白夢復活の代償

 器に穴が無くなり、魔力注いでいくとしっかり溜まっていくのが分かる。

 二割程溜まると表情が良くなり始め、四割までなるとゆっくりと目を開き、意識を取り戻した。


 「あれ?私・・・」

 「起きたか。体調はどう?」

 「え?なんで机に!?あっ、また倒れちゃったんだ。ごめんね。体は特に何も・・・無い?」


 白夢さんは机の上に乗せられている事に驚いたが、慣れなのかすぐに状況を把握し申し訳なさそうに誤った。そして言われたままに体を確認するも特に異常は無いようだった。


 「頭が、痛く、ない。体、が、軽、い」


 魔力が貯められる事により、今までと違う感覚になった事を理解し、途切れ途切れの言葉で現状を呟いていた。


 「ハルト私痛くない。どこも痛くないよ」

 「良かったな」


 五年の辛かった重石が無くなり、感極まった白夢さんは僕に抱き着き、笑顔でボロボロと泣き出してしまった。痛くない痛くないと、何度も言い幸せを噛み締めている。


 感動の物語を目にし、つられて泣きそうになり、目の上を弄って何とか堪えようとした。

 そんな僕を見た白夢さんは、グッシャグシャの顔で微笑んでくる。


 「何でハルトが泣いてるの?」

 「泣いてねぇし」


 我慢出来ず涙が流れてしまい、その事を言われて恥ずかしくなりぶっきらぼうに答え、白夢さんの顔を胸へ押し付けた。

 時間が経ち嗚咽が聞こえなくなり、鼻をすする音だけになった時、急に胸を何度もタップされて手を離した。


 「ハルト、気持ち悪い」

 「酷くね」


 言葉だけ聞き暴言を吐かれたのかと勘違いしたが、前傾姿勢で口を手で押えて嘔吐えづき、本当に気持ち悪そうにしていた。


 「ちょっとだけ待って」


 白夢さんの肩を抱いて誘導し、教室から外に出て排水溝に連れていった。そしてかがみ込む背中を摩ってやると嘔吐してしまった。


 僕はすかさず収納魔法からペットボトルの水を取り出し、蓋を開けて渡しうがいをさせ飲ませた。


 「汚い所見せてごめんね」

 「気にするな。しばらく気持ち悪いだろうからしっかり飲めよ」

 

 白夢さんの吐き気は魔力酔いと言うもので、他者の魔力に当てられたり、吸収した場合になる症状だ。


 白夢さんは今まで、自分の体で魔力が全く使われておらず、慣れていないのに全身に渡った為に吐き気に襲われているのだ。これはしばらくすれば自分の魔力に慣れ、治るので良い傾向にあると言える。

 

 しばらく様子を見ながら二人で居ると、今更感あるが美雪先生が園長先生とおばちゃん先生を連れて戻ってきた。


 「ハルト君!なんで廊下に?」

 「そんな事より園長先生は白夢さんの両親に帰宅の連絡。美雪先生とおばちゃんは布団と吐いても良いようにバケツとか準備して」


 先生達は突然僕から指示を受けたので、驚いて動けなくなっていたが、催促さいそくを入れる事で動き出した。

 だがおばちゃん先生だけは、準備ではなく白夢さんの元に近付いてくる。


 「この子を寝かせるんだろ。連れてくわ」

 「大丈夫。僕が連れていくから」


 おばちゃん先生は自分が抱っこすると言ったが断り、その代わりにもう一度準備をお願いすると受け入れてくれた。


 一応これで出来る事は布団に連れていくだけになり、慌ただしかった時間が終わりを迎えた。


 ゆっくりと立ち上がり、移動の為に白夢さんに手を貸そうとするが体が言う事を聞かなかった。

 足がふらつき立ちくらみがして、スっと目の前が真っ黒になっていく。

 そして僕はいつの間にか地面に倒れていた。

 耳からは夏希が僕を呼ぶ声が聞こえるような気がする。


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 今回の細かく区切る書き方と、そこそこ文を纏めた書き方どっちが見やすいですか?

教えて貰えると嬉しいです。



 二話 転生特典は「愛情」と「美食」でおねがいします 修正しました。気になる方は読んでみてください。大きく変更はしていません。


 コロ助での休載の為にしばらく注目作品にも乗らなく辛い状況です。

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