出来たてケーキホールで五つ
僕は口の中が甘くなりきった所を、お茶で一度リフレッシュさせ二つ目ケーキを食べ始めた。
「美味しそうに食べてもらえて嬉しいよ。このケーキは娘とその旦那が作っててね。ここから歩いて数分の所にあるケーキ屋さんの看板商品なんだよ。後で
このケーキは娘夫婦が作ってるから、おじさんからしたら実質孫みたいものだ。
つまり暖かい視線は僕にじゃなくケーキに向けられていて、親戚と言っていたフリーズお姉さんもニコニコだったのもそういう訳か。
自分の事だと勘違いして恥ずかしいな・・・
それよりも僕の周りには、オセロさんに社長と甘党なイケおじが多い気がする。
社長は甘党な訳ではなく、美味しいものが大好きで甘味も含むって感じだが同じようなものだろう。
甘党イケおじってギャップがあって良いよね!
「オセロさんにダンジョン攻略した後連れて行ってもらいます!」
「そうしてくれ。娘も喜ぶよ」
結局二つ目もすぐ食べ終わってしまい、三つ目も勧められたがこれ以上は糖分過多で苦しいので遠慮した。
甘い物って食べすぎると気持ち悪くなってくるよね。
もう十分くらいはクリーム食べたくないな。
「ハルト君は本当に一人でダンジョンに行くのかい?」
一息ついた所でおじさんは真面目な表情になったので、僕もしっかりと大人モードに切り替えダンジョンの話をする。
「はい。一応この見た目でも、東京ダンジョンのゴブリンキングをやったのは僕なんで。それに僕には心強い仲間居ます」
頭の上にいるフェストとリン、ポケットからラウの三人に机の上に出てもらい、おじさんになるべく心配させないよう紹介した。
「ハルト君が凄いのは皆知ってるよ。でもねまだ小学生ですらないだろう。そんな子をダンジョンに一人で行かせるなんて心苦しくてね。考え直してくれないかい?誰も世界の英雄に死んで欲しくないんだよ。もし行かないと言ってくれるならさっきのケーキ、ホールで三つ買ってあげるよ」
なんだと!?
今はまだ食べたくないが、収納魔法に入れれば時間経過なく好きなタイミングで出来たてを食べれる!
三ホールもあったら、家族と美雪先生に夏希と皆で好きなだけパーティーが出来る!
なんて魅惑的な提案なんだ!
「分かり・・・いえ僕は全冒険者が安全にダンジョンライフを続けれるように攻略しないといけないのです。だから出来たて五ホールじゃ僕の決意は揺らぎません。それに攻略してから買いに行きます」
「出来たてホールで五つなんて言ってないけど・・・分かった。無事に帰れたら出来たてホール五つプレゼントしよう!」
おじさんは僕の前で電話し、しっかりと出来たてホールを五つ注文してくれた。
「ありがとうおじさん!すぐ攻略してくるから待ってて!」
大喜びの僕はその場で厚木していた服を脱ぎ、偽マジックバックに入れ
「そんなに急がなくても良いのに」
「まぁハルトなら大丈夫だと思うぞ」
「余裕だな」
「もちろん。嘘一つ無かったからな、いやケーキじゃ決意は揺らがないは嘘だったな」
「そうなのか。それはお前と似て相当な甘党だな」
「ハルトは甘党じゃなくて、美味い食べ物だったらなんでも良いんだよ」
おじさん達はハルトの事を気にせず、ミニ同窓会を開催し楽しそうに大笑いしていた。
「剣良し!カメラのセット良し!スピードアップの付与良し!」
僕はリンに剣になってもらい、フェストは定位置から降ろし並走するので地面へ。
ラウも浮いて並走出来るが、今回はタイムアタックで僕の方が走力ある為、いつも通りポケットに入っててもらい、カメラを飛ばして準備を完了させた。
「じゃあ皆行くか!」
万全の状態でダンジョンの中へ入ると、そこは真白く雪一面覆われていた。
「綺麗!」
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