溺愛先生と何度も泣いた弟子
僕は皆に全部話すと約束した。
前世の全てを話すと時間がいくらあっても足りないので、今回は僕が泣いてしまった原因の魔王との戦いだけに絞って時間をかけて少しずつ話していく事になった。
「そのハルトの弟子って酷くない?ずっと育ててたのに最後裏切ったんでしょ。よく今まで我慢してたわよ」
ラウは話しを聞くと僕の代わりに不機嫌になっていた。
娘のように愛した可愛い弟子を怒れないから代わりに怒ってくれているのだろう。
出会って一日の僕の為に怒れるなんてラウは優しい子だ。
僕の中には今でも弟子の事を信じ、裏切られたのに嫌いになれない自分が居る。
あんな優しかった子が、誰かを傷付けるなんて考えられない。
本当は裏切られたと信じれないだけなのかもしれない。
それだけ大事に育てたのだ。
僕は親バカなのだろうか?
「怒ってくれてありがとう。でも大丈夫だからそんなに怒らないで。あんな子に育てた覚えはないから、きっと裏で何かあったのだと思うんだ」
するとラウは、眉をしかめやってしまったとゆうような表情になり僕へ謝った。
「そうよね。ごめん言い過ぎた。あなたの娘のみたいなものだもんね」
「気にしないで。傍から見たら変だもんな。でもうちの子は優しくて強くて困っている人がいたら絶対に助けようとする良い子なんだよ。だからずっと信じる事にするよ」
裏切られたと言ったばかりなのに、弟子兼娘の自慢話がつい始まってしまい、前世から何度も聞かせ倒しているリンは呆れていた。
「本当にあの子の事好きよね。裏切られてもそこまで思えるのは相当よ」
「僕おかしいよな」
リンは首を横に振り、そんな事ないと否定し僕の考えを肯定してくれた。
「それだけ大事に育てたって事でしょ。信じたくなるのも分かるわ。実際にあの子を拾ってから笑顔が増えた気がするし。ベタ惚れだったじゃない。悪い子に育つと思えないわ」
リンに昔からそんなふうに思われていたなんて知らなかった。
確かに今思うと弟子の事になると周りを忘れて自慢していた気がする。いや多分弟子自慢しすぎて色んな人に引かれてるだろうな。
時間差とかでは無く転生後に恥ずかしくなるなんて思いもしないかった。
もしかして、自慢しまくりプライバシーの欠片もなかったせいで裏切られたのか!?
有り得なくはない。正解かもしれないな。
「それにあの子はあなたが死んでから、何度も私の所へ尋ねて来ていたし事情があったのでしょう」
「どうゆう事だ!?」
「そのままの意味。あの子は私の所に来て、自分のせいで先生が死んだと何度も泣いていたのよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます