第3話 戦闘法を学ぼう
戦闘訓練所に着いた。
ものすごい広さだな。
どこまでも続いているのではないかと思えるほど、だだっ広い空間が目の前にある。
そこに射撃訓練用の的や、休憩用の椅子などが置いてある。
建物の中に、こんな場所があるなんて物理法則が、おかしくないかと思えるほどの広さだ。
まあ、神や天使が作ったものに、そんな理屈は通用しないのかもしれないけど。
おや?
俺の他にも何人かいるんだな。
彼らも戦闘のチュートリアルを受けているのか?
それとも訓練でもしているのかな?
ちょっと見物をしてみようか。
あ、都合良く、これから模擬戦をしようとしている、剣を持った中年男性の2人組がいる。
彼らの戦いを見せてもらおう。
ハァッ!?
な、なんだ、アレは!?
速い!!
ものすごく速い!!
すべての動作が人間とは思えない速さだ!?
あれ?
あっちにいる若い兄ちゃんは、空を飛んでいるのか!?
あんなの俺には無理だろ!?
いや、どんな人間にも無理だな。
ということは、ここだけに存在する、特殊な何かがあるということか。
あ、そこに何かが置いてある。
戦闘の説明書です。
ご自由にお読みください。
と看板に書かれている。
そして、その近くに本が山積みされている。
タブレットのような機械も置いてある。
って、また、このパターンなのか!?
また説明書を読ませて終わりなのかよ!?
指導員の1人もいないのかよ!?
仕事が雑じゃないか!?
しっかりやれよ、神や天使どもめ!!
ああ、もうツッコミ疲れたよ。
さっさと読んでしまおう。
これは!?
この世界だけで使える特殊な能力があるだと!?
制限時間を消費して身体能力を強化することができるのか!?
なるほどな、あの人たちは、これを使っているのか。
使い方は身体能力を強化したいと思うだけ!
誰でもできて、とっても簡単!
お買い得な商品です!!
と書いてある。
いや、商品じゃないだろ!?
くだらない冗談を入れなくて良いっての!!
神や天使どもは、何をやっているんだ!?
お笑い担当の神か天使でもいるっていうのか!?
もっとやることあるだろうが!!
おのれ、神と天使どもめ!!
続きを読むか。
他には、制限時間を消費して、体全体を覆う膜のようなもので防御することができる。
制限時間を消費して、所持品の能力を強化することができる。
制限時間を消費して、ビームのような遠距離攻撃ができる!?
制限時間を消費して、空を飛ぶことができる!?
と書いてある。
使い方は、どれも使いたいと思うだけで良いらしい。
これはすごい!
まるで魔法のようだ!!
なんて素晴らしい!!
ファンタジーの世界に来たみたいだ!
まあ、ここは死後の世界っぽいけどな。
いや、ちょっと待てよ。
こんなのが用意されてるということは、相応の敵がいるってことなのか?
そうかもしれない。
なんだか怖くなってきたのだが。
俺、ここでやっていけるのかな?
不安になってきた。
でも、今考えても仕方ないか。
とりあえず、続きを読もう。
制限時間を消費量は、身体能力強化が能力の数値を1上げるのに毎秒1秒消費するのか。
数値を10上げたかったら、毎秒、制限時間を10秒消費することになるのか。
消費量が気になるな。
他のは、防御能力は、毎秒、制限時間を1秒消費する。
強度を1段階上げるごとに、さらに毎秒、制限時間を1秒消費する。
所持品の能力強化は、身体能力強化と同じ。
ビームは制限時間の消費量が、多ければ多いほど威力を増す。
空を飛ぶのは、1秒飛ぶごとに毎秒、制限時間を10秒消費するのか。
ちなみに、端数は切り上げだそうだ。
敵からの攻撃を受けた時は、生前のように痛みが発生する。
疲労と肉体の損傷も同様に発生する。
制限時間を消費して、痛みを消すことができる。
制限時間を消費量は、毎秒、制限時間を1秒消費する。
身体能力強化と同じか。
制限時間を消費して、疲労や肉体の損傷を回復することができる。
消費量は疲労や肉体の損傷による。
重度であるほど消費量は多い。
生前なら死亡しているような怪我をした場合は、自動的に制限時間を使い、肉体を修復する。
疲労も怪我もあるのか。
ますます怖くなってきたのだが。
それにしても、制限時間を結構消費するんだな。
今の制限時間で足りるのだろうか?
おや?
あれは?
なぜか電卓が置いてある。
ご自由にお使いください、だそうだ。
ちょっと計算してみるか。
俺の制限時間は30日と3秒だ。
秒に直すと、1日が86400秒だから、2592003秒になるのか。
1分戦闘すると、どのくらい消費するのか考えてみるか。
時間経過で60秒の消費。
身体能力強化で身体能力の数値を20まで上げるとして、今の俺の数値は1しかないから、19段階強化したことになるのか。
1分戦闘だから1140秒の消費。
防御能力は5段階まで上げるとして、300秒の消費。
この戦闘だと、1500秒の消費となるわけだ。
俺の制限時間では、少ない気がするな。
敵はうじゃうじゃいるとか言ってたし。
もっと増やした方が良いのかな?
とりあえず、能力を使ってみてから考えるか。
ん?
説明書に、まだ何か書いてある。
この建物の中にいる間は、制限時間を消費しません。
お好きなだけ訓練してください。
だそうだ。
そうだったのか。
ここに関しては良心的な部分が多いな。
あれ?
ということは、最初にここに来た時も、急いで生まれる必要なんてなかったということか!?
それって、あの口の悪い天使の話術にまんまとだまされたということか!?
あの時のカウントダウンは意味のないものだったのかよ!!
おのれ、性悪天使め!
覚えてろよ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます