第39話 答えは決まったと思っていた2

「……おめでとう」

蛍ちゃんは私の肩に頭を乗せてお祝いの言葉をくれた。

「ありがとう」

「ケーキ今から食べよ」

「うん。そうしよう」


蛍ちゃんがプレゼントに何か買ってくれるって言うから、コンビニのケーキを買ってもらって冷蔵庫に入れてある。

一階に行き一緒にケーキを食べることにした。



◇◇



いつもはさすがにこの時間にケーキは食べないけど今日は特別だと思った。

誕生日苦手だって自分で言いながら、しっかりお祝いしてもらっちゃったなぁ……って少しだけ申し訳なさもある。

でも蛍ちゃんと過ごせて素直に嬉しかった。



食器を片付けて歯磨きして

明日はライブだしさすがにそろそろ寝ようってそれぞれの部屋に分かれて帰ってきた。



携帯を見れば、本当にありがたいことにクラスの友達から何人かメッセージが届いていた。

それとリリアちゃんのブログの更新の通知もあった。

夜中だからもしかしたら更新はないかもしれないと思っていたけれど、そんなことはなかった。


『リリアちゃん、お誕生日おめでとう!これからも応援しています。今日のライブ楽しみです。』

おかしいところがないか読み返してからブログにコメントをした。

それから友達への返信もした。


気がつけばすごく充実してもう一日終わってもいいくらいの気持ちだったけど。

本番は夕方からのライブだから。

リリアちゃんがみんなに誕生日のお祝いをしてもらうところを見るのも、自分が参加できるのも、すごく楽しみで仕方がなかった。



ほんとにもうそろそろ寝ようと電気を消そうと思っていたら

今度はノックがあってから蛍ちゃんが扉を開けた。


「あ、起きてた」

「起きてるよー。さすがにそろそろ寝るけど」


「これあげる」

蛍ちゃんはリボンでラッピングされた袋を私に差し出してくれた。


「えっ!?くれるの?ありがとう!なになに?」

「小さいのしか買えなかったしあとで見て。おやすみ」


蛍ちゃんはすぐに自分の部屋に行ってしまった。

「ありがとう……!おやすみ」


見えなくなった蛍ちゃんに声をかけて扉を閉めてから

もらったばかりのプレゼントの封を開けた。


手のひらくらいのサイズの猫のキャラクターのぬいぐるみが『HAPPY BIRTHDAY』の札を持っていた。


蛍ちゃんが好きだって言っていた猫のキャラクター。

この前一緒に買い物に行った時もグッズのお店に行きたいって言っていた……、

あれ?もしかしてあの時買ってくれたのかな?

分からないけど嬉しくて胸が熱くなる。

絶対大切にしようって机の目立つところにぬいぐるみを飾って、それから電気を消した。

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