第4話

 家の中は、想像よりきれいだった。


 でも、廊下も部屋も階段も傷んでいる。


 …やっぱり誰もいない。


 それに…なぜか、よそよそしく感じる。


 視界が暗い。風も冷たく、空気が重い。


 キッチンを覗いてみた。


 シンクもコンロも錆びている。


 冷蔵庫には何も入っていない。


 食器は…風化しているようだ。


 …二階に私の部屋はあるだろうか。


 覗いてみよう。


 ギシギシきしむ階段をゆっくり上った。


 二階にネジが外れて傾いた看板のかかる部屋があった。


 私の部屋だ。看板には私の名前が書いてあるが、文字がかすれて読めない。


 ガチャ…


「ただいまー…」


 部屋のドアを開けると…


「…な、なにこれ!?」


 私は、その部屋を見て大きな声をあげてしまった。

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