オセロさんはいつでもオセロさん

 今回は丁寧にお手本を見せて戦い進むのではなく、タイムアタック形式にしテロップや声を後撮りで入れ解説する方法にしよう。

 出来る事はなるべく時短だ。

 

 なんだかんだ最終確認し、進み方を決めていると朝風呂一時間に、リンとの話で四十五分最終確認に十五分で、細かなズレはあるがだいたい二時間経ち起床時間の九時となった。


 ベットにあるデジタル時計が九時に切り替わると、寝起きに一番聞きたくない不快なスマホのアラームがジリジリと鳴り響く。

 オセロさんは露天風呂でリンが飛び込み、部屋に戻ると僕が泣いたり皆で話し合いをしたりとかなりうるさかったはずだが、一度も起きず今まで熟睡出来たなんて羨ましい。

 僕は今から眠たいよ。


 熟睡オセロさんはうるさいアラームを即座に止め寝ぼける事なく、まるで起きてたかのような速さで起床し立ち上がった。

 オセロさんは起きた瞬間オセロさんで、キビキビと行動し十五分で身なりを整え、ホテルの朝食を食べていた。

 起床して十五分で朝食なんて凄すぎる。

 僕もダンジョン中でゆっくり出来ない為に、起きてそのまま携帯食料を食べたりするが日常ではそんな事をしたくない。

 早起きしてなければ、僕も同じ目にあっていたと思うとゾッとするよ。


 朝食後チェックアウトしホテルから出ると、多くのタクシーが並んでおり、適当に近くのタクシーに乗り込みダンジョンへ向かった。

 しばらく車内で揺られ到着すると、入口にほとんど人が居らずかなり静かで寒さもあり、何となくダンジョン自体が冷たく感じた。


 ダンジョンの見た目は階層が東京ダンジョンに比べ、半分くらいしか無いので高くないがそれ以外は全く同じだ。

 だが受付等のブースが全く違い、防寒対策なのか工事現場等にある仮設事務所プレハブになっていた。

 

 支払いを済ませタクシーから降りると、オセロさんはスタスタと迷う事無く沢山ある全く同じ仮設事務所プレハブの中から一つを選び向かっていく。

 後ろを着いていくと、ちゃんと仮設事務所プレハブには受付と書いてあった。

 オセロさんすご!


 僕達は裏側にある関係者入口から入るらしく、扉を開けようとすると一人の男性に声をかけられた。


 「さーせーん。そこ関係者入口なんで子連れのおっさんが来る所じゃないっすよ」


 男性は髪が微妙に長く、金髪にピアスで奇抜な格好をしておりダンジョン協会関係者が付ける腕章を付けていた。


 「君なんて格好してるだ?仕事する服装じゃないだろう」


 オセロさんはごく普通の事を金髪に言ったのだが、帰ってきた言葉は見た目通りまともな答えでは無かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る