第75話 凡人

「そうそう、突然ですが事務連絡です」


 授業中の大教室。黒板に板書を記す老齢の女性教員がチョークを置くと、静かに言った。

 

(突然だな)


「この後集会がありますので参加するようにと、委員会の方々から伝令を頼まれていたのでした」


「柊和、聞いといた方がいいよ」


 最後方の扉付近の席に座るエメラルドグリーンの髪の少女は、隣の机に突っ伏して寝息を立てる藤色の髪の少女に囁いた。しかし一向に起きる気配はなく、翠髪の少女はしばらく眺めたのち、少女の背中をゆさゆさと揺さぶる。


「柊和」

「んにゃ……うっ、ばちこり寝てたわ」

「知ってる」


「頼みというか……やや高圧的に命令されただけでしたけどね。なんというか、あちらの最近の傍若無人っぷりはいささか目につきますわ。一昔前までは学園をよりよくするためひたむきに尽力なさっていたのですがねぇ……いったい委員長の心境にどのような変化が……あっ、この話は門外不出ですよ?前例がございますので。そういえば一昨日、委員長が中庭で優雅にティータイムを嗜んでいらっしゃる場面を目撃してしまいまして……小鳥の囀りに耳を傾けながらなんとも柔和な笑みで……」


 目を覚ました藤髪の少女は、瞼を擦りながら翠髪の少女に訊ねた。


「あいつさっきまで何の話してた?」

「えぇっ……と、勇者の心構え、的な?それより今日の放課後集会あるってよ」

「集会?」

「カラオケ遅くなるね、今のうち連絡しとこ」


 翠髪の少女は机の下に忍ばせておいたスマホをテキパキと操作する。


「ふわぁ……集会かぁ……めんどくさぁ……あっ……」


 藤髪の少女は目立たないように両腕を伸ばし、身体の力を抜く。その流れで上半身を左右に捻ってストレッチをするが、左側を向いた時、少女は動きをピタッと止めた。


「どしたの?」

「結芽、あれ」

「陽咲乃だね」


 藤髪の少女が指さしたのは、大教室と廊下を隔てるスライド式扉の小窓。

 その向こうには、銀髪の少女と深めに外套を被った人物がいた。銀髪の少女は一瞬だけこちらを振り向くと、足早に去っていった。


「陽咲乃、あたしたちと同じ講義取ってたはずだよね~。講義サボって何してんだろ~」


「聖ヶ崎さん」


「?」

「あの、外套被ってた……」

「えっ、よくわかったね?」

「背が小さかったのと、外套からほんの少し金髪が見え隠れしてたから。陽咲乃と一緒にいるなら彼女かなって」

「うへぇ~超久しぶりに見たぁ。普通に登校できたんだ」

「ねっ、今度は梨花たちがいなくなっちゃうし。もしかしたら私たちも目つけられてるかも」

「やめてよもぅー怖いなぁー」


 嘲りのつもりだったが、あながち間違いでもないのがこの学園の怖い話だ。


「委員会ってさ、なんで先生や生徒反乱分子を木端微塵にしてまで聖ヶ﨑さんに執着してるのかなぁ~?」

「さぁねぇ、魔王を本気で倒したいってことじゃない?委員会はこの学園のためにひたむきに尽力熱血漢みたいな組織だし、聖ヶ﨑さんには才能があるらしいから」

「うへぇ~」

「私そういう人たち苦手」

「苦手だとぉ?」

「私、地に足のつかない理想のために死ぬほど努力してる人を見ると、『何そんな必死になってるの?』って引いちゃう質でさ、おまけにその理想が『誰かのため』とか『大義のため』だと、どうしても邪な詮索をしてしまって」

「ふーん」


 『学園のため』を掲げている委員会だが、先生や藤堂梨花への仕打ち、そして学園や生徒に対する横暴な態度を見れば、理想の裏に地位絡みの目的があるのは明白。

 『都合のよい駒』となれる逸材聖ヶ﨑勇香が転校してきたことで、理想が現実味を帯びた。計画を実行フェーズに移すために『ひたむき』な仮面を外し、素顔を露出させたという簡単な話だ。

 この世界はノンフィクション。純真無垢な英雄ヒーローなど存在しない。


「委員会が聖ヶ崎さんを生徒会に選んだ理由って……」

「そのモヤモヤは明日までだよ?」

「どうだろうね。私らが今一番食いつきそうな謳い文句で一か所に集めて不用品スクラップ処分が目的かも」

「ちょ、やめろし!」

「……あっ、いやぁ、違くて」

「何が違うのー?深淵は常に覗いているー!」


 翠髪の少女は圧に屈するも、藤髪の少女はにんまりと口を綻ばせて言う。


「まっ、能力次第ってとこはあるけど、仮にふさわしい能力があっても聖ヶ﨑さんが向いてるとは思えないなぁ。黒野さんや聖奈と違って、人間性でさ」

「それも深淵案件じゃない?」

「あばっ、深淵~」

「ふふっ」

「笑うなし!」

「……人間性、か」


 藤髪の少女の言葉は言い訳だ。翠髪の少女すらも、勇香や委員会の粗探しをすれば無限に湧き出てくる。

 しかし言い訳ができるのも明日まで。もし仮に勇香が『都合のいい駒』ではなく、『本物』だったら──


 明日が来て欲しくない、それを突きつけられたくない、認めたくない。


 翠髪の少女は、ふと問いかけた。


「柊和は自分が生徒会にふさわしいって考えたことある?」


「うぇ?わかんねー。考えたこともなかった」

「そもそも向いてるってなんだろう?能力?人間性?」

「うっわ、急に哲学」

「仮に人間性だとしたら、どんな人?」

「どんなって……まともな人?」

「まともね……それって偽善者か、誰かの『まとも』に染まった人間か、ってだけだよね。そんなヤツがみんなの前に立つって考えるだけでムカムカしてくるな」

「なんでそんな不機嫌になんの?あたしに聞かれてもよぅわからん!」


 この後戻りができない世界で、『生徒会を目指す』は少女たちの生きる理由付け。ふさわしい人物など定義したくもない。藤髪の少女は当然の反応。

 しかしふさわしいの定義は、奇しくもこの半年間の学園生活で形を成してしまった。


「じゃあ陽咲乃は?陽咲乃は向いてるの?」

「えー陽咲乃は向いてるでしょ?なんなら聖ヶ﨑さんよりなん京倍もね」

「まともだから?」

「まとも?……まともかな?どっちかというと信念みたいな……あぁ、だからわかんねぇって!」

「……陽咲乃は、何のために生徒会目指してるんだろう?」

「えぇ!?」


「そこ!私語は禁止ですわよ!」


「ごめんなさい」

「さーせんした!!!」


 教師に叱咤され、ふたりはぺこぺこと頭を下げる。


「結芽が突拍子もないこと聞いてくるから、声張り上げちゃったじゃん」

「ごめん、つい」

「これ、言語化すべき?」

「わかんなくて」


 コクコクと頷く翠髪の少女に冷や汗を流しながら、藤髪の少女はやや声を張り上げて応える。


「だーかーらー正義だよ正義。本人が前に京都タワーかってくらい胸張って語ってたじゃん」

「何故に京都タワー?」

「ごめん地元でたわ」

「……っ」

「相手は陽咲乃だよ?そんくらいのこと『それな』レベルで口にできるんだって」

「いや、だって……」

「あたし心の底から陽咲乃に忠告してやりたいんだけど、正義執行したいんならあたしらにつくべきでしょ。先入観だけで正義の味方ごっこ続けても、広報活動プロモーションに利用されるだけって気づけないのかね」

「案外、ごっこに心酔してるだけかもしれないね」


 翠髪の少女はまっさらなノートに板書を記しつつ、吐き捨てるように呟く。


「結芽……本気で言ってんの?」

「なに?」

「入学した時から肌身離さずの関係だったのに、よくそんな心無い発言できるね?」

「それ以外に何があるの?」


 翠髪の少女は眉を寄せながら言葉を返すが、本気マジな藤髪の少女を見つめるうちに力んでいた肩の力が抜けてしまった。

 

「ごめん……撤回」

「よかったよー危うく結芽の品性疑うところだった」


 少女の言葉に、安堵のため息を吐く藤髪の少女。


「要は純粋なの純粋。理解ってやりなさい?」

「純粋……」

「言葉の粗探しするのも結芽のいいところだけどさ、少しは“元”友達のこと信用してやんなよー」

「純粋って、どちらかというと子供?」

「あーそれ禁句!」

「あっ、ごめん」

「そりゃあの頃とはたいぶ見違えたし、結芽がそんな気持ちになるのも……」

「……っ」

「はぁ、結芽は鈍感すぎだし、先入観に囚われすぎだよ」

「先入観?」


「あんだけ陽咲乃と一緒にいて、結芽は天性のもんに気づかない?」

「……っ」



 勇香と陽咲乃は隙を見てエントランスの大階段を駆け上がり、二階へ移動した。

 そこは、勇香にとって数日ぶりの教室が並ぶフロア。授業中らしく、各所から教師たちの声が聞こえてくる。


「この外套、効果あるのかな」

「素っ裸よりはマシ。それさっきの魔法具と同等の付与魔法が生地に刻まれてる盗賊の必需品よ?」

「だから委員会は……」

「文句言ったって仕方ないでしょー。今のアタシらにできることはこれくらいで精いっぱいなんだから」

「……っ」

「ここまでくれば下校する生徒もちらほらいるし、委員会の奴らが手出ししようものなら教室越しから生徒たちに丸見え。向こうも生徒の目は気にしているだろうから、迂闊にちょっかいは出せない」

「うーん」


 とはいえ相手は委員会。生徒の目など気に留めずに襲撃を敢行する可能性だってある。


 このフロアは連絡棟へ繋がっている細長い廊下が続く。ここで対象者に姿を見せず奇襲を成功させるには、自身の姿を対象の視界から遮断する、それこそ勇香が着用する外套のような視覚遮断が趣旨の魔法具が必要だ。

 そこで陽咲乃の耳孔に装着されている魔法具では、魔法具を使用する人間が移動する際の、空気を薙ぐような微細な音を感知することができる。


 その音は、空気を全身で圧迫するような特有の揺らぎ。陽咲乃が見逃すはずない。


「まっ、魔法結界使われたら別だし、警戒しながら進もう」

「やっぱりじゃん!委員会間違いなく結界使ってくる!安全じゃない!!」

「つべこべ言わずすべてアタシに任せる!」

「……はい」


 現時点で委員会の刺客らしき人物の気配は検出できない。もっと言えば、エントランスにも、廊下にも、どこにも。

 陽咲乃ですら本当に奇襲してくるのかと疑ってしまうが、慢心は死だと首をぶんぶん横に振る。


 反動で向いた視線の先、陽咲乃はとある教室の扉の前にふと立ち止まった。


「陽咲乃?」


 扉の小窓の奥には、腕を伸ばす藤色の髪の少女と、机の下でスマホを操作するエメラルドグリーンの髪の少女の横顔が映っている。


(あいつら、息をするように講義サボって……)


「あっ、いや、なんでもない。いこっか」

「あのふたりだね」


 陽咲乃は数秒足らずでふたりから視線を外し、勇香へと向き直った。


「あははっ……ついにアタシもサボっちった。これだけは無遅刻無欠席貫いてたのになぁ」

「なんで?」

「特に理由はないけど、あのふたりと一緒の講義あんましなかったからね」

「本当に絶交でよかったの?」

「え?いいのいいの!アタシのポリシーに反するから」

「私なんかよりも仲良かったんじゃないの?」

「うーん」


 陽咲乃とふたりの少女との絆は、入学直後から始まっていた。一方通行を知らされ、勇者の使命を背負わされた瞬間を共にした、絶望を乗り越えた仲だ。勇香よりも、と比較は避けるが、単なる友情とは似て非なる。


「実を言うと、最初からあの二人とは関わりたくなかったんだ」


「ふたりとは親友じゃないの?」

「そっ、親友。この学園に来た時、一番最初にアタシの友達になってくれてね~」

「そっか」 

「正義と頂点しか頭になかったアタシに、いろんな景色見せてくれたな」


「いろんな?」


 純粋無垢なまなざしで訊ねる勇香。思わず向こうでの勇香を想像し、陽咲乃は苦笑してしまう。そのせいで勇香に不審がられ、陽咲乃は一息おいて呟いた。


「ん?アオハル的ななにか」


「なんで加工するの?」

「恥ずいじゃん」


 陽咲乃の言葉に、首を傾げる勇香。これでも察しないかと生暖かい目で見守っていると、勇香は少し間をおいてから顔を赤らめて言った。


「じゃあ、私に青春を教えてくれたのは陽咲乃だね」

「ちょ、無加工で言うなし!」


「だって恥ずかしいもん」

「あーもうこの話なし!!!」


 陽咲乃は顔が熱くなるのを感じながら、熱を覚ますために外の景色に目を移す。

 窓の外、向こうではぼんやりと眺めることもなかった、茜空に染まる薄青色の空が広がっていた。


「なんでキレるの?」

「キレとらんわい!」


 この世界でなら、もしくは──


「それで、なんで絶交したの?」

「うーん……親友だからかな」


「どうして?」

「そーだなー、アタシが」

 ドシャッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!



 これは、一連の出来事が起きた後の陽咲乃による見解である。


 足が地を踏んでいたはずが、次の瞬間にはくの字に宙を舞った。


 空を弾丸裂くような速さで、吹き飛ばされた。


 勇香の手から突如として引き離され、陽咲乃は勢いよく地面へと倒れ込んだ。


(へっ……)


 背中に金属板が挿入されたように、陽咲乃は思考も全身も凝り固まった。


 数分後に我に帰ると、陽咲乃はよろよろと上体を起こし、周囲を確認。


 攻撃者、気配なし。


 味・嗅で確認、口内を飽和する鉄の香。


(これ……って……)


 一方、聴・視ともに反応なし。攻撃対象を検知不可。


 けれども確かに身体には残存している。視認できない、まるで透明なトラックと衝突したような感覚。



 不思議と、視界は静謐としていた。


 一連の出来事が、ただのとでも囁くように。


 心配ない、このまま進み続ければと、抱いた数瞬の絶望をじわじわと発散させるように。


(まだっ……まだいけ……)


