第7話 確信

「警部、これ見てください」


鑑識課の一人が指を指している。

その場所を覗き込むと、微量の血痕が発見された。

この場所で殺されたと言うには少なすぎる。おそらくここでケンカでもしたのだろう。それくらい微量の血痕だ。


その日。夕方のニュースではその事件が派手に報道されていた。


山崎拓海はテレビ画面を通して、そのニュースを見ていた。


ーーついに、ついに見つかったか。


ドキドキする。

いつ俺の元にたどり着くのか?多分、証拠は何もないはずだ。

あの時、どこにでも売っているビーチサンダルをはいていたはずだ。しかし、この時季はもう夏ではない。

それを売っているところもないだろう。


ーー彼ら(警察)は俺のもとにたどり着けないだろう。

絶対にーー。


心のどこかで俺は勝利を確信した。逃げられるーーそう思って、山崎拓海は声を上げて笑った。


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