最強の兄は昼ドラおままごとの撮影をする

 今日はハルトと同学年の幼稚園生達のダンジョン遠足で、カメラマンとして同行していた。


 遅刻しそうになったが何とか間に合い、先生方と軽く挨拶をしカメラを回し始めた。

 着いてきてしまったフェストはテイムしている事を伝え、安全の為に連れてきたと理由を付けて見逃してもらった。


 ダンジョンの取り仕切る、偉い人からのお話があるらしく子供達は列を作り待機していたので、カメラへ向かって手を振ってもらい満遍なく写して、喜んでもらえるような撮影をしていた。

 

 子供達が先生に静かにするように言われ、小走りでやってきた挨拶をする人は、昨日のダンジョンでお世話になったスーツのオセロさんだった。

 オセロさんの話が終わり、小休憩を取りいよいよダンジョンへ入る事になった。


 最初は皆で並んで入り、モンスターの紹介やダンジョンの次の階層に行ってはいけない等、動きながら話しを聞き自由行動になった。


 しばらくして話し中に、数人の男の子達がダンジョンの階段を登ったと連絡があり、ハルトのお気に入りの美雪先生達が探しに行ったとの事だった。

 幸いな事に、探しに行ったメンバーの中にハルトもいるらしく、何も無いだろうと安心して撮影を続けた。

 

 子供達は楽しそうに走り回り、スライムや動物の見た目をしたモンスターを眺めたりしていた。

 男の子は飽きて、先生方が持ってきた縄跳びやボール遊び等をしていた。

 ダンジョンは広く、幼稚園内では出来ない大鬼ごっこを始め滝のように汗をかいている子供達もいる。

 そんな子達は多少並走したり、隠れている子とお話をして撮影した。


 女の子はおままごと等、いつも通りの遊びをしている子が多かった。

 途中ドラマの撮影するおままごとに付き合わされ、カメラマン役で演技を始めた。


 「どうして離婚するなんて言うの!」

 「他に子供が出来たんだ」

 「嘘よ!嘘って言って!」

 「本当だ。もう君の事を愛していないんだ。僕は今の彼女と生きていくから離婚しくれ。金なら払うからいいだろ」

 「子供の事はどうするの」

 「金は出すと言ってるだろ!」


 幼稚園生のおままごととは思えない、ドロドロの昼ドラを女の子達は繰り広げていた。

 あまり保護者に見せる物では無いと判断し、スっとフェイドアウトし、違う子をカメラで追う事にした。

 うろちょろ撮らせてもらい、まだあまり写ってない子供を見つけたのでカメラを向けに行った。


 その子は木の影にレジャーシートを敷いて、先生とお菓子を食べならが紅茶でティーパーティーをしていた。

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