言質取ったから
「ミサト起きなさい!寝すぎよ!」
お母さんは二度寝をしたミサトを見ると、長時間眠っていたのか遠くから注意した。
「ヤダ
反抗するミサトは僕を抱きしめる力が強くなり、断固とした決意を感じる。
ミサトは抱き着きぐせがあるのか、良く抱き着いてくる。
夜寝ている時もいつの間にかミサトが僕を抱き枕にしているのが日常だ。
そのせいで夜中トイレを行くのも、起こさないように気を使うので大変で寝る前は水分を控えている。
「ミサト。お母さんの言う事を聞きなさい。夜眠れなくなるよ」
僕も優しく注意したのだが、眠たいミサトは顔を超近距離で頬を膨らましてムーと言い子供らしく怒っていた。
ミサトの怒ってる顔は可愛い。だが反抗期なのか聞き分はあまり良くない。
「良いもん。本読んどくから」
これはいつも僕に迷惑をかける悪質な行い。
ミサトは眠れない時、寝ている僕を叩き起して本を読そうとしてくるのだ。
何度もダメと注意してもつぶらな瞳でお願いされると断れず、ミサトが寝落ちするまで解放されない。
そしてやっと眠ったミサトを抱っこしてベッドに運ぶのが一連の流れになる。
おかげで寝不足の僕を心配した幼稚園の先生達は、会議室に専用のお布団を準備してれたのだ。これには感謝しかない。
だが現状に甘んじ、この僕が何度も攻撃を受けミサトにやられっぱな訳がなく、今考えておいた秘策を解放するのだ。
「あー。ケーキ持ってきたんだけど悪い子にはあげられないなー」
そう!ミサトも僕と同じで美味しい物が大好きなのだ。特に砂糖がたっぷりなデザートが。
「ケーキあるの!?食べる!」
「それじゃあ良い子にする?」
「ちゃんと起きる!良い子にする!」
「ミサトは偉いな。良い子のミサトにはケーキをプレゼントしよう」
「やったー!お兄ちゃん大好き!」
最後に頭を撫でてやるとチェックメイト。これで僕の睡眠時間は確保された。
ケーキを確保し頭を撫でられて大喜びのミサトは、ソファーの上で足をバタバタと全身で感情を表現していた。
するとミサト足元からゴリっと嫌な音が家全体に響く。
恐る恐る見てみるとミサトの足が、美雪先生の膝枕で眠っていた夏希の鼻に当たっていたのだ。
夏希は咄嗟に鼻を手で押え、これ以上に鼻血が出ないように体勢を横向きから仰向けに変える。顔は鼻血で赤くなり美雪先生の太ももにも垂れていた。
「夏希大丈夫!?」
僕は痛々しく女の子にとって大事件の現場を確認し、急いでヒールを使い傷を治そうとすると夏希は大丈夫だからと自分のヒールで治療した。
夏希の手からは魔力が
涙目で起き上がった夏希は、垂れた鼻血をティッシュを取り拭こうとするが、代わりに僕が生活魔法のクリーンを使う。
クリーンは夏希の大人でも惚れしまいそうな顔から血の跡を消し、僕は赤く染っていた鼻の下にある人中から頬にかけて拭うように触れた。
「ヒール上手に使えるようになったね」
僕がヒールについて感想を言うと夏希は少し強めに返事をする。
「あたり前よ。どんだけハルトに使ったと思ってるの」
夏希は少し照れくさそうに横を向いて、一応怒っているパフォーマンスをするが、その顔に怒ってい様子全く無かった。
だから僕は言葉を砕いて合わせた謝り方をする。
「ごめんごめん。何でもするから許して」
僕がそういうと、夏希は待ってましたと言わんばかりにテンションを上げた。
「何でもするって言ったからね。
この為の演技だったのかと思ったが、僕に全責任があるので何も言える立場ではない。
心配はしていない。夏希はなんだかんだ優しいので、無理な要求をしないだろうと分かっているからだ。
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