愛しの妹ミサトちゃん

 「美雪先生!お母さんが毎日来ても良いよって!」


 僕は夏希を膝枕して動けない美雪先生に、純粋無垢な少年なので背後からギューっと抱きしめた。

 ふとそこで一つの可能性を導き出してしまう。


 「美雪先生って彼氏とか一緒に暮らしてる人居る?」


 これだけの美人さんだ。彼氏が数人居ても何らおかしくない。もう彼氏や友人から沢山愛情を貰って過去とは決別してたりとかもありえる。

 もしかして僕の考えは無駄だったのか?


 「私のずっと彼氏居ないし一人で暮らしてるよ」


 一応奇跡的に彼氏も同棲してる人も居ないみたいだ。これで僕の場所も確保しつつ、美雪先生を家族甘やかし計画を実行できるな。


 「良かったー」

 「あれ?私の事好きになっちゃった?


 抱きついて横にある小さな顔がそっと近付き、つやつやモッチりの頬が僕の頬と重なる。

 そして脳を震わせる甘ったるい声が僕の耳の傍で小さく聞こえた。

 咄嗟とっさに大きな声を上げそうになったが、そんな事をしたら美雪先生の鼓膜が大事件になるので、出てきかけた言葉を飲み込み耳元でささやき返した。


 「そんなんじゃないけど・・・」

 「んっ!」

 

 すると美雪先生は僕の吐息がかかったのか、ビクッと体が震え女性専用の艶っぽい声を漏らした。

 漏れ出た声は、前世で感じる事のなかった体の奥から込み上げるおかしな熱を感じる。

 心臓が高鳴りその現象が気になった僕は、美雪先生の耳を少しだけ口に入れて痛くないように唇で挟んだ。


 「あっ」


 口を手で抑え、周りに聞こえないように沈める美雪先生は顔を真っ赤にして体を震わせていた。

 

 「はーるーとー君」


 横を向き恥ずかしさと怒りに複雑な感情の混ざった表情で、じーとっと見つめられた僕はまた熱の高まりを感じる。

 そして美雪先生の耳はどんな味がするのだろうと気になってしまう。

 さすがに今やってしまうと怒られそうなのでやらないが、いつかタイミングがあれば狙おうかな。


 「こっち来て」


 美雪先生はポンポンと座っているソファーの横を叩き僕に着席を求めてくる。

 やり過ぎたかと思い少し反省し着席すると、耳元でポソッと甘美な声が響く。


 「ハルト君ってエッチなんだね」


 僕は体の芯から熱の高まりどころか百度を超えそうな程の熱が溢れ、今にも鼻血が出そうだった。

 一発KOされ正常の脳の回転をしていない所へ、更に追い討ちがかけられる。


 「二人だけの時ならやっても良いよ」

 

 何をですか?と問いただそうと思ったが、これを言うのはよろしくない気がするので黙って美雪先生の肩に埋もれる事にした。

 やばいな可愛いすぎる。


 「毎日は厳しいけど時々お家に来るね」

 「うん。皆待ってるから」


 僕に美雪先生との幸せな時間が流れ全力でたしなんでいると、隣の部屋の扉が開きお昼寝を終え寝ぼけた顔で張り付いた目を擦る美少女が、フラフラとキッチンに向かって歩き出した。


 「ミサトおはよう」

 「おはよう。ん?お兄ちゃん?」


 我が家の癒し担当の末っ子お姫様は、声をかけられ張り付いた目を何とか開けて、細く見えてるのか分からない状態の目で僕の見ると、ぎらりと目が全開になり僕へ駆け込んで来た。


 「お兄ちゃんおかえり」

 「ただいまミサト」


 久しぶりの挨拶をして落ち着いたミサトは僕の太ももに乗り、コアラのように足まで絡ませて抱き付き少し話すと二度寝を初めてしまった。

 可愛いなと思い頭を撫でてやると、嬉しそうに寝言を呟き僕の存在が浄化されるの感じる。

 どんな人間でも、ミサトの姿を見たら顔がふやけてしまうのは必然だ。


 「ハルト君はちゃんとお兄ちゃんしてるんだね」

 「そりゃお兄ちゃんですから」


 一人しか居ない大事な妹だ。

 実質妹みたいな友達は居るが、初めて出来たら年下の家族を可愛がらないお兄ちゃんなんていませんよ。

 今ならお兄ちゃんが僕達を溺愛している理由が身に染みて分かる。

 

 

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 コロ助での休載の為にしばらく注目作品にも乗らない状況です。

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