第47話 計画

「ーー誰だか分かったか?」


橋爪さんが聞く。


「あぁ、ニュースでは高橋達也、って言ってましたよ?」


「ーーそうか」


「後は打ち合わせ通り、あれもしてくれたか?」


「抜け目なくーー」


今のところ打ち合わせ通りだ。


「ーーあれ、持ってきてくれたか?」


「あぁ、これですね!ーー今渡しますか?」


「いや、後で彼に渡しておいてくれればいい。少し、足しといてくれ!」


「了解!」


俺は橋爪さんに言った。


「ーーじゃ、俺、そろそろ帰りますね」


「あぁ、またな」


橋爪が笑う。そして俺も笑った。

計画通り、このまま上手く行くだろうか?



面会室に、俺が持っていった袋の中には、何の害もない煙玉。

そして少しのドライアイスーー。

その上には着替えなどを入れてあるから、大丈夫だろう。


橋爪さんに頼まれたものだ。


「着替えなんですが持ってきたんで、渡してください」


警察の人に手渡す。

すぐに警察官は橋爪さんに渡した。


「橋爪、着替えだ」


少し偉そうな口振りで。

不服そうな顔で、橋爪直人がそれを受け取った。


着実に、、「計画」は進んでいる。


ーーしかし、彼はこれから何をしようとしているのだろうか?

いつ計画は実行されるのだろうか?

俺はその計画を知らされてはいない。が、出来る事は協力をする事にしている。


ーーそれにしても、あの警官、受け取りはしたが、普通なら中身くらい確認するんじゃないのか?


大丈夫だろうか?

煙玉など、見られていないだろうか?


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