4-②

 !オレたちの行動が読まれている!

 そう感じたオレは左手の拳銃をしっかりと握り直し、右手のスマホでいつでも仲間への合図が出来る状態を作る。


 すると、その様子を見て、さらに探偵は手を拳銃の形にかえ、オレに突きつけながら、静かな声でこう言った。

「これでわかってもらえますよね?」


 まさか…ここまでとは…


 オレがあまりの驚きに呆然としていると、さらにヤツは俺の肩を叩き、こう言い放った。

「残念ながら、どう言い繕ってもお見通しですよ。先ほどからずっと見えているんですよね…あなたの黒猫が!」


 !!!オレは完全に左の首筋にある黒猫のタトゥーが見られたことを悟り、この探偵が完全に正体を見破っていると確信した。


 オレは撤退すべきか決行すべきか悩んだ。だが、ここでひとつ大きな違和感に気づく。なぜ、こいつは警察に通報しない?まさか、ひとりでオレたちを捕まえるつもりか?


「ふっ…オレたちもナメられたものだな」

 小声でそうつぶやくとオレはスマホのリダイヤルボタンを押し、仲間を呼び寄せ、

「チッ…バレちゃしょうがねぇ…

 計画とは少し違ってしまうが、決行だ。」


 そして、オレはポケットから拳銃を取り出し叫んだ!

「手を挙げろ!!!強盗だ!!今すぐ金を出せ!」


 さあ、どう出る!?オレは身構えた。


 だが、オレの予想に反して、ヤツは拳銃に驚き

 気絶したのだった。

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