 静謐が、故意に構築されたものだとも知らずに。


「ッッッッッ!!!!!!!!」


 触で感知、何者かに腹部を強打される衝撃。陽咲乃は体ふたつ分吹き飛ばされ、背中からに激突する。


「ブハァッッッッッ!!!!!」


 吐血。


「がぁっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 思考も許さない激痛と、絶えず口内から放出される胃酸と鮮血。


「あぁぁぁぁぁ、グハッグハッ……」

(マジ……マジかぁ……)


 障壁に背中を預け、鈍った思考で状況の把握を試みる。

 眼前には深紅の液体が両足に降りかかり、床に漏れたものは小さな湖を形成している。


「ぐっ……!」


 唇から血液が滴り、湖に供給される。

 目を逸らそうにも、凝固した身体が言うことを効かない。

 

(ここで……終わり……?)




 陽咲乃の震えに呼応するように、狐の耳飾りがチャリチャリと揺れる。


///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅する正義の盾にね///

(……勇香!?)


「ハァハァハァ」


 ぐちゃぐちゃの思考を律し、叫んだのは勇香の名。

 同時にゆらゆらと濁った視界で周囲を見渡す。


(これは、視覚遮断の……結界?既に展開済みだったってこと?)


 廊下だった景色は一変し、全方向が不気味な青白い壁に覆われていた。


(アタシらは、まんまとネズミ捕りに引っかかった……?)


「陽咲乃ッ!!!!!」


 陽咲乃の声を聞くなり、声を返す勇香。どうやら勇香は無事らしい。


 しかし視界がはっきりしてきたせいで、陽咲乃はそれを視認できた。


 勇香の背後に揺蕩う、長身の人影──


(……っ!くっそがあああああああああ!!!!!!!)


 陽咲乃は全神経を思考を集中させ、凝り固まった身体を駆動させる。激痛に苦しむ余裕はない。


「陽咲乃!?」


「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!!!!!」


 陽咲乃は激突も顧みず猛然と突進。ある程度の距離に達すると、陽咲乃は減速するどころか勇香めがけてダイブ。

 勇香の背中に両手を回し、人の形を帯びつつある影の真横を突き抜ける。


「えっちょ!?」


 流れに身を任せ、陽咲乃は勇香に覆いかぶさると、ずしゃっと音を立てて倒れ込んだ。


「陽咲乃、怪我はないの!?」

「それより前見る!!!」

「へっ!?」


 勇香もようやく、景色の変貌に気づいたらしい。


「はっ……ぁぁ……」

「勇香……?」


 いや、勇香の恐怖に満ちた眼差しでその女をだけを見つめていた。


「あぁ……」

///何を呑気に野晒になっているのです?立ち上がりなさい///


 鮮明な色彩を帯び、影は人の成を呈す。


「ねぇ、勇香!」


 瞳孔が激しく揺れ動き、ガクガクと震える勇香の手足。


「あぁ……ああぁ……」

///あなたはこの世界の英雄となるべき者、そう委員長に賛美されているのでございますよ!?それなのに何たる無様……恥を知りなさい///


「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

///本日の実習で獲得したのは恐怖のみ……否、恐怖はもとより希薄でございます。つまり、実質何もありませんのね///


「勇香……どうしたのッ!?」

「ノイズが……聞ぉ、えぐ……」

「……っ!?」


「居場所は……こご、だっでぇえ……」


(やばい……やばいでしょ……これ)


「ハァハァハァハァハァハァ」


 自らの背中を盾にして、勇香の視界を閉ざす陽咲乃。振り向くと初老の女が、今まさに陽咲乃に魔杖を突き立てているのが見て取れた。


「ハァ……ハァ……」



 チャリチャリ


///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅する正義の盾にね///


 その眼は獲物を捉えた肉食獣のように。


「ハァハァ……」


 チャリチャリチャリ


///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅する正義の盾にね///


 顔の体温が急激に冷えてゆくのを感じると、陽咲乃は息を呑む。自らの手を覗き込むと、汗でぐちょりと濡れていた。


「ハァハァハァハァハァ!!!!!!!!」


 チャリチャリチャリチャリ


///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅する正義の盾にね///


 初めての感触だった。

 いや、この世界だからこそ味わえる、世界の本質。


 ──生まれて初めて全身に受け止めた、“死”に直結する絶望体験。


「ふぐっ……こ、これ……」

///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅する正義///


「これ……これって」

///だから僕は成ったんだ。理不尽を滅s……なら……ない///


 振り下ろされた魔杖から、紅蓮の極光が放出された。






「これ、負け……確……?」


 だから僕は成ったんだ。理不尽を

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