第40話 自首、山崎拓海
「それで、今日は我々に話があるそうですね!?」
パンチパーマの男がやんわりとした口調で聞く。
「はい。俺、人を殺しちゃったんです」
「その方の名前は?」
「鈴原カイトです」
「彼をどうやって殺したんですか?」
「足元にあった石で咄嗟に殴っちゃったんです」
「もーその事件の犯人だと言う方がいてね、、終わってる事件なんだよね、、」
パンチパーマの男の言い種はこんなだった。犯人だろうが、犯人じゃなかろーが、どーでもいいとでも言いたそうな口調だ。
「君が犯人だと言う証拠は??」
「証拠、、ですか。目撃者がいます」
「ほう」
パンチパーマの男の目が、突然大きくなった。
「ーー目撃者とは?」
「よく居酒屋さんで出会っていた人ですが、笠原佐知子という人物です」
「その方は今どこに住んでるんですか?」
「すいませんが、彼女の家に行った事があるわけではないので、わかりません」
部下を呼びつけ、天然パーマの刑事が耳打ちした。
「笠原佐知子ーー確認を急げ!」
「はい」
刑事たち二人が部屋を出ていく。
部屋に残った刑事は、パソコンの前に一人、そして天然パーマの刑事で二人。
自首をする、そう思い始めてから、俺は少しだけ気持ちが楽になった気がした。
笠原さんが、俺の事件を知っていた。それが俺に自首を決意させた。
ついに、牢屋に入れるのか。
自らの罪を償うために、、。
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