オセロさんの知り合い

 僕はクソ金髪お漏らしのせいで体が冷えきってしまい、凍えそうなのでオセロさんの手を引っ張り仮設事務所プレハブに入り、暖を取る事に決め室内に入った。


 「おはようございます!ダンジョンこうりゃくにきました!」


 挨拶は大事なので、そこそこ大きい声でゆっくりと舌っ足らずの子供らしい話し方を使い頭を下げる。

 無いと思うが問題児扱いされて計画が無くならないよう、どの場所でも好印象になりやすい子供らしさを使ったのだ。

 

 「あら?僕どうしたの?パパと見学に来たの?ここは危ないから子供はダンジョンの中に入れないのよ」

 

 入ってすぐ対応してくれたのは、若いお姉さんで事務作業中の手を止め、膝を地面に付け目線を合わせて話してくれた。

 ダンジョンのブースで仕事している女性は、男が主の冒険者を集める為に、若く綺麗人を使う事が多い。

 だがここは全体的にレベルが高く、数人の女性達が見えるが全員メディアでちやほやされそうな見た目をしている。

 やはり北海道は美人が多いと言われるが、噂ではなく本当なのだろうか?


 まぁ僕は、見た目よりも性格が良い人が好きかな。

 美雪先生とか美雪先生とか美雪先生とかね。

 ん?一人しか居ないじゃないかって?

 だって可愛いし面倒見良いし、特におでこにめってする時が好きなんです。

 あざといって?ダメなんですか?

 あざと可愛いと、歌うグループあるじゃないですか。

 お前そろそろ怒られろって?

 もうバンされても、今更自分を変えられないんですよ!

 閑話休題。

 あと何回この言葉に頼るのだろうか。誰が数えといてね。


 「パパダンジョン入ったらダメなの?」


 僕はわざとらしく、オセロさんの袖を掴み泣いたふりをしてイタズラをした。


 「ハルトダメなんだって。ごめんな私の力不足で」


 まさかのオセロさんがイタズラに乗ってくるだと!?オセロさんがツッコミを入れなければ誰が止めるの?

 

 「泣かないで!お菓子あげるからね!ここの中なら居ても良いから。ねっね!」


 僕よりもお姉さんの方が泣きそうになってるいるので、そろそろネタばらししたいのだが誰ツッコミ入れてくれないかな?


 「オセロさん!?申し訳ありません。うちの子の対応が悪くて」


 五十歳くらいのおじさんが奥から顔を出し僕達を確認すると、よたつき怪我をしそうになりながら駆けつけ謝罪して頭を下げた。

 

 「どういう事!?」


 お姉さんは状況が分からないまま、おじさんに頭を掴まれ一緒に何度も下げさせられていた。

 それを見たオセロさんは二人に顔を上げさせ、いつものキリッとした渋い顔じゃなくニンマリと笑っていた。

 

 「それくらいにしてやれ。気にしてないから。俺達の仲だろ」


 オセロさんはおじさんに親と子ぐらいの年の差があるが、知り合いなのかフランクに話しかけ二人共ニコニコしていて仲が良さそうだった。


 「すまんなこいつは親戚の子でな。バカしたが許してくれ」

 「気にしてないって言っただろ。昔から変わらず硬いな」

 「お前も見た目だけは昔から変わってないな。変わったのは立場くらいか?」

 「そうだな。俺を置いて老けた代わりに偉くなったぞ」


 僕とお姉さんは、横で盛り上がり楽しそうな二人に置いてきぼりにされたまま放置されていた。


 「おじさんの知り合い?」


 お姉さんは、とうとう謎の雰囲気に耐えられなくなりおじさんに質問すると、ものすごい剣幕で怒られていた。


 「昨日あれ程言っただろうが!子供を連れた偉い人が来るって!話して聞いてなかったのか!」

 「なんで怒るのー!聞いてたよー。上司でおじさんの中学からの同級生が子供を連れて来るって話しでしょ。ほら!ちゃんと覚えてるじゃん」

 「本人の前で対応出来ないと意味が無いだろ!この人が同級生の水戸 雄朱路おすろ。ダンジョン部東京ダンジョン課の課長で、来年からはダンジョン部の部長だ!あれ程粗相の無いように全体に説明しのに。この馬鹿たれが!」

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