実は夜ご飯ウニしゃぶです
「そう、なんだ。ありがとう」
夏希に喜んでもらえると思っていたのだが、確かに微笑んでいるが少し考える様子を含んでおり、心からの嬉しそうではなかった無かった。
「あまり嬉しく無かった?他のに変えようか?」
「だ、大丈夫。このままで大丈夫だから。ただちょっと早いかなって」
「早い?」
言われた意味は良く分からないが、あまり喜んでもらえなくて残念だ。弟子にあげた時は、泣きそうな程喜んで一生大事にしますと言ってくれたんだがな。
女性と言えど皆同じじゃないという訳か。
「あの、ね、こういうのはもっと仲良く・・・」
「夏希お姉ちゃんごめんなさい」
モジモジとして何かを言っていた夏希だが、ミサトの
「え?何て?」
「夏希お・ね・え・ちゃ・ん、ごめんなさい」
ミサトは自分で怪我をさせてしまった事に罪悪感を覚えているのに、僕達が長々と話し込むから謝れずにいたのだろう。
ごめんな気付いてやれなくて。ダメなお兄ちゃんだ。
ミサトは夏希に復唱させられ、お姉ちゃんの部分を強調すると顔がふわっと明るくなった。
「大丈夫よ!このくらいお姉ちゃん!には問題ないわ。ただ次は気を付けるのよ」
「うん!ありがとう!お姉ちゃん大好き!」
これはミサトの性格からして、夏希がお姉ちゃんと呼ばれ喜ぶと理解してわざとやってるな。末恐ろしい子だ。
夏希は掌で転がされてるが、満面の笑みでミサトを抱きしめてるので問題は無さそうだ。
笑顔になってくれて良かったよ。 指輪より妹だよね。
「ミサトは気を付けるように。夏希じゃなかったら大惨事だからね」
「ごめんね。ミサトお姉ちゃん」
「良いのよ、何たってお姉ちゃんなんだから!ハルトミサトをいじめないの!」
「はいはい。すまんすまん」
夏希は頭から鼻が折れた事なんて忘れて、ミサトを可愛がるしか脳が無いようだ。
一応が鼻折れるって大事件だと思うんだけどな。
やっと一段落した所で、僕は忘れ去られている垂れた鼻血をクリーンで綺麗にした。
クリーンを使うついでに、美雪先生の太ももに手を入れてサラッとセクハラをし軽視の視線を浴びたが、少し空気が温もっていてやらしい気分にさせてもらったのでプラスだ。
美雪先生からの熱い視線を僕は無視し、次やる事を決めて座ってるソファーから降りて立ち上がる。
「良し!皆でケーキ食べようか」
その一言で子供達から歓声を浴びた僕は、キッチンに向かい収納魔法から北海道の出来たてショートケーキを二つ出し、六等分にしてお皿に盛り付ける。
「ハルトこんなの買ってきてたの?」
お母さんは準備する僕を横から驚きつつ覗いていた。
ちょうど良いなと思い距離の近いお母さんにだけ聞こえるように、今日僕が作ろうとしているお土産を使った夜ご飯を教える。
「今日の夜ご飯はウニしゃぶするからね」
「本当に!?私食べた事ないよ。それよりお金大丈夫なの?お母さんは出そうか」
お母さんは名前から超絶高級そうな夜ご飯を知り、驚きから心配になって小さな声で材料費を出そうとしてきた。
まぁ材料費高すぎて、財布に入っている程度じゃ払い切れないんだけどね。この家そこそこお金あるけど、贅沢せず一般と生活が変わらないから多くて一万円。可愛い馬ちゃんにお願いしないといけないね。逆に無くなるだろうけど。
「大丈夫。後で話すけど二週間の報酬みたいな物だから安心して。借金もしてないから」
「良かった。泥棒はしないと分かってるけど、食べ物に目が無いからずっと一緒だったオセロさんにお金借りたのかと思ったわ」
え、お母さん?少しは僕を信頼しても良いんじゃない?そこまで食いしん坊に見えないでしょ。
僕は過去の行いを振り返って見ると、未来の食べ物の為にダンジョン旅。たまたまだがアクセサリーを作って社長とホテルのケーキ。好きなタイミングでおねだりしたいから、お兄ちゃんをダンジョンで戦闘教育。
うん。信頼出来る要素一つも無いな。
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