私を貰ってくれるんじゃなかったの?
お父さんは美魔女にメロメロで、全てに許可を出してしまう魔法にかけられていた。
「母さんが言うならしかたないな。
お母さんのおかげで僕達パーティーは、難なく全員で暮らせるようになった。
代償として散々親のイチャイチャを見させられ、精神へダメージを受けしまったが、これからの楽しい生活に比べれば何の事はない。
これで無の勇者から、世界を救う依頼の後処理を終えてしばらくの間、ゆっくりとした平和な日常を過ごせるようになった。
次の依頼まではダラダラと買い溜めたお土産を漁り無の勇者を待とう。
何しようかな?家から二週間離れただけで、いつも何をしていたのか上手く思い出せない。
僕は懐かしい記憶を掘り起こすと、起きて幼稚園行って適当に散歩兼戦闘練習。その後ダラダラと動画や漫画を読んで、おやつにご飯を食べて寝る。
うん、何もしてないな。目標を持ち続けるのは良い事だが疲れるからな。たまに何も考えないで英気を養うのも悪くない。僕の場合はいつもだがね。
まぁ今は一つだけやる事がある。
とりあえずケーキを食べよう。
せっかくの出来たてケーキが、時間が経ち出来たてなのかよく分からなくなってしまった。
やっとのケーキでテンションを上げルンルンでリビングに戻ると、表情を全く変えず目が据わり続けている夏希の姿が見える。
「もう終わり?」
「怖!?」
怖すぎる夏希の横には、フォークを握り机に立て不機嫌なミサトと、既にリアムはケーキを食べ終わりが僕に笑って二皿目を要求している。
「終わったのでゆっくりお食べ下さい」
待てがしっかり出来たガールズ達は、不細工な顔からパッと花が開き、ケーキをフォークを刺して口に運ぶ。
ぱくりと食しゆっくり味わうと、夏希とミサトはほっぺたに手を置き、至福と言わんばりに開いた花を周りに撒き散らしている。
「美味しい?」
「「美味しい!!」」
「良かった良かった」
僕はお気に入りになったケーキが喜ばれて嬉しく、そうだろうそうだろうと心の中で言い頷く。
その横で優雅に紅茶を飲む愛しいお姉様が僕を見ていた。
「どうしたの?」
「二人が可愛くてね。仕事外で子供と関わる事なんて無いから、のびのびした二人を見ると保護者の気分になっちゃって」
確かに幼稚園では園児が心を許したとしても、家ではないのでリラックスして心から楽しめる事は少ない。小さくても多少は警戒心があり、本当の姿はさらけ出せないからだ。
「なるほど。ん?二人って僕は?」
唐突に男の子二人は子供じゃないと突きつけられ、美雪先生の子供だったらなと想像し残念な気持ちになる。
「ハルト君はね、見た目は子供だけど仕草とか頼りがいがある所とかがお父さんって感じかな」
それなら僕は子供よりお父さんの方が嬉しいかな。美雪先生が誰かに取られたなんて悲しいから旦那さんとしてならだけど。
「お父さんかー。ちゃんとお父さんになれるかな?」
ふと前世で育てて父親になろうと頑張った弟子事を考え、次はしっかり誇れるようになろうという意味で口から出たのだが、美雪先生は違う意味で捉えた。
「あれ?私を貰ってくれるじゃなかったの?」
美雪先生は約一ヶ月前に交わした、僕との効力の全く無いおままごとの約束をしっかりと覚えていたのだ。
少しだけ嬉しかった。本当に僕の事を好きなのではないかと勘違いする程に。
「そんな事もあったね。随分前に感じるよ」
「忘れてたんだ。ひどーい」
僕は冗談を含んだ美雪先生の返しに乗り、実際に結婚の約束をした体で話を進める。
「忘れるもんですか。毎日大きくなるまで美雪先生へ僕はずっと一人で居ろって願ってますよ」
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