを手に入れるとは、すごいじゃない」
「そうなのか?いくらで買ってくれるんだ?」
「それについては、場所を変えて説明するわ」
「ああ、分かったよ」
なんでわざわざ?
盗み聞き防止のためなのか?
まあ、良いか。
天使に付いて行こう。
「ここよ。さあ、入って」
中に入った。
高級そうな黒いソファーやテーブルのあるキレイな白い部屋だ。
広さもかなりある。
ここはもしかして、VIPルームだったりするのか?
「さて、このカードを手に入れたということは、すべてのボスを倒したのね?」
「ああ、そうだけど……」
「ハッキリ言うと、もうあなたたちを倒して、強制的に生まれさせることができる敵がいないから、そのカードに書いてある通り、さっさと生まれて欲しいのよ」
「まだ欲しいと思える超能力が手に入っていないから、断りたいのだが……」
「そうでしょうね。そこで、そのカードと欲しいカードを交換してあげましょうというわけよ」
「えっ、好きなカードと!?あのチート能力セットでも良いのか!?」
「ああ、あれと?別に良いけど、今のあなたたちには、あまり意味がないわよ?」
「え?なぜだ?」
「鑑定もアイテムボックスもあるからよ。魔法は今の星に生まれれば使えるようになるわ」
「ええ!?そんなのあったのか!?」
「ええ、あるのよ。鑑定は実況と解説を召喚すれば、教えてもらえるわ」
「あいつらに、そんな能力があったのか!?」
驚きの事実発覚!?
「アイテムボックスは、名救助用物資のダンボール箱のことよ。あの中に入れて、元の世界に帰せば良いのよ。そうすれば、中身は永久に保存できるわ。また召喚すれば中身を取り出せるわよ」
「な、なんだってーー!?」
あれにそんな能力があったのか!?
ただのダジャレだと思ってたぞ!?
お笑い担当は、実はすごいヤツだったのか!?
「それで何と交換するの?ちなみに交換したら、すぐに生まれてもらうわよ」
「すぐには決められないよ。時間をくれよ。俺たちは地獄を攻略したばかりで、疲れているんだぞ」
「仕方ないわね。なるべく早く決めてよ」
「ああ、分かったよ」
今日のところは、解散となった。
それにしても、すごいカードを手に入れたものだな。
このカードの存在を知られてしまったら、奪い取りに来るヤツが出そうだ。
だから、わざわざあの部屋で話をしたのか。
このカードは、大切に保管しておこう。
さて、温泉旅館に行くか。
温泉に入って、食事をして、ゆっくり休んだ。
さて、今後のことを考えようか。
どのカードと交換しようかな?
うーん、うーむ……
おはようございます。
考えていたら寝てしまいました。
まあ、別に問題はないけどな。
天使に急かされているだけだし。
さて、どうしよう?
取引所で、カードを見てみようか?
いや、待てよ。
生まれる星の情報を集めておくべきなのかもしれないな。
どんな星か分かれば、適切なカードが選べるだろうし。
よし、では、図書館でダークジヨヤジレ星について、調べてみよう。
カナを誘って、図書館に向かった。
図書館に着いた。
白い壁の大型商業施設のような建物だな。
さあ、入ってみようか。
おおっ!
これはすさまじいな!!
一面の本棚だ!
本尽くし、本まみれだ!!
「本がたくさん!これはすごいですね!」
カナも大喜びだ。
でも、こんなに本があっては、目当ての探し出せないのでは?
そんなことはなかった。
タブレットのような端末で、すべての本を読むことができるからだ。
当然、本の検索機能もある。
入口にある看板に、そう書いてあった。
ちなみに、本棚から探しても良いらしい。
周囲をよく見ると、本棚を見ている同業者もいる。
おそらく本好きなのだろう。
では、ダークジヨヤジレ星について、調べてみるか。
文明レベルは、地球の現代くらい。
相当豊かな星みたいだな、とても住みやすそうだ。
使用されている言語が、日本語にそっくりだな。
なんと都合が良いんだ!!
素晴らしいな!!
魔法があって、研究されている。
それを利用した道具がある。
銃はあるけど、剣が流行っている。
ダンジョンがあったり、そこを探索する冒険者という職業があったりするのか、定番な感じだな。
現代の地球とファンタジー世界を、足したような星なのかな?
ん?
これは?
過去に魔王がいたが封印された!?
そんな歴史があるのか!?
……俺たちが生まれたら、復活するなんてことはないよな?
まさかね。
うん、あるわけないよな。
……生まれる星を変えた方が良いのかな?
不安だから、もっと魔王や封印について調べてみるか。
ついでに、他の星についても調べてみよう。
結論、剣と魔法のファンタジーワールドには、どの星にも魔王がいる。
現役で暴れている魔王が存在するところもあるようだし、封印されているだけマシだな。
それに封印は数千年くらい解けていないから、俺たちが生きている間に解けることはない可能性も十分にあるだろう。
多分。
ファンタジーとは無縁の星にも、問題はあるようだし、生まれる星はダークジヨヤジレ星で良いか。
さて、夜になったし、温泉旅館に向かうか。
ちなみに、図書館の入場料は制限時間3日。
中にあった食堂で、食事をしたら制限時間1日かかった。
相変わらず、ちまちまと制限時間を削ってきやがる。
神や天使はセコい連中だな。
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