老夫婦
「まだ考えてるのか?そろそろ諦めろよ」
皆でケーキを食べた後仲良く雑談をし、十六時には解散となった。
もっと居てくれても良いのだが、まだ子供という事もあり安全と家族に心配をかけないよう明るいうちにとの事だ。
最近日が暮れる時間も早くなり、暗くなったなと実感するともう夜!?となるので少し早めの行動が望ましいと美雪先生に注意するように言われた。
まぁ僕や夏希を襲ったら返り討ちにするのだが、美雪先生とリアムは違うので明るいうちにに別れたのだ。
冬は本当に夜が早い。
「どうしても匂いが気になってね」
現在時刻は二十一時。夜ご飯も食べ終え個人的に決めた就寝時間には一時間半とまだ少し早い時間だ。疲れたので早く寝ても良いのだが、起きていたいしとどちらか決められず間で揺れていた。
一応もう少し起きていようと保留にし、横に座っているラウに声をかけた。
ラウは全員解散した後、ある程度時間が経つと思い出したかのように考え直し何度も繰り返している。
そこまでして思い出せないのなら、これ以上考えても無駄な気がするがどうしても気になるようだ。
「無理だって。諦めろよ。ほら適当に動画でも見よう」
「そうだね」
「何か見たいのあるか?」
「んー。特に無いかな。強いて言えば料理系かな」
適当にタブレットで料理と検索して下へ下へとスクロールし、気に入りそうな動画をチョイスして二人で見る。その動画はネズミーランドで女性が解説と爆食いしてみたといった物だった。
動画の配信者はアイドル並みに可愛いのに大食いで人気を博した人で、延々と大量の料理やデザートを食べて、その動画に後付けの解説を流す形式で、みるみる消える食べ物は爽快だった。
ただその動画を見ると段々と眠くなり、いつの間にかラウの肩に寄りかかって寝落ちしていた。
なんだかんだでラウも寝落ちし、ソファーで眠った二人をリンに起こされてベットに誘導された。けれど意外に眠気が消えており、対極にまだ眠たそうなリンは妖精サイズに小さくなってもらい、適当に作った簡易ベットに連れていき毛布をかけてあげた。
時計を見ると意識を手放した時間から、三十分程すぎており現在時刻は大体二十二時。寝付けそうにない僕は夜更かしが決定した。
ギンギンに目が冴えており元気な体を落ち着かせる為に、暖かいお茶を飲んで落ち着く事にしてキッチンに向かうと、やかんを持ったリンが立っていた。
「何か飲む?」
「んーココアが飲みたいかな」
「分かった。座って待ってて」
気が利くリンはココアを二つ作ってソファーまで運んでくれ、僕はありがとうと感謝を告げ二人でまったりとした時間を過ごす。
「この家はどうだ?」
「とても住み心地が良いわ」
「そりゃ良かった」
暑すぎなく飲みやすい温度に調節されたココアは、体にスッと染み渡り内側から温められるのを感じる。
二人でゆっくりココアを飲み無言の数分間が流れていく。その数分間は微妙な空気で何を話して良いのか分からず居心地の悪い空間になっているのではなく、老夫婦のような長い間を連れ添い分かり合っていてような感じに近い。
「なぁリン」
「何だいじいさん」
「まだ五歳だわ」
「二十年以上一緒に居るやつが何を言う」
「それもそうだな」
「それで何だいじいさん」
軽く言われた冗談で本当に年寄りだと実感させられた僕は、心に軽いショックを受けつつ話しを続けた。
「よくお父さんとお母さんに頭を下げたね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
老夫婦の分かり合ってる感良いですよね。
縁側でお茶を嗜みたいです。
ついでにお菓子も食べたいなw
コロ助での休載の為にしばらく注目作品にも乗らなく辛い状況です。
励みにもなりますので、全力でフォローや☆にレビューお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